この記事を書いた人
・灯心堂漢方薬局 薬局長
・薬剤師歴10年以上
・店舗のLINE登録者数1000人以上
・漢方を通して、皆様が少しでも健康に過ごせる手助けをできればと思います。>>プロフィール記事はこちら
西山光です
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妊活について問い合わせが増えてきましたので、漢方での考え方についてまとめたいと思います。
まずはじめにお伝えすることとしては、妊活で悩まれている方は不妊専門の病院に受診し、原因を調べることです。
不妊の原因はさまざまでホルモンの問題、子宮内膜症などの基礎疾患、卵管の通りが悪いなど原因は多種多様です。
原因がわかることで、原因に対する対応もできることが増えていきます。
漢方では体を構成する要素として気血水があります。
気血水と妊活、妊娠の関係について説明いたします。
気虚や瘀血などの言葉を聞いたことがあるかもしれません。
それらの用語について説明しています。
相談に来られる方は、気虚もあって、血虚もあって、痰湿もあるというように、複合的に合わさることがほとんどです。
不妊の原因が瘀血だけということはなく、気虚などの多くの要素が重複してきます。
「気」というと想像しづらいと思いますが、漢方での「気」は身体の働きのことを言います。
つまり「気虚」とは、身体の機能が落ちている状態です。
気虚になると、つかれやすい、元気が出ない、冷え、むくみやすい、胃もたれ、軟便などの身体の機能低下の症状がみられやすくなります。
□気虚の症状
・つかれやすい
・元気がない
・冷え
・むくみ
・胃もたれ、食欲不振
・軟便になりやすい
・生理がはじまると出血がだらだら続く
・舌がぼってりして、締まりがない
・基礎体温が上がりにくい
気虚の体質の場合、食べ物から栄養を吸収する働きが弱くなり、ますます気が不足しやすくなります。
また栄養を吸収できないので、血をつくることができず、血虚にもなりやすくなります。
気が不足すると、身体からいらないものを排出する働きが弱くなり、むくみにもつながります。
妊娠することは、気血を大量に消費することになります。
「気」は元気の気であり、身体に元気がない状態では胎児を宿すことは難しいです。
気滞とは気のめぐりが悪い状態のことをいいます。
気のめぐりが悪いと、イライラ、不安、肩こり、便秘、生理前に胸が張るなどの症状がみられやすくなります。
□気滞の症状
・いらいら、不安
・肩こり
・便秘
・生理前の胸の張り
・舌が詰まって、固い
・基礎体温がギザギザする
気滞の体質では、滞った症状が多くみられます。
気滞と妊活でどういった関係があるかというと、気のめぐりと血のめぐりが密接に関係しているからです。
「気は血の帥」といい、気が巡ることで、血が気と一緒に巡ることができます。
つまり気滞があると血の巡りが悪くなります。
血の巡りは妊活において非常に重要で、血が正常に巡っていくためにも、気滞を解消する必要があります。
漢方でいう「血」とは、栄養を意味します。
「血虚」とは身体の栄養が不足している状態です。
血虚になると、肌・髪・爪が乾燥しやすくなり、足がつりやすく、生理の量が少なくなったり、生理周期が遅れやすくなったりします。
□血虚の症状
・肌が乾燥しやすい
・髪がパサパサしやすい
・爪が割れやすい
・足がつりやすい
・生理の量が少ない
・生理周期が遅れやすい
・基礎体温が上がりにくい
「血」は女性の不調と密接に関係します。
少し難しい話になりますが、生理や妊娠と関係する経絡として、衝脈(しょうみゃく)と任脈(にんみゃく)というものがあります。
衝脈は「血海」ともいい、まさに血の海として血を大量に必要とします。
任脈は子宮から始まる経絡で、下腹部を通っており、生理・妊娠と深い関係があります。
衝脈と任脈をあわせて、衝任脈(しょうにんみゃく)ともいいます。
漢方では、衝任脈に血が満たされることで、生理となると考えられています。
血が不足していると、血海というタンクに血の溜まるスピードが遅くなり、生理が遅れがちになります(生理周期が安定していても、血虚の方は多くいらっしゃいます)。
正常な生理を維持するためにも、血が必要となります。
血虚の体質の場合、生理が安定しづらくなり、また胎児を宿すためにも血が必要となるため、妊娠が難しくなります。
「瘀血」とは、血のめぐりが悪い状態のことです。
血のめぐりが悪いと生理痛がよくみられます。
血のめぐりの悪さから、舌や生理血など暗い色になりやすくなります。
□瘀血の症状
・生理痛がひどい
・生理血が暗い色
・生理血に血の塊がある
・舌、唇が暗い色をしている
・子宮内膜症
・チョコレート嚢胞
・子宮筋腫
・卵管の通りが悪い
・基礎体温ガギザギザする
瘀血の血のめぐりが悪くければ、多くの不調がでてきます。
瘀血は血がドロドロしている状態であり、それがさらに凝縮すると、子宮筋腫、チョコレート嚢胞、子宮筋腫などにも関与しています。
血の巡りが邪魔することで、卵管の通りも悪くなります。
瘀血は不妊に大きな影響を与えるため、瘀血を巡らせることはとても重要です。
ただし瘀血を考えるときに、瘀血の原因は何か?と、深堀りして考えないといけない場合があります。
例えば気滞があることで、瘀血につながることがあります。気滞→瘀血の場合は、血を巡らせるだけでなく、気をめぐらせる必要があります。
また気虚があることで、血の巡りが悪くなり、瘀血になることもあります。気虚→瘀血の場合は、血を巡らせるだけでなく、気を補うことも重要になってきます。
「陰」とは、身体の潤いのことです。
水をたくさん取ればいいですか?とよくいわれますが、水分ではなく、身体の奥の潤い、細胞の潤い、臓器の潤いという考え方です。
陰虚とは、身体が乾いている状態のため、ほてり感、口渇、便秘があらわれます。
□陰虚の症状
・ほてり感
・口渇
・便秘
・舌の苔が少ない
・舌が赤い
・舌が割れている
・基礎体温が高い
陰は身体の潤いであり、身体を適切に冷やす働きがあります。
陰虚になると、適切に身体を冷やすことができなくなるため、基礎体温が全体的に高くなりやすくなります。
とくに低温期では陰の働きが重要になってきます。
適切に身体の潤いがあることで、低温期に重要な働きがあり、また基礎体温が上がり過ぎないようにします。
水滞、または痰湿とは水がたまっている状態のことです。
よく痰湿という言葉をつかいます。
痰というとのどに溜まるイメージですが、漢方では身体全体に痰という「ヌメリ」をため込みます。
□痰湿の症状
・むくみ
・鼻水、痰
・不眠
・いらいら、不安
・おもだるい
・太りやすい
・おりものが多い
・舌の苔が厚い
・舌の縁に歯形がつく
・多嚢胞性卵巣
・卵管の通りが悪い
痰湿とはヌメリのことです。
ヌメリがあることで気血の流れを邪魔してしまいます。
ヌメリが卵巣に溜まることで多嚢胞性卵巣になり、卵管ではヌメリがあることで通りが悪くなります。
痰湿という言葉はあまり聞き馴染みがないと思いますが、痰湿というヌメリは不妊の原因としてよくみられます。
気虚や瘀血など様々な用語について説明いたしました。
ざっくりいえば、気・血・水の不足していると、「虚」の状態で補う必要があります。
気滞、瘀血、痰湿のようにたまっているときは、身体から排出する必要があります。
気・血・水はそれぞれ独立したものではなく、つながりがあるため、気虚があると血虚にもなりやすいように次々につながっていきます。
不妊の原因が血虚のみということはなく、実際には気虚も血虚も瘀血も痰湿もある方が多く、気・血・水のそれぞれの要素で過不足を考え、それにあわせた漢方薬を選ぶ必要があります。
五臓とは、肝・心・脾・肺・腎のことです。
ややこしいですが、西洋医学での「肝臓」と漢方の「肝」、西洋医学での「腎臓」と漢方の「腎」は異なります。
漢方の方が幅広い意味合いがあります。
漢方について調べると、「肝」「腎」などの用語でてくるため、解説しております。
とくに妊活で重要になるのが、肝・脾・心・腎です。
西洋医学での「脾臓」は古くなった赤血球を壊す臓腑ですが、漢方での「脾」は消化吸収の働き全般のことを言います。
漢方での「脾」は広い意味で、胃・十二指腸・膵臓・小腸・大腸を含めます。
「脾」は消化吸収の働きです。
「脾」の消化吸収の働きは非常に重要で、食べ物を消化吸収することで身体にカロリーや栄養を補い、身体の源になります。
つまり「脾」が弱っていると、栄養を吸収できず、身体全体の機能が落ちてしまいます。
長生きする方は、ご高齢でも肉を食べたり、胃腸が強いイメージはありませんか?
それだけ消化吸収の強さは健康を維持するうえで大切です。
「脾」の弱さは気虚、血虚に関連します。
「脾」の消化吸収する働きは身体の土台となり、妊活を考えるうえでとても重要です。
□脾虚の症状
・食欲不振
・消化不良
・胃もたれ
・下痢しやすい
・皮下出血しやすい
漢方での「肝」は血を蓄える働きと、気をめぐらせる働きがあります。
肝は蔵血の臓腑であり、血の量と関係があります。
血は生理や妊娠するうえでともて重要になり、血が少なければ、生理不順、不妊の原因となります。
妊活では肝の血をしっかりと溜めることが不可欠です。
また肝には気をめぐらせる働きがあります。
肝の気の巡りが悪いと、イライラ、不安になりやすくなり、生理前のPMSで胸の張りがでやすくなります。
気は血の巡りを助ける働きがあり、気が停滞すると必要なところに血が行き渡らなくなります。
□肝血虚
・肌、爪、髪が乾燥しやすい
・不安になりやすい
・生理血が薄い
□肝鬱気滞
・いらいらしやすい
・抑うつになりやすい
・生理前に胸が張りやすい
漢方での「心」は君主之官であり、神を蔵し、脳は神の府と考えられています。
つまり脳内でのホルモンの働き、排卵の指令を出すことなどは心の領域になります。
また心には下降の働きがあり、子宮に溜まるいらないものを出す方向に助けます。
腎は蔵として、蓄える働きがあり、心のいらないものを出す働きと腎の必要なものを保持する働きのバランスによって、生理・妊娠の働きをコントロールしています。
「腎」は生命力の源として、精を蔵します。
「腎」は生命力の源であるため、子供が成長していくのは「腎」の働きが活発になっており、反対に加齢によって衰えていくのは「腎」が弱っていっているといえます。
女性は7の倍数で体質が変化する、ということは聞いたことがありませんか?
それは腎の働きが関係しています。
女性は21歳で腎気が整い、身体ができあがります。
28歳で筋骨が固く、髪も豊かになり、身体が最も盛んになります。
35歳でシワができ、髪が抜け始めます。
42歳でシワが目立ち、白髪がみられます。
49歳で任脈が虚し、衝脈が衰えて、閉経し、子供を授かることが難しくなります。
女性の身体は28歳がピークで、それを越すと腎虚の症状が少しずつあらわれやすくなります。
妊活という生殖活動において、腎の働きは極めて重要です。
□腎虚の症状
・若い時より元気がなくなってきている
・生理のときに腰が痛くなる
・頻尿
・軟便になりやすい
・冷え性
生理周期は一般的には25~38日で、月経期(生理)→卵胞期(低温期)→排卵期→黄体期(高温期)とめぐっていきます。
・月経期はいわゆる生理のときで、卵胞ホルモン・黄体ホルモンが低下し、子宮内膜が剥がれ落ち、血液と一緒に体外に排出されます。生理痛で悩まれる方が多いです。
・卵胞期(低温期)は卵胞刺激ホルモン(FSH)によって卵巣にある卵が発育し、それに伴い卵胞ホルモン(エストロゲン)が分泌され、子宮内膜が厚くなっていきます。低温期。
・排卵期は卵胞ホルモン(エストロゲン)がピークになると、黄体化ホルモン(LH)が分泌され、卵子が飛び出し、排卵となります。排卵期に向けて、おりもおが増えてきます。
・黄体期(高温期)は卵胞から黄体に変化し、黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌されます。受精しやすいように子宮内膜が軟らかくなります。高温期は卵胞期に比べると体温が0.3~0.5度ほど上昇します。黄体期の後半からイライラ、不安、胸の張りなどのPMSの症状がみられる方がいらっしゃいます。
次に漢方での生理周期と、そのときに必要な対応をまとめていきます。
月経期は生理が始まり、子宮内膜が剥がれ落ち、血液と一緒に排出されます。
生理は新しい周期の始まりです。
月経期は古い血を出し、新しい環境をつくりだすタイミングです。
そのため、生理のときに古い血をしっかりと出し切れず、古い血が残っていると、新しい環境を生み出すのに支障がでます。
生理のときは古い血をしっかり出し切るためにも、血の巡りを意識する必要があります。
古い血をしっかり出し切ることで、新しく身体が整っていきます。
出血が1,2日で終わり、3日目にはほぼ終わっている方や、出し切れていないような感じがある方は血をめぐらせる必要があります。
漢方で考えると、生理というのは古い血を排出し、新しい環境をつくっていく重要なタイミングです。
血をめぐらせることを中心に考えます。
食べものとしては、ヨモギ、べにばななどがおすすめです。
低温期ではエストロゲンが分泌され、子宮内膜は厚くなり、基礎体温では36度前半の低温期になります。
漢方での低温期(卵胞)の考えは、陰血を補うことが重要です。
とくに生理後は出血し、血を消耗している状態です。
生理後に血を消耗しているときにはしっかりと血を補ってあげる必要があります。
身体の潤いとなる陰や、血を補うことで、低温期は安定しやすくなります。
また身体の潤いが強くなることで、排卵期に近づくほどおりものの量が増えます。
おりものは透明でとろみがあり、糸を引くようなものが理想的です。
低温期(卵胞期)では、生理で消耗した血を養い、陰血を補うことが重要です。
低温期が高くなりやすい方は陰血が不足していると考えられます。
排卵期は卵子が卵胞の壁を破り、卵子が腹腔内へ飛び出します。
痰湿というヌメリが多かったり、瘀血があると、卵子が飛び出すのを邪魔してしまいます。
また気滞、肝鬱があり、肝の気の巡りがスムーズに流れていなければ、細かい動きをコントロールできず、排卵に影響を及ぼします。
心・腎の交流ができていなければ、ホルモンバランスが乱れ、排卵がしづらくなります。
衝任脈での血が不足していると、排卵に向けての気血の活動が低下してしまいます。
総じて排卵はたくさんの要因から成りなっており、悪いものは出し、足りないものを補い、身体が整うことで正常な排卵につながります。
体温も低温期から一瞬だけ下がり、その後高温期になります。
高温期では気血の働きが活発になる時期です。
気血の働きが盛んのため、体温は上昇し、高温期になります。
体温が高くなるように、漢方では陽気が活発になっていると考えられます。
身体を温める気(陽気)が不足すると、体温は上昇しづらくなります。
脾や腎、衝任の働きが弱っていても、十分に身体を温めることができなくなります。
高温期の後半、生理の前になると、盛んになった気のめぐりの影響を受けて、イライラしたり、胸が張ったりなどのPMSの症状がみられやすくなります。
この時期の対応としては、陽気を補い、温め、補腎などを中心にします。
基礎体温が変化していくように、生理周期のなかで身体に起こっていることは変化していきます。
どの時期がうまくいっていないのか考え、その時期に重点をおいて漢方を考えます。
一般的には基礎体温は排卵日を知るためといわれていますが、漢方の考えでは体質を知るために基礎体温の情報は重要です。
高温期では体温が上がっているか、低温期ではしっかり下がっているかを見ます。
理想的な基礎体温としては、低温期と高温期で二相性になっていることがあります。
低温期と高温期での移行のとき以外は、体温が大きくジグザスせず、安定していることも重要です。
基礎体温の流れとしては、高温期がつづき、生理がくると、1日、2日で急激に体温が下がり、低温期に入ります。
低温期はだいたい36度5分以下で、できるだけ安定し、排卵時に一時的に基礎体温が下がります。
その後、1日、2日で0.3~0.5度ほど急激に体温が上昇し、高温期に入ります。
妊活の上では高温期を12日~14日ほど維持することも大切になります。
高温期が2週間ほどつづき、生理がくると、1日、2日程度で体温が下がり、低温期になります。
□基礎体温のポイント
・低温期と高温期で二相性になっている
・低温期は36度5分以下で安定している
・低温期から高温期へは1日、2日以内に上昇する
・高温期は、低温期より0.3~0.5度ほど高く、12日~14日ほど維持する
・生理がきて、高温期から低温期へ移行するときは、1日、2日以内で低下する
排卵日の目安としては、低温期から高温期へは移行するときに、カクッと体温が下がり、そのタイミングが排卵の予測日です。
あくまでも予測日であり、実際にはずれていることもあるようです。
または排卵検査薬を使用するか、病院にて超音波検査にて排卵日を特定することもできます。
実は、最も妊娠しやすいタイミングは排卵日ではありません!
実は排卵日の2日前が一番妊娠しやすいという研究があります。
排卵日にセックスしても妊娠はしますが、可能性として高いのは排卵日の2日前の方がいいです。
また排卵日当日よりも、排卵日の4日前の方が可能性が高いです。
タイミングの目安としては、排卵日の2~4日前が可能性が高いので、排卵日の予測から4日前から排卵日まで数回タイミングをとることをおすすめいたします。
排卵日の予測を知るためにも、基礎体温を知ることは重要です。
基礎体温には大きく2種類あります。
数分間かけて測定する実測式と数十秒で測れる予測式です。
理想をいえば、数分かけて測定する実測式がおすすめです。
しかし朝の数分間は貴重だと思いますので、実測式が難しければ、予測式でもやむを得ないと思います。
ただし予測式のなかでも測定時間の長いものがおすすめです。
予測式のなかでも10秒で測定できるものと、30秒で測定できるものとでは、時間が長い方が実測値に近づくといわれています。
基礎体温はかなり繊細なので、毎日同じ時間に測定してください。
起床して動いただけでも体温は変化するので、起きてすぐに、動かないようにして測定してください。
起床してすぐに測れるように基礎体温計は枕元においてください。
舌の裏に当てて、口をしっかり閉じて測定してください。
しっかり小数点第二までスマホでも紙でも記録してください。
□基礎体温の測り方
・理想は数分かけて測定する実測式
・予測式の場合でもできるだけ測定時間の長いものを選ぶ
・毎朝同じ時間
・起きてすぐに!
・測定後は小数点第二位まで記録する
高温期は基礎体温が高くなります。
体温が高いということは漢方では、陽気が活発になっていると考えられます。
陽気というのは、身体を温める気のことです。
陽気が充足していれば高温期を維持できますし、陽気が不足していると高温期を維持できません。
低温期は基礎体温が低くなります。
体温が高くないということは、陽気の働きが活発ではありません。
低温期は身体を適切に潤し、冷やす働きの陰血が活発になります。
低温期ではしっかり陰血を補うことで、基礎体温を維持し、また妊娠に重要な血を補充します。
陰血が不足していると、体温を低くできないため、体温が上がりやすくなります。
低温期が36度を切ったりして、低温期の体温が低い方は身体を温める陽気の働きがよわった陽虚、もしくは陰陽両虚の体質の可能性があります。
低温期が36度5分を超えることが多いときは、身体を潤し、冷やす働きが弱っている、陰虚の体質の可能性があります。
低温期から高温期へは0.3度~0.5度上昇するのが理想です。
その上がる温度の幅が狭いときや、高温期でも36.7度を超えてこないときは陽虚や気滞の体質の可能性があります。
理想的な高温期としては、12日~14日ほど続くことです。
10日くらいで高温期を維持できず、体温が下がり始めるときは陽虚、陰陽両虚、血虚などの体質が考えられます。
高温期になっても、温度がジグザグし、大きく波打つって、安定しないことがあります。
高温期が全体的に波打って、安定しないときは陽虚、陰陽両虚、肝鬱化火の体質が考えられます。
高温期の中間のところがU字のようにさがってくるときは脾腎両虚の可能性があります。
高温期の前半が低い時は、陰陽両虚の可能性があります。
低温期から高温期への移行は、1日、2日以内、遅くても3日以内に体温が上昇する必要があります。
低温期と高温期では0.3度~0.5度ほど上昇します。
高温期への移行に3日以上かかる場合は、陽虚、陰陽両虚の可能性があります。
高温期から、生理が来ると、低温期へ1,2日以内に移行します。
高温期から低温期への体温の下降が3日以上かかる場合は、気虚、脾腎両虚、気滞の体質が考えられます。
・舌が赤い→熱がこもっている
・舌が赤く、割れている→陰虚熱
・舌が淡い色→気血虚
・舌が紫色、黒い点がある→瘀血
舌の苔は身体の水分量と関係しています。苔が厚いと水が溜まっており、苔が少ないと水分不足になります。
・苔が薄く、乾燥している→潤いが少ない陰虚
・苔が厚い→ヌメリがたまっている痰湿
・とくに舌の中央の苔が厚い→脾胃に痰湿がたまっている
・苔が厚く、黄色い→湿熱
・苔が白く厚い→寒湿あるいは陽虚痰湿
・経血量が多く、色が紅く、粘稠で小さな血の塊がある→血熱
・経血量が多く、色が暗い色、比較的大きな血の塊がある→瘀血
・経血量が多く、色は薄く、さらっとしている→気虚
・経血量が少なく、色が暗く、血の塊がある→気滞血瘀
・経血量が少なく、色が薄く、さらっとしている→血虚
・経血量が少なく、色が淡く暗い色で、さらっとしている→陽虚
一般的なおりものとしては、透明か白色で、排卵期に向かうにつれて増えていくのが理想的です。
・おりものの量が多く、白く、さらっとしている→陽虚、気虚
・おりものの量が多く、白く、ねばねばしている→陽虚痰湿
・おりものの量が多く、黄色く、ねばねばしている→湿熱
・おりものがほとんどみられず、膣が乾燥し、皮膚も乾燥している→陰虚、水不足
漢方では生理痛があるといっても、いくつかの体質が考えられます。
腎虚になると、身体全体の生命力が弱っているため、気血をめぐらせる働きが弱くなり、血行が滞り、生理痛が生じます。
腎虚であれば、生理の量は少なく、血の塊があり、生理のときに腰も痛くなりやすくなります。
瘀血は血の巡りが悪い状態であり、血の巡りの悪さから生理痛になります。
瘀血体質の方は、生理血の色が暗く、血の塊もあり、痛みも強烈になります。
気滞があると、血のめぐりも悪くなり、生理痛が生じます。
気滞が原因のため、イライラ、張ったような痛み、胸の張りなどがあらわれます。
強い冷えがあると、気血のめぐりを邪魔し、生理痛となります。
冷え体質の方は、冷え性、生理血の色も暗く、血の塊があり、温めると痛みが緩和される方が多いです。
生理周期は25~38日が一般的です。生理周期が25日よりも短いときは頻発月経といわれます。
生理周期が早くなる原因はいくつか考えられます。
1つは身体に熱がこもっていると、生理周期が早くなりやすいです。
熱がこもっていると、それを出そうとし、生理周期が早くなります。
辛い物の食べ過ぎには注意です。
またストレス、イライラの積もりすぎもよくありません。気滞が強いと、鬱滞することで熱をもちやすくなります。熱が生じることで、熱を排出するために生理周期が早くなります。
身体の潤いが不足すると、身体を適切に冷やすことができずに、熱を持ちやすくなります。熱を出そうと、生理周期が早くなります。
気には必要なものを保持する働きがあります。反対に気が不足すると、必要のものをため込む働きが弱くなり、漏れ出ていってしまいます。そのため気虚になると、血を保つことができずに、生理周期が早くなります。
瘀血があることで気血の流れを邪魔し、また古い血が残ったままになるので、瘀血を排出しようとするため、生理周期が早くなります。
生理周期は25~38日が一般的です。生理周期が38日よりも遅いと、生理周期が遅れているといえます。
多いのは血虚です。生理は血海に血が満たされることで、生理が始まります。
血虚で血が不足していると、血の溜まるスピードが遅くなり、生理が遅れやすくなります。
血虚の場合、生理がきても血の量が少ないため、経血量も少なく、色も薄くなりやすいです。
冷えが強いと血の巡りが悪くなり、血の溜まるスピードが遅くなり、生理が遅れやすくなります。
冷え性、生理血が少なく、薄い、顔も白い方が多いです。
気滞が強いと、血の巡りが悪くなります。血の巡りが悪いと、血海に血が行き渡らず、生理が遅れやすくなります。
気滞のある方は、イライラ、お腹の張り、胸の張りなどがみられます。
痰湿というヌメリが溜まっていると、経絡の流れを邪魔し、気血がめぐっていかず、生理が遅れやすくなります。
痰湿の方は、生理血が粘稠で、肥満傾向の方、おりものが多い方が多いです。
生理周期が早くなったり、遅くなったりする方。
気鬱が強いと、気のめぐりをコントロールできなくなり、生理が早くなったり、遅くなったりします。
気滞体質の方は、イライラ、お腹の張った痛み、胸の張りなどがみられやすいです。
腎虚の場合、虚しているため血が溜まっていくスピードが遅くなったり、虚しているため、保持することができず、漏れ出て、生理が早くなったりします。
腎虚の方は、生理血の色も淡く、生理のときに腰痛、トイレが近いなどの症状がみられやすいです。
脾虚で、胃腸の働きが弱り、気が不足していると、保持する働きが低下し、生理が早くなったり、肝の気滞に負けると生理周期が不安定になります。
脾虚の方では生理血が薄く、軟便がちがちになります。
生理が来ないのは、身体が虚に傾いていることがあります。
血虚であれば、血という栄養が不足しているため、やせ型、腰膝が重い、舌が赤く、割れているときは、陰血を補っていきます。
身体の温める陽気が不足している場合は冷え、尿が近い、むくみやすい、軟便気味のときは陽気を補っていきます。
気滞が原因の場合は、血のめぐりが悪くなり、イライラ、胸の張り、便秘がちになります。
瘀血によって生理が来ない場合は、生理があっても出血の量は少なく、色も暗い色で、舌の色も暗い色になります。
冷えによって血の巡りが邪魔されているときは、冷え性、白いおりものがみられ、温める必要があります。
痰湿というヌメリによって生理が邪魔されているときは、太りやすく、おりものが増え、舌の苔が厚くなり、痰湿を追い出す必要があります。
生理のときの出血が7日以上つづくときは体質に何か原因があるかもしれません。
瘀血があると、生理のときに古い血を出し切ることができなくなります。残っている瘀血を出そうとするため、出血が長引きやすくなります。
瘀血がある方は、生理血が暗く、粘稠で、血の塊がみられやすくなります。
腎虚があると、必要な血を保持することできず、出血がだらだら続きやすくなります。
腎虚の方は生理の量は少なく、色は淡く、トイレが近い方が多いです。
湿熱があると、身体に残っている湿気と熱を出そうするため、出血が止まりにくくなります。
湿熱の方は、生理血が粘稠で、舌の苔が厚い方が多いです。
出血の量が多いこともいいことではありません。
場合によっては、子宮筋腫、子宮内膜症などでも出血が多くなりやすくなります。
瘀血が停滞し、それが熱をもつことで、瘀熱となり、身体が瘀熱を出そうとすることで、出血が多くなりやすくなります。
瘀血と熱があさわることで、生理血の色は暗めで粘稠、血の塊がみられやすくなります。
気滞が強く鬱滞することで、熱を持ちやすくなります。鬱滞した熱を出そうと出血が多くなります。
気滞が原因であるため、生理血の色は紅く、粘稠で、張ったような痛み、胸が張り、イライラなどの症状がみられます。
気虚が強いと、血を適切に留める働きが弱くなるため、出血が多くなります。
気虚が原因のため、生理血の色は淡く、サラサラし、疲れやすい方が多くなります。
生理の出血が1,2日で終わり、3日にはほぼ出血しなくなる方は出血が少なすぎると考えられます。
生理は古い血を出し、新しい環境をつくるタイミングです。
出血量が少なく、古い血をしっかり出し切れていないのであれば、新しい環境をつくるのに悪い影響があります。
出血量が少なる要因としては、まずは血虚です。
血虚ではもともとも身体に蓄えている血の量が少ないため、出血の量も少なくなります。
血虚であれば、生理血の色が薄く、サラサラ、目が疲れやすく、腰・膝が痛くなりやすい方が多いです。
気滞があると、気と一緒に血の巡りが悪くなるため、出血が減ってしまいます。
気滞が原因のため、お腹が張り、胸が張り、イライラしやすい方が多いです。
冷えがあると、血のめぐりが悪くなるため、出血量の低下につながります。
冷えが原因のため、冷え性、お腹を温めると楽になる方が多いです。
痰湿というヌメリがあると、気血の流れがスムーズにいかなくなり、出血できなくなります。
痰湿というヌメリがあると、生理血の色は淡く、粘稠、苔が厚く、肥満傾向の方が多いです。
生理血に膜状のものがみられるときがあります。剥がれた子宮内膜が膜状の塊となってでていると考えられます。
腎虚や脾虚によって、気血のめぐりが弱くなり、膜状の塊になっていることもあれば、気滞から気血のめぐりが悪くなり、膜状の塊のままになっていると考えられます。
腎虚・脾虚、もしくは気滞でも原因としては瘀血によって巡りの悪くなっていることが原因です。
子宮内膜症は腎虚と瘀血があわさっていることが多いです。
子宮内膜症にチョコレート嚢胞があります。チョコレートのように色が黒いのはまさに瘀血の色といえます。
瘀血が強いことで、生理血は暗い色、血の塊、生理痛がひどいなどの症状がみられます。
瘀血が中心のときはしっかりと血をめぐらせることが重要です。
お腹が緩い、冷え、腰痛などの腎虚の症状も一緒にみられるときは腎を補うことと、瘀血をめぐらせることが必要です。
気滞が強く、イライラ、胸の張り、張ったような痛みなどの気滞もあるときは、気滞と瘀血を同時に対応します。
痰湿と瘀血が合わさっている場合は、舌の苔が厚くなり、痰湿と瘀血を出していきます。
子宮腺筋症は生理痛がひどいことからも瘀血が関与しています。
腎虚があると、気血を巡らせる働きが弱くなり、瘀血が生じます。
腎虚があると、お腹が冷えやすく、小便の色も薄くなりやすいです。
補腎し、腎を温め流れ、血を巡らせる必要があります。
気滞があると、気と一緒に血の巡りも悪くなり、瘀血となります。
気滞によって、イライラ、胸の張りがみられます。
気滞と瘀血を同時に巡らせていきます。
高プロラクチン血症は漢方では気滞が原因と考えられています。
気滞が起こる原因としては、肝血不足にて肝の気の巡りが悪くなっている場合や、ストレスによって期待が生じていることが考えられます。
気滞が生じ、それが熱化すると、身体はその熱を排出しようとします。
通常、気滞の熱を排出と、熱が下降し、多くは生理となってでてきます。
しかし気の鬱滞が強いと、熱が下降せずに、上に逆流し、乳汁となって外にでてきます。
頭痛、めまい、イライラが強い気滞体質の方は気をめぐらせていきます。
また腎虚になり、身体を潤すことができなくなると、相対的に熱が強くなります。腎虚が原因の場合は、ほてりなどがみられ、腎を潤すことが必要です。
漢方では多嚢胞性卵巣は痰湿というヌメリが溜まっている状態と考えられます。
痰湿を追い出すことが中心になりますが、痰湿の要因として腎虚、脾虚が関わってきます。
腎虚と痰湿があるときは、補腎と痰湿を追い出し、脾虚と痰湿があるときは気を補いつつ、痰湿を追い出します。
痰湿と熱があわさっているときは、湿熱を排出するような構成にします。
生理時に頭痛がでやすい方は、気の巡りが悪く、気の鬱滞が頭に上昇していると考えられます。
気滞と瘀血ときも頭痛が生じやすく、血虚で血の栄養が不足していると、血の栄養が頭までめぐらないので、頭痛が起こります。
生理ときは血を消耗してしまうため、血虚で血が不足していると、生理にてさらに血を消耗し、筋肉の血が枯渇するため、痛みが生じます。
瘀血があると、気の巡りを邪魔し、痛みになります。
消化吸収をつかさどる脾が弱っていると、いらない水を追い出す力も弱くなり、むくみやすくなります。
また気滞があると、血と水のめぐりが悪くなり、むくみになります。
生理のときは、気血の流れが活発になっているときです。
気の鬱滞から発熱したり、瘀血から熱がこもってきたり、陰虚で身体の潤い不足だと相対的に熱に偏りやすくなります。
生理時は気血のめぐりが活発になります。消化吸収の臓腑である脾が弱っていると、活発になった気に負けると下痢になります。
気虚や腎虚の虚の体質の方が多いです。
口内炎は炎症で痛みがあるように、熱の症状です。
身体の潤いが不足していると、虚火が生じ、炎症となったり、胃熱に熱がこもっていると熱から口内炎になりやすくなります。
生理時に鼻血がでやすいのは、熱がこもっていると考えられます。
溜まっている熱を身体から出すために、鼻血として熱を放出します。
胸の脇のところは経絡が通る部位であり、気の鬱滞があると、気の流れが滞り、痛みとなります。
おりものは排卵に向けて、透明もしくは白い、糸を引くようなおりものが増えていくのが理想的です。
しかし、おりものが多い過ぎるのはよくありません。
身体に痰湿というヌメリをため込んでいるときや、気虚や腎虚で気が不足していると、身体にヌメリをため込みやすくなり、おりものとして下ってきます。
おりものが少ないのもよくありません。
おりものは受精の手助けをしてくれます。
おりものが少ない時は、身体の陰血が不足し、身体が渇いていたり、脾の消化吸収が弱っていると、水分を吸収できず、潤いが足りなくなります。
漢方では様々な要因が考えられます。
腎陰不足の体質であれば、生理血の量が少ない、色が淡い、おりものが少ない、ほてり、便秘などがみられ、腎陰を潤し、体質を整えます。
腎の陰陽が弱っていれば、生理血の量が少なく、色が淡く、おりおのも少ない、頻尿、軟便があるときは腎陽と腎陰を補います。
気滞から身体に熱がこもっているのであれば、イライラ、生理血に血の塊、お腹の張りなどがみられ、気滞をめぐらせ、潤す漢方薬をつかいます。
瘀血が邪魔しているときは、生理血が暗く、粘稠で血の塊がみられ、瘀血をしっかりめぐらせる必要があります。
痰湿というヌメリが排卵を邪魔しているときは、肥満体質、おりものが多い、舌の苔が厚く、ヌメリをとっていきます。
黄体機能不全は、排卵後の黄体からプロゲステロンが分泌されるのですが、何かの原因で異常になっている状態です。
漢方で考えると、プロゲステロンは高温期に関与し、身体を温めてくれるため、「陽」の働きがあります。
黄体機能不全では、プロゲステロンの陽気の働きが弱っているため、陽虚体質と考えられます。
陽虚であれば、生理血の色は淡く、お腹が冷え、生理時にお腹が緩くなりやすく、高温期が短くなりやすいため、陽気を補っていきます。
脾腎両虚であれば、消化吸収の脾が弱っているため、高温期が上がりにくく、お腹が緩くなりやすく、お腹が張ってガスがでやすく、舌がぼってり、苔が厚くなるため、胃腸の働きと腎を一緒に補います。
腎陰が不足していると、生理の量が少なくなり、尿が黄色く、舌が紅くなり、腎を潤していきます。
瘀血が働きの邪魔をしているときは、生理血の色が暗く、血の塊がみらるため、血をめぐらせる必要があります。
痰湿というヌメリが機能を邪魔しているときは、生理血の色が淡く、粘性があり、太りやすく、舌の苔が厚くなる方はヌメリをとっていきます。
瘀血や痰瘀互結が通りの邪魔をしています。
免疫性不妊は肝腎陰虚や陽虚などの体質と考えられています。
どの体質の方でも共通していることは、避けるべき食事があります。
小麦、乳製品、味の濃いもの、脂っこいものは避けるようにしてください。
漢方では小麦はグルテンを含んで、もちもちしているようにヌメリの原因になりやすいです。
パンよりも白米がおすすめです。
お米はあれだけ水を張った水田でも腐らずに育っていきます。それは、お米は身体に水をため込まずに成長することができるためです。白米がヌメリをため込まず、胃にも優しいです。
小麦は乾燥した地域で育ちます。乾燥しているため、水をしっかりと吸収する働きが強く、水をため込む性質があります。砂漠のサボテンは水をため込んでいることと同じ考え方です。そのため、小麦はヌメリをため込みやすい性質をもっているといえます。
またお米でも白米推奨で、玄米はおすすめいたしません。玄米の方が栄養価が高いのは間違いないのですが、玄米は余分なものが付いている分、植物の身を守る成分が含まれています。植物の身を守る成分は、人間には良い働きをしません。余分なものがついていない白米の方が人体に優しく、また胃腸の消化にも優しいです。
乳製品、脂っこいもの、味の濃いものはすべてベットリしているようにヌメリをため込みやすくなります。
何を食べた方がいいのか、よりも小麦、乳製品、味の濃いもの、脂っこいものを避けることをおすすめいたします。
おすすめの食事としては、昔の日本食が理想的です。
その国で食べられているものには、理由があります。その土地の気候があり、その場所で採れる食べ物は、その地域でなりやすい体質に対応しています。
東南アジアの高温多湿の湿気をため込みやすい気候であれば、湿気をため込みにくいお米が適しています。
沖縄ではよくゴーヤを食べるイメージがありますが、ゴーヤの苦味は熱を冷ます働きがあり、ゴーヤが暑さでこもる熱を冷ましてくれます。
夏にはナス、きゅうりがとれますが、「秋茄子は嫁に食わすな」というようにナスには身体を冷やす働きがあり、夏場の熱を冷ましてくれます。
またきゅうりには利尿作用があり、夏場の湿気を追い出してくれます。
その土地、その季節にとれるものには理由があります。昔の日本食のように味のあっさりした、日本の食事が体質として合っています。
気虚の方はエネルギーが不足し、胃腸が弱っている方が多いです。
激しい運動は避けて、ウォーキングなどの運動がおすすめです。
食べ物としては、優しい甘味のある食べ物がおすすめです。
白米、タマゴ、かぼちゃ、ヤマイモ、キャベツ、ショウガなどがおすすめです。
気滞は身体の気の流れが滞っています。
運動にてしっかり気をめぐらせてください。
食事としては、香りの良いものが気をめぐらせる性質があります。
ジャスミンティー、シソ、レモン、ネギ、セロリなどの香味野菜がおすすめです。
血虚は肝と関わりが深く、目の使い過ぎはよくありません。
また血虚の方は気虚もあることが多く、運動も激しい運動は向いていません。
黒胡麻、人参、きくらげ、ほうれん草、タマゴ、肉類がおすすめです。
瘀血は血の巡りが悪いため、運動が重要です。
しっかり身体を動かして、めぐらせます。
また冷えがあると、血の巡りが悪くなるため、湯船につかるようにしましょう。
食べ物としては、黒酢、たまねぎ、なす、魚、よもぎなどがおすすめです。
身体の潤いが不足している状態のため、乾燥はよくありません。
冬場は加湿をして、乾燥しないようにしましょう。
だからとって、水分の取り過ぎもよくありません。
食べもとしては、白菜、頭皮、梨、蓮根、白胡麻、きくらげ、ゆり根などがおすすめです。
痰湿は水をため込んでいるため、運動してしっかり汗をかきましょう。
痰湿の方は気虚も一緒にあることが多いため、運動のし過ぎには注意してください。
食べ物としては、冬瓜、大根、海藻類がおすすめです。
腎虚の方は血虚の方と似ています。
血は食べ物からも作られ、また腎精からも血はつくられ、血と腎は関係があります。
食べ物としては、赤いもの、黒いものをしっかり食べて、身体に栄養を補っていきましょう。
黒胡麻、人参、きくらげ、ほうれん草、タマゴ、肉類がおすすめです。
結論としては、かなり時間がかかります。
まず体質を改善していくのに数か月かかります。
排卵される卵胞ですが、実は排卵されるまでに数か月かけて発育したものになります。
体質が改善されても、すぐに卵子や卵胞に反映されるわけではありません。
体質改善に数か月、改善した身体でいい卵をつくるのに数か月かかるため、長期的に地道に続けることが重要です。
妊娠はすぐにすることはありませんが、生理痛がなくなってきたり、身体が元気なったり、むくみがなくなったりなどの自覚症状はみられます。
体調を改善していった結果として、妊娠につながります。
1つずつ不調の原因をとり、体調を改善していくことで妊娠に一歩ずつ近づいていきます。
当店では一人ひとり合った漢方薬をご提案しております。
上記のように不妊の原因は人それぞれです。
しっかりお話をお伺いし、漢方薬をご提案いたします。
複数の漢方薬を併用していただいたり、動物性の生薬を必要とするため安くはありません。
安くありませんが、金額に合うだけの漢方薬をご用意させていただきます。
1日あたり1200円でまずは2週間ほど服用していただき、体調の変化を実感していただければと思います。
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