ドライマウス改善に役立つ漢方薬の考え方

 この記事を書いた人

・灯心堂漢方薬局 薬局長
・薬剤師歴10年以上

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・漢方を通して、皆様が少しでも健康に過ごせる手助けをできればと思います。>>プロフィール記事はこちら

西山光です
質問

・ドライマウスにつかう漢方薬は?
・どう使い分けるの?

なかなか治らないドライマウス、口腔乾燥症にお悩みではないですか?

漢方の目線でのドライマウスの考え方について解説しています。

結論

ドライマウスは様々な疾患によって、唾液が分泌されないことで生じる。

漢方ではドライマウスは陰虚、腎陰虚が原因で、潤いを保つことができない体質になっている。

陰や腎を潤す漢方薬をつかうことで、ドライマウスの症状は改善される。

 この記事を読んでわかること
・ドライマウスとは
・漢方薬の考え方

漢方をうまく取り入れて、いつも通りに生活を送れるようになればと思います。

目次

ドライマウス

ドライマウスとは

ドライマウスとは口の中が乾いた状態になる疾患です。

ドライマウスについては、痛くない歯科医院キャロル院長さまの動画が大変わかりやすいので紹介させていただきます。

ドライマウスの症状

口の中が乾くことで、様々な症状につながります。

・口が渇く
・唾液がでない
・口がねばつく
・のどが渇く
・舌が痛む
・口臭が気になる

ドライマウスの原因は?

ドライマウスは様々な要因で唾液の分泌が減ることで、口が乾燥します。

ストレス、筋肉量の低下、薬の副作用、糖尿病、腎臓病、シェーングレン症候群などが原因で唾液の分泌が減ると考えられます。

漢方でドライマウスの原因は陰虚、腎陰虚と気虚

陰虚、腎虚

ドライマウスを漢方で考えると、陰虚、腎陰虚の体質が原因です。

ドライマウスを治すには陰虚、腎陰虚の体質を改善する必要があります。

陰虚とは、「陰」という身体の水が不足した状態です。「陰」は比較的サラサラし、軽い水です。サラサラした水が不足することで、ドライマウスになります。

腎陰虚とは、「腎陰」という深いところにある潤いが不足した状態です。「腎陰」は、「陰」と比べても濃厚な潤いで、身体の奥を潤します。「腎陰虚」になることで、ドライマウスにつながります。

「陰」や「腎陰」を潤すことで、身体全体で潤いを保ちやすい体質にしていきます。

漢方には潤いの深さ、潤すものの性質の概念があり、身体の乾燥の度合いによって、漢方薬をつかいわける必要があります。

気虚

ドライマウスには気虚も関係しています。

気虚でもとくに消化吸収の働きがドライマウスにも関係しています。

食べ物を消化し、栄養や水分をしっかり吸収できていれば、身体は陰虚になりません。

しかし、胃腸が弱っていると水分を吸収することができずに、乾燥に偏ってしまいます。

水分をたくさん飲んでも、すぐに流れ出ていって、吸収されていないような実感はないですか?

水分がすぐに流れでていってしまうのは、気虚で水分を吸収できていないためです。

ドライマウスにおすすめの食べ物

漢方での目線で考えるとドライマウスの方には、はちみつレモンが最適です。

漢方では効率的に潤いを与える構成として、「甘味と酸味」の組み合わせがいいと考えられています。

はちみつレモンはハチミツの甘味が陰を補い、レモンの酸味が収斂することで陰を漏れ出さないようにし、効率的に潤いを補います。

ドライマウスでお悩みの方ははちみつレモンがおすすめです。

更年期のドライマウスは腎虚が原因

更年期になるとドライマウスの方が増えるといわれています。

漢方では、更年期になるとドライマウスになるのは腎虚が原因といえます。

「腎」は年齢とともに弱ってくる臓器であり、「腎」と更年期は密接に関係しています。

「腎」を補う漢方薬をアンチエイジングの薬ともいわれるくらいです。

更年期は腎の弱さを実感しやすい時期であり、腎が弱ることで腎陰虚になり、ドライマウスになりやすくなります。

腎を補うことで、ドライマウスを防ぐことができ、アンチエイジングにも役立ちます。

ドライマウスの相談事例

50代女性。更年期のせいか、口が渇いて仕方がない。唾液がでない。ネバネバするし、痰も絡みやすい。舌痛症もある。

ドライマウスのご相談。乾きの症状が強く、陰虚、腎陰虚のどちらの症状もみられました。

潤す漢方薬を2種類服用していただきました。

最初の1か月で潤う実感がでてきて、その後1年ほど続けていただき、ドライマウス、舌痛症の症状は気にならなくなったとのこと。

その後はドライマウスは再発していないようです。

ドライマウス、口腔乾燥症でお悩みの方はLINEでも構いませんので、当店にお気軽にご相談くださいませ。

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