慢性鼻炎、副鼻腔炎を改善するための漢方薬の選び方とその使い方

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西山光です

鼻炎が慢性化した状態を慢性鼻炎といいます。

日常的にも鼻炎がつづき、粘り気のある鼻水で常に不快な思いをされている方も多いと思います。

ここでは慢性鼻炎、副鼻腔炎につかう漢方薬について説明しています。

目次

鼻水の色

漢方では、慢性鼻炎の状態を考えるうえで、鼻水の色も重要な情報になります。

鼻水が透明、白色に近い場合は冷えていると考え、色が濃く、黄色味、緑色になっているときは熱があると考えます。

冷えている状態であれば、温める漢方薬をつかいます。

熱がこもっている状態であれば、冷やす漢方薬をつかいます。

透明、白っぽい鼻水→冷えている
色のついた鼻水→熱がこもっている

慢性鼻炎、副鼻腔炎の漢方薬は?

慢性鼻炎、副鼻腔炎の漢方薬に、辛夷清肺湯、葛根湯加川芎辛夷、荊芥連翹湯があります。

辛夷清肺湯

☑色づいた鼻水 ☑粘り気のある鼻水 

辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)は慢性鼻炎につかう代表的な漢方薬です。

辛夷清肺湯小林製薬の「チクナイン」に入っている漢方薬と同じものです。

辛夷清肺湯の特徴として、石膏、知母、黄芩、山梔子のように熱をとる生薬が多く入っています。

慢性鼻炎、副鼻腔炎のとき、粘り気のある鼻水が気になりませんか?

粘り気のある鼻水は、漢方では熱がこもっている状態と考えます。

慢性的な炎症によって、鼻に熱がたまっています。

辛夷清肺湯が熱を冷まし、鼻の炎症を抑え、慢性鼻炎、副鼻腔炎に効果を発揮します。

葛根湯加川芎辛夷

☑冷え感 ☑鼻づまり

葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)は葛根湯に川芎・辛夷を加えた漢方薬です。

葛根湯加川芎辛夷=葛根湯+川芎・辛夷

辛夷清肺湯と反対に、葛根湯加川芎辛夷は温める漢方薬です。

葛根湯加川芎辛夷は葛根湯によって冷えを追い出し、川芎・辛夷で鼻の通りを改善します。

葛根湯加川芎辛夷は冷え感もある方の慢性鼻炎、副鼻腔炎に適しています。

荊芥連翹湯

☑慢性鼻炎が再発を繰り返す ☑鼻づまり ☑肌トラブル

荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)は一貫堂医学において体質改善の漢方薬として知られます。

体質的に慢性鼻炎、副鼻腔炎を起こしやすい方に向いています。

荊芥連翹湯は桔梗・枳実の膿を出す生薬、黄連・黄芩の熱を冷ます生薬、当帰・芍薬の血を養う生薬から構成されています。

体質的に、慢性的に鼻に膿がたまりやすい場合は慢性鼻炎になります。

肌に膿がたまりやすい場合はニキビと捉えられ、荊芥連翹湯はにきびにも応用されます。

辛夷清肺湯で効果がなかったり、体質的なこと、ニキビも気になるときは荊芥連翹湯が向いています。

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