【妊活で男性がやるべきこと】漢方薬剤師が教える7つの習慣

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西山光です

「自分も何かしたほうがいいのはわかっている。でも、何から始めればいいかわからない」

妊活で相談に来られる男性の多くが、最初にこうおっしゃいます。

不妊の原因の約50%は男性側にあるといわれていますが、実際に行動を起こしている男性はまだ少数派です。病院で精液検査を受けるにもハードルを感じる方が多いのが現実でしょう。

この記事では、漢方薬剤師の視点から「今日からすぐに始められる7つの習慣」をお伝えします。まずはセルフチェックで自分の状態を確認し、できることから一歩を踏み出してみてください。

目次

まずはセルフチェック——「男性不妊になりやすい人」の特徴

妊活の第一歩は、自分の状態を知ることです。以下の項目に当てはまるものがないか、チェックしてみてください。

からだの状態

  • 疲れやすく、慢性的なだるさがある
  • 手足や腰が冷えやすい
  • 性欲が以前より低下している
  • 勃起力の低下を感じることがある
  • 顔色がくすんでいる、目の下にクマができやすい

生活習慣

  • ほぼ毎日お酒を飲んでいる
  • タバコを吸っている
  • 睡眠時間が6時間未満のことが多い
  • デスクワークで座りっぱなしの時間が長い
  • コンビニ食やファストフードが週の半分以上を占める
  • サウナや長風呂が習慣になっている

体型・見た目のサイン

  • BMIが25以上(肥満傾向)
  • お腹まわりに脂肪がつきやすい

※陰嚢の左右差や表面の血管の浮き出し、精液の量が極端に少ないなどの気になる点がある場合は、泌尿器科の受診をおすすめします。

3つ以上当てはまる方は、生活習慣の見直しで精子の質が改善する可能性があります。5つ以上の方は、漢方での体質改善も視野に入れることをおすすめします。

漢方薬剤師が教える「男性妊活7つの習慣」

習慣1:からだを温める食事に切り替える

漢方では、冷えは「腎(じん)」の大敵と考えます。腎は精子をつくる力の源です。

冷たい飲み物やアイスを控え、温かいものを意識して摂りましょう。山芋、くるみ、えび、にらなど「腎を補う食材」を普段の食事に取り入れることで、からだの内側から精子をつくる力をサポートできます。

朝の冷たいジュースを温かいお茶に変える。それだけでも立派な一歩です。

(→具体的な食材については【男性妊活の食べ物】精子の質を高める食事と漢方の食養生で詳しく解説しています)

習慣2:お酒は「量と頻度」を見直す

完全に禁酒する必要はありませんが、毎日飲む習慣は精子の正常形態率に影響するという報告があります

漢方では、お酒の飲みすぎは体内に「湿熱」を生み、精巣環境を悪化させると考えます。休肝日を週3日以上つくること、冷たいお酒を避けることを心がけましょう。

(→お酒との付き合い方は「妊活中の男性はお酒をやめるべき?アルコールと生活習慣を漢方的に解説」をご覧ください)

習慣3:喫煙は最優先でやめる

タバコ

喫煙者は非喫煙者に比べて精子の数が10〜17%減少し、運動率の低下や形態異常のリスクが高まることが報告されています。

漢方の視点でも、タバコの煙は血のめぐりを悪くし、瘀血(おけつ)を悪化させる要因です。精巣への血流が悪化すれば、精子の質は必然的に下がります。

妊活の中で、禁煙は最もインパクトの大きい改善策です。まずは1日の本数を減らすことから始めてみましょう。

習慣4:睡眠を「腎精の回復時間」と考える

睡眠

漢方では、腎のエネルギー(腎精)は夜の睡眠中に回復すると考えます。慢性的な睡眠不足は腎精を消耗させ、精子の質にも影響します。

理想は23時までに就寝し、7〜8時間の睡眠を確保すること。特に寝る前のスマホは、ブルーライトによる睡眠の質低下だけでなく、漢方でいう「肝血の消耗」にもつながるため、就寝1時間前にはやめる習慣をおすすめします。

習慣5:適度に動いて「気」をめぐらせる

漢方では、運動不足は「気滞(きたい)」——気のめぐりの停滞——を招くと考えます。気が滞るとストレスを感じやすくなり、ホルモンバランスにも影響が出てきます。

激しいトレーニングは逆に活性酸素を増やし精子に負担をかけることもあるため、ウォーキング、ストレッチ、軽いジョギングなど、心地よいと感じる程度の運動が適しています。

通勤で一駅分歩く、エレベーターの代わりに階段を使う。こうした日常の小さな動きの積み重ねが、気のめぐりを良くし、精巣への血流改善にもつながります。

習慣6:精巣を温めすぎない

サウナ

精巣は体温より2〜3℃低い環境で最もよく機能します。高温は精子の生成を一時的に低下させる要因になります。

長時間のサウナ、42℃以上の熱い湯船への長湯、膝の上でのノートパソコン使用、タイトな下着やスキニーパンツの着用——これらは精巣の温度を上げる習慣です。

妊活中は、サウナの頻度を減らす(週1〜2回まで)、お風呂はぬるめ(38〜40℃)にする、通気性のよいゆったりした下着を選ぶといった工夫を取り入れましょう。

漢方的にも、過度な熱は腎陰(潤す力)を消耗させると考えます。

習慣7:ストレスと上手に付き合う

ストレスは男性ホルモン(テストステロン)の分泌を低下させ、精子の数や運動率にも影響を及ぼします。

漢方では、慢性的なストレスは「肝鬱気滞(かんうつきたい)」——肝の機能が停滞し、気のめぐりが悪くなる状態——を引き起こすと考えます。肝鬱気滞が長引くと、イライラ、不眠、食欲の変動、さらには瘀血へと連鎖し、精子の質にも影響してきます。

ストレス解消法は人それぞれですが、漢方では「芳香は気をめぐらせる」と考えます。柑橘系のアロマやジャスミンティーを取り入れたり、自然の中を散歩するのもよいでしょう。

また「妊活のことばかり考えない」ことも大切です。夫婦で楽しめる趣味の時間をつくることが、実は一番のストレス対策になることもあります。

「自分の体質」を知ることが、最も効率のよい妊活

7つの習慣を全部やろうとする必要はありません。大切なのは、自分にとって最も効果的な改善ポイントを見つけることです。

漢方では、同じ「精子の質が悪い」という状態でも、その原因となる体質は人によって異なります。

冷え体質の方は、まず「温める」ことが最優先。ほてり体質の方は、「潤す」ことが先決。ストレスが強い方は、「気をめぐらせる」ことが鍵になります。

自分の体質がわからないという方は、当薬局の「かんたん体質分析」もご活用ください。いくつかの質問に答えるだけで、ご自身の体質の傾向がわかります。

(→体質別の漢方アプローチについて詳しくは「男性不妊と漢方薬|体質別に考える原因と改善のアプローチ」をご覧ください)

精子は74日で入れ替わる——今日が「変わる」スタート地点

精子が精巣でつくられてから成熟するまでには約74日かかります。つまり、今日始めた生活改善は、2〜3ヶ月後の精子に反映されるということです。

逆にいえば、2〜3ヶ月前の生活が今の精子をつくっています。過去は変えられませんが、これからの精子はこれからの行動で変えられます。

7つの習慣のうち、まず1つだけ選んで、今日から始めてみてください。

男性妊活のこと、一人で悩まないでください

「何から始めればいいかわからない」「自分の体質に合った方法を知りたい」「漢方薬で体質改善に取り組みたい」——そんな方は、ぜひ一度ご相談ください。

灯心堂漢方薬局では、男性の妊活相談にも力を入れています。体質分析から生活習慣のアドバイス、130種類以上の生薬からお一人おひとりに合わせた漢方薬のご提案まで、トータルでサポートします。LINE相談も受付中です。

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