滋腎通耳湯(じじんつうじとう)の口コミ・効き目は?使い方と合わない人を漢方薬剤師が解説

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西山光です

「テレビの音が大きいと家族に言われる」

「会話で何度も聞き返してしまう」

「静かな部屋でキーン、ジーという耳鳴りが続く」——。

加齢とともに増えてくる耳の不調でお悩みの方へ。

この記事では、漢方薬 滋腎通耳湯(じじんつうじとう) について、口コミ・効き目の実際、使い方と合わない人の特徴、飲み合わせ・副作用、ツムラの番号、保険適用、市販や通販品(春風・補調など)との違いまで、江坂の漢方専門店・灯心堂漢方薬局の薬剤師がわかりやすく解説します。


目次

「歳のせい」とあきらめる前に

年齢を重ねると、耳の聞こえに関する悩みは少しずつ増えてきます。

  • テレビやラジオの音量が、以前より大きくなった
  • 会議や集まりで、相手の言葉を何度も聞き返してしまう
  • 電話の声が聞き取りにくい
  • 静かなところで「ジー」「キーン」という耳鳴りが気になる

病院で「加齢によるものなので仕方ない」と言われ、ガッカリされた方も少なくありません。

けれども漢方には、こうした加齢に伴う聞こえの不調にアプローチする独自の考え方があります。

その中心にあるのが、耳と深く関わる 「腎虚(じんきょ)」 です。


滋腎通耳湯とは

滋腎通耳湯(じじんつうじとう) は、中国の古典医書『万病回春(まんびょうかいしゅん)』に由来する、歴史ある漢方処方です。その名のとおり、「腎(じん)を滋養(じよう)し、耳の通りをよくする」 ことをめざします。

一般用医薬品としての効能・効果は次のとおり定められています。

体力虚弱なものの次の諸症:耳鳴り、聴力低下、めまい

つまり、体力があまり強くない方の、加齢に伴う耳鳴り・聴力低下・めまいに用いられる漢方薬です。


なぜ耳に効くの? カギは「腎虚」

漢方 腎

漢方でいう「腎」は、腎臓だけの意味ではありません

漢方では、成長・発育・生殖や体の水分代謝、生命エネルギーの貯蔵といった働きをまとめて 「腎」 と呼びます。

西洋医学の「腎臓」よりもずっと広い意味を持ちます。

この腎の働きが加齢や疲労で衰えた状態が 「腎虚」 で、誰にでも起こりうる老化のサインです。

「腎は耳に開竅(かいきょう)する」

漢方の古典には 「腎は耳に開竅する」(腎の状態は耳にあらわれる)という考え方があります。

腎が衰えると、老化現象として耳鳴りや聴力低下といった耳の不調が起こりやすくなる、ととらえるのです。

こんなサインはありませんか?(腎虚のチェック)

  • 耳鳴り・聞こえにくさ
  • 足腰のだるさ・重さ
  • 夜間のトイレが近い
  • 白髪・抜け毛が増えた
  • 記憶力・集中力の低下を感じる
  • 体が冷えやすい

複数当てはまる方は、腎虚が背景にあるかもしれません。

滋腎通耳湯は、この腎虚を補いながら、耳まわりの巡りを整えることをめざす漢方薬です。


配合生薬(四物湯をベースにした10種類)

滋腎通耳湯は、血を補う代表的な処方「四物湯(しもつとう)」(当帰・地黄・芍薬・川芎)をベースに、全部で 10種類の生薬 で構成されています。

生薬名主な役割(漢方的な考え方)
当帰(トウキ)血を補い、巡りを助ける
川芎(センキュウ)血の巡りをよくする
芍薬(シャクヤク)血を養い、緊張をやわらげる
知母(チモ)こもった熱を冷ます
地黄(ジオウ)腎を潤し、補う
黄柏(オウバク)余分な熱を冷ます
白芷(ビャクシ)巡りを助け、通りをよくする
黄芩(オウゴン)熱を冷ます
柴胡(サイコ)気の巡りを整える
香附子(コウブシ)気を巡らせ、ストレスをやわらげる

「補う働き」と「めぐらせる働き」の両方をあわせ持つのが、この処方の大きな特徴です。

加齢で弱った腎を補いつつ、耳まで栄養と血流を届け、こもった熱を冷ます——耳の不調を抱えた方のために、バランスよく設計されています。

粉薬(細粒)と錠剤で、生薬の量が異なります

小太郎漢方(コタロー)の滋腎通耳湯には、粉薬(エキス細粒G)と錠剤(エキス錠N)があります。実は、この2つは1日あたりの生薬量が少し異なります

粉薬:エキス細粒G「コタロー」錠剤:エキス錠N「コタロー」
1日の服用量(大人)3包(6g)※1回1包×3回21錠 ※1回7錠×3回
10生薬それぞれの量(1日量)各2g各1.25g
原生薬の合計(1日量)約20g約12.5g

粉薬(細粒)の方が、1日に摂れる生薬量・エキス量がやや多めになります。

しっかりした量で続けたい方や、量の微調整をしたい方には細粒が向いています。

一方、錠剤は生薬量はやや控えめですが、漢方特有の味やにおいが気になりにくく、外出時にも持ち運びやすいのが利点です。

「続けやすさ」も効果を実感するうえで大切なので、どちらが合うか迷う場合はご相談ください。

錠剤はほとんどのメーカーが生薬量各1.25gと少な目の量の設計になっています(コタロー、クラシエ、春風、万葉、補調、幸輝のすべてが粉薬よりも少なめの設計になっています)。


口コミ・効き目は? どのくらいで実感できる?

インターネットには「耳鳴りが楽になった」という声もあれば、「効果がない」「効かない」という口コミも見られます。実際のところどうなのか、専門家の立場からお伝えします。

滋腎通耳湯は、痛み止めのように一瞬で効くタイプの薬ではありません

腎を補い、体の巡りを整えながら、少しずつ土台を立て直していく漢方薬です。

一般的な目安として、まず3か月ほど続けて様子をみることが多く、実感には数か月かかることも珍しくありません。

「即効性」を期待すると物足りなく感じるかもしれませんが、加齢による不調へはじっくり続けることが理にかなっています。

今までに服用していただいた患者さんの症状

・ジーという耳鳴りが数年続いている

・ここ数年で聴力が下がってきている

・老化を感じ、耳の調子が悪くなってきた


滋腎通耳湯が合う人・合わない人(柴蘇飲との使い分け)

滋腎通耳湯には、「補う働き」と「めぐらせる働き」の2つがあります。この特徴から、合う方・合いにくい方が分かれます。

滋腎通耳湯が合いやすい方

  • 加齢に伴う耳鳴り・聴力低下で、腎虚のサイン(足腰のだるさ、夜間頻尿、冷えなど)がある
  • 体力が虚弱で、じっくり体質から整えたい

滋腎通耳湯が合いにくい・別の処方が向く場合

  • 「めぐりの問題」が中心のケースでは、気をめぐらせる働きがより強い 柴蘇飲(さいそいん) の方が向くことがあります。
  • ストレス性の耳鳴りや、突発性難聴の直後など、原因が異なる場合は滋腎通耳湯が合いにくいこともあります。

「自分はどちらのタイプ?」は自己判断が難しい部分です。迷う場合は、体質を確認したうえで選ぶことをおすすめします。


「滋腎通耳湯 ツムラは何番?」——番号はありません

「ツムラ◯番」で漢方を探される方が多いため、よくいただく質問です。結論から言うと——

滋腎通耳湯は、ツムラからは製造・販売されていません。したがって「ツムラ◯番」という番号は存在しません。

滋腎通耳湯は、小太郎漢方製薬(コタロー) やクラシエなど、他のメーカーが製造しています。ツムラの番号で見つからないのはそのためで、番号がないからといって効果や信頼性が劣るわけではありません。


保険は使える? 医療用と市販の違い

「滋腎通耳湯 保険適用」もよくされる質問です。

滋腎通耳湯は一般用医薬品です。医療用の医薬品ではないため、保険はつかえません。

  • 市販薬(一般用医薬品)として購入する場合 … 保険はきかず、自費でのご購入になります。薬局・ドラッグストア・当店などで、処方箋なしで購入できます。
  • 医療機関で医療用として処方される場合 … 医師の判断で処方されれば保険適用となることもありますが、扱う医療機関は限られます。

「病院で相談したけれど扱いがなかった」という方も、市販の滋腎通耳湯であれば当店でお求めいただけます。


どこで買える? 市販・ドラッグストア・通販、そして当店

滋腎通耳湯は、次のような場所で購入できます。

  • ドラッグストア・薬局の店頭(第2類医薬品として)
  • ネット通販(Amazon・楽天など)
  • 漢方相談薬局(当店を含む)

当店では、小太郎漢方製薬(コタロー)の滋腎通耳湯 を取り扱っています。粉薬(細粒)と錠剤があり、1日あたりの生薬量が異なります

飲みやすさ・続けやすさ・生薬量をふまえてお選びいただけます。

「どれが自分に合う?」と迷ったときは、購入前にご相談ください。


春風・補調・幸輝・万葉…通販ブランド品との違いは?

ラジオやテレビの通販で、「春風滋腎通耳湯」「補調滋腎通耳湯(新大和漢方)」「幸輝滋腎通耳湯」「万葉滋腎通耳湯」「補聴滋腎通耳湯」 といった名前を耳にして検索される方も多くいらっしゃいます。

ここが大切なポイントです。

これらの通販ブランド品も、中身は同じ「滋腎通耳湯」という漢方処方です。成分量も錠剤の量で、すべて同じです。

商品名やパッケージ、販売方法(定期購入など)が異なるだけで、目的とする働きは同じです。選ぶときは、ブランド名や広告の印象よりも、

  • ご自身の体質・症状に合っているか
  • 無理なく続けられる内容・価格か
  • 飲み合わせや体調を相談できる相手がいるか

——という視点をおすすめします。当店では体質を確認したうえで、続けやすい形をご提案しています。


飲み合わせ・副作用・服用の注意点

「滋腎通耳湯 飲み合わせ」「副作用」もよくいただくご質問です。漢方薬にも、体質や体調によって注意が必要な場合があります。

飲み合わせについて

ほかの薬やサプリメントを服用中の方は、念のため服用前に薬剤師へお知らせください。特に医師の治療を受けている方は、事前のご相談をおすすめします。

服用前に相談していただきたい方

  • 医師の治療を受けている人
  • 妊婦または妊娠していると思われる人
  • 胃腸の弱い人
  • (生後3ヵ月未満の乳児には服用させないでください)

まれにあらわれることがある症状

  • 消化器:吐き気、食欲不振、胃部不快感、腹痛
  • 下痢

これらの症状が続いたり強くなったりした場合は、服用を中止し、製品を持って医師・薬剤師・登録販売者にご相談ください。


耳と腎の養生法

滋腎通耳湯を続けるのと合わせて、生活の中で「腎」をいたわると、より心強い後押しになります。

1. 体を冷やさない(「三首」を温める):首・手首・足首、そして腰まわりを冷やさないように。ぬるめのお湯にゆっくり浸かるのもおすすめです。

2. 「黒い食材」を取り入れる:黒豆・黒ごま・ひじき・昆布・わかめ・きくらげなど、腎を養うとされる黒い食材を毎日の食事に少しずつ。

3. しっかり休む:腎のエネルギーは過労や睡眠不足で消耗しやすいと考えられています。質のよい睡眠を大切に。


こんな方は、お気軽にご相談ください

  • 加齢による耳鳴り・聞こえにくさが気になってきた方
  • 滋腎通耳湯を試したいが、自分に合うか不安な方
  • 春風・補調などの通販品と、どれを選べばよいか迷っている方
  • 今飲んでいる薬との飲み合わせが心配な方

灯心堂漢方薬局 では、生薬を扱う漢方専門店として、問診・舌診でお身体の状態を確認し、滋腎通耳湯が合うタイプかどうかを一緒に見極めます。「別の漢方(柴蘇飲など)の方が合いそう」という場合も、正直にお伝えします。

まずはお気軽に、聞こえのお悩みをお聞かせください。


よくある質問(FAQ)

Q. 滋腎通耳湯の読み方は?

A. 「じじんつうじとう」と読みます。

Q. ツムラの滋腎通耳湯は何番ですか?

A. ツムラでは製造されておらず、番号はありません。ツムラ以外のクラシエ、コタローなどが製造しています。

Q. 保険は使えますか?

A. 滋腎通耳湯は市販薬なので保険はつかえません。

Q. どのくらいで効き目を感じますか?(効果が出るまで)

A. 個人差がありますが、まず3か月ほど続けて様子をみることが多く、実感には数か月かかることもあります。

Q. 効かないと感じたら?

A. 滋腎通耳湯はじっくり効くタイプの漢方薬なので、まずは数か月服用してください。それでも効果がでないのであれば、体質に合っていない、または「めぐり」中心のタイプで柴蘇飲などが向く可能性もあります。

Q. 飲み合わせで気をつけることは?

A. ほかの薬・サプリを併用中の方、医師の治療を受けている方は、服用前に薬剤師へご相談ください。

Q. 春風滋腎通耳湯や補調滋腎通耳湯との違いは?

A. 中身は同じ「滋腎通耳湯」という処方で、成分の量も同じです。商品名・パッケージ・販売方法が異なるだけで、目的とする働きは同じです。

Q. 市販・ドラッグストアで買えますか?

A. 第2類医薬品として店頭やネット通販で購入できます。当店でもコタローの滋腎通耳湯をお求めいただけます。

Q. 粉薬と錠剤はどちらがいいですか?

A. コタローの場合、粉薬(細粒)は1日の生薬量がやや多め(各2g・エキス4.6g)、錠剤はやや控えめ(各1.25g・エキス3.45g)です。しっかりした量で続けたい方は細粒、味やにおいが苦手な方・持ち運び重視の方は錠剤が向きます。続けやすさも大切なので、迷う場合はご相談ください。

Q. 八味地黄丸との違いは?

A. どちらも腎を補う考え方の処方ですが、滋腎通耳湯は特に耳の不調(耳鳴り・聴力低下・めまい)に向けて組み立てられています。どちらが合うかは体質によります。


まとめ

  • 滋腎通耳湯(じじんつうじとう)は、加齢に伴う耳鳴り・聴力低下・めまい(体力虚弱な方向け)に用いられる漢方薬です。
  • 漢方では耳の不調を 「腎虚」 ととらえ、腎を補い巡りを整えることをめざします。
  • 「補う」と「めぐらせる」の2つの働きが特徴。めぐり中心のタイプには柴蘇飲が向くこともあります。
  • ツムラには番号がなく、小太郎漢方製薬(コタロー)などが製造。春風・補調などの通販品も中身は同じ処方です。
  • 効き目は即効ではなく継続が大切。飲み合わせや合う・合わないの見極めは、薬剤師にご相談を。

「歳のせい」とあきらめる前に、体の内側から聞こえの土台を整えてみませんか。

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