この記事を書いた人
・灯心堂漢方薬局 薬局長
・薬剤師歴10年以上
・店舗のLINE登録者数1000人以上
・漢方を通して、皆様が少しでも健康に過ごせる手助けをできればと思います。>>プロフィール記事はこちら
西山光です

この記事を書いた人
・灯心堂漢方薬局 薬局長
・薬剤師歴10年以上
・店舗のLINE登録者数1000人以上
・漢方を通して、皆様が少しでも健康に過ごせる手助けをできればと思います。>>プロフィール記事はこちら
毎年夏になると、熱中症で倒れられた方のニュースを耳にします。
漢方での熱中症、その対策について考えたいと思います。
・熱中症を漢方で考えると、熱邪と陰虚。
・熱邪によって、火照り・口渇がみられるため、白虎加人参湯が適しています。
・陰虚になることで、脱水になるため、熱中症予防に清暑益気湯が適しています。
この記事を読んでわかること
・熱中症とは
・おすすめの食べ物
・漢方の考え方
漢方をうまく取り入れて、いつも通りに生活を送れるようになればと思います。
高温下で発汗などをしても、体温調整ができず、身体に熱がこもった状態のことです。
自分が子供の頃は日射病といっていましたが、最近は熱中症という言葉のほうをよく聞きます。
日射病の場合は直射日光が原因であることを意味しますが、高温の室内でも生じることから熱中症という言葉のほうがよく使用されているようです。
熱中症についてはyoutubeのみんなの健康塾チャンネル様の動画が大変わかりやすいため、紹介させていただきます。こちらの動画を参考にして、病院を受診してください。
熱中症の違和感を感じたら、すぐに涼しい場所へ移動し、水分摂取をしてください。
・めまい
・顔の火照り
・頭痛
・こむら返り
・大量の発汗
・吐き気
・倦怠感
・虚脱感
・身体に触ると熱い
熱中症の原因は外的要因と内的要因にわけて、考えられます。
外的要因としては、気温が高い、湿度が高い、直射日光、風が少ないなどがあげられます。
内的要因としては、運動や屋外での作業をしている、脱水、寝不足、高齢者などがあります。
熱中症を漢方で考えると、「熱邪」と「陰虚」と捉えることができます。
「熱邪」は「熱」の「邪」と書くように、熱が身体に悪さをしていることをいいます。
熱中症はまさに「熱」によって、身体の機能が失調している状態です。
熱によって、身体にほてり、口渇がみられるときは白虎加人参湯が適しています。
・熱邪によって、身体を冷ますことができずに熱中症になる。
「陰虚」とは、身体の潤いが不足した状態のことをいいます。
「陰虚」を簡単にいえば、脱水状態といえます。
「陰虚」の状態の場合、清暑益気湯で潤すことで暑気あたりに効能効果があります。
清暑益気湯は熱中症・暑気あたりの予防的としても服用できます。
・陰虚は潤いが不足した、脱水の状態のことをいう。「陰」を補うことで、脱水を防ぐことができる。
熱中症・暑気あたりの予防目的で服用する場合、清暑益気湯が不足しがちな陰を補ってくれます。
自覚症状で火照り、口渇がみられたときは、白虎加人参湯がこもった熱を冷ましてくれます。
清暑益気湯の特徴は、人参・麦門冬・五味子の組み合わせが潤す働きがあり、汗で消耗した水分を補ってくれます。
また黄柏という生薬が熱を冷ます働きがあります。
清暑益気湯が潤いを補うことで、熱中症・暑気あたりの予防に適しています。
白虎加人参湯の特徴は、石膏という生薬は大寒の性質をもち、火照りの熱を冷ます働きが強いことです。
また知母・粳米などの生薬が潤す働きがあります。
白虎加人参湯が熱を冷ますことで、火照り・口渇に適しています。
清暑益気湯と白虎加人参湯の違いは、潤す働きと熱を冷ます働きの違いです。
・潤す働き:清暑益気湯>白虎加人参湯
・熱を冷ます働き:清暑益気湯<白虎加人参湯
清暑益気湯のほうが潤す働きが強いため、脱水の予防に適しています。
白虎加人参湯のほうが熱を冷ます働きが強いため、火照りがみられたときに適しています。
熱中症予防におすすめの食べものははちみつレモンです。
漢方の考えでは、甘味と酸味があわさることで、潤す働きが強くなります。
甘味のはちみつと、酸味のレモンがあわさることで相乗効果で身体を潤してくれます。
熱中症予防、脱水予防にはちみつレモンがおすすめです。