痔(いぼ痔、切れ痔、痔ろう)の悩みを解決するための漢方的アプローチと食事、生活習慣

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西山光です

このブログを読むことで、痔になりにくい漢方目線での食事、生活習慣について知ることができます。排便や日常生活でのお悩みを解決できればと思います。

痔といっても、いぼ痔(痔核)切れ痔(裂肛)あな痔(痔ろう)とあり、それぞれ対応方法は異なります。

漢方でみると、痔になる体質や特徴があります。体質の違いについて解説しています。

・いぼ痔:血のめぐりが悪い「瘀血」体質

・切れ痔:気のめぐりが悪い「気滞」体質


・痔ろう:身体の機能が低下した「気血両虚」体質

各痔の違いについて説明し、それぞれの痔に合った食べ物、生活習慣をまとめています。痔ならない生活を送るための参考にしていただければと思います。

目次

痔の種類

痔には、いぼ痔(痔核)、切れ痔(裂肛)、あな痔(痔ろう)の3種類があります。

いぼ痔(痔核)

いぼ痔は男女ともに一番なりやすい痔です。

いぼ痔(痔核)の病態

いぼ痔は静脈の毛細血管が腫れあがって、いぼ状になったものです。

毛細血管の集まりのため、いぼ痔が切れると大量出血につながります。

歯状線という腸と肛門の境目より内側であれば内痔核、外側にできたものを外痔核といいます。

内痔核は腸の方にできているため、痛みを感じません。脱肛するといぼ痔が外にでてきます。

外痔核は肛門の方にできるため、痛みを感じます。血栓ができ、血豆となると激痛です。

内痔核:内側にできるため、痛みを感じづらい
外痔核:外側にできるため、座ったり、当たったりすると痛くなる

いぼ痔(痔核)の原因

いぼ痔は毛細血管がうっ血し、腫れた状態です。なぜ毛細血管がうっ血してしまうのでしょうか?

いぼ痔の原因としては便秘で腸や肛門に負荷がかかったり、デスクワークで長時間座ることで静脈の毛細血管がうっ血しやすくなります。

いぼ痔(痔核)の西洋医学での治療法

座薬や軟膏で腫れ・炎症を抑えたり、内服薬で便を軟らかくします。注射療法切除術結紮術などの手術法があります。

いぼ痔(痔核)の漢方での考え方

漢方ではいぼ痔の原因は「瘀血」といえます。

いぼ痔は、便秘やデスクワークで肛門の血の巡りが悪くなり、毛細血管がうっ血した状態です。

血の巡りが悪い体質のことを漢方では「瘀血(おけつ)」といいます。

いぼ痔はまさに瘀血の塊といえます。

いぼ痔の場合、漢方では血の巡りを改善する漢方薬を中心に使用します。

いぼ痔につかう漢方薬

いぼ痔につかう代表的な漢方薬は乙字湯です。乙字湯が便通を改善しつつ、血の巡りも改善してくれます。

当店に相談にこられる方は乙字湯だけでは改善がみられなかった方がほとんどです。

乙字湯には血を巡らせる生薬は1つしか入っておらず、瘀血が強い方には少し力不足なことがあります。血を巡らせる漢方薬を併用することもあります。

いぼ痔が再発したり、なかなか治りづらいのは漢方では体質が改善していないため、といえます。

瘀血の強さ、便秘の程度など体質は人によって異なります。治らないいぼ痔、再発するいぼ痔でお悩みの方はぜひご相談ください。座ったときに痛くならない生活をサポートできればと思います。

いぼ痔は血の巡りが悪い「瘀血」が原因!血を巡らせる漢方薬をつかう!

いぼ痔の実際の相談事例、女性に多い理由なども解説しているので、詳細は↓のブログを参考にしてください。

いぼ痔(痔核)になりにくい食事・食べ物

いぼ痔は漢方では「瘀血」が原因です。

「瘀血」を巡らせるためには適度な辛味をもった食べ物がおすすめです。

瘀血タイプにおすすめの食べ物は、たまねぎ、なす、らっきょう、にんにく、みょうが、魚類(とくに青魚)、よもぎ、あずき、べにばな、調味料としては黒酢などがあります。

いぼ痔(痔核)になりにくい生活習慣

いぼ痔は「瘀血」が原因のため、「瘀血」をめぐらせる生活習慣を送る必要があります。

身体全体での血のめぐりを改善させるためにも身体を動かすこと、お風呂で身体を温めることが重要です。

切れ痔(裂肛)

切れ痔は男性よりも女性に多くみられます。

切れ痔(裂肛)の病態

切れ痔(裂肛)は肛門上皮にできた亀裂、潰瘍のことです。

簡単にいえば、肛門の皮膚が切れた状態です。紙で指を切ると傷口が小さくても、痛みは強いです。同じように切れ痔も皮膚が切れただけでも痛みは強いです。

切れ痔(裂肛)の原因

切れ痔の原因は、肛門括約筋が過度に緊張している状態といえます。

排便する筋肉が緊張し、便をスムーズに出すことができず、皮膚が裂け、切れ痔となります。

大便をスムーズに排出することができれば、切れ痔になりにくいといえます。

切れ痔(裂肛)の西洋医学での治療法

外用薬では座薬や軟膏で炎症を抑えていきます。内服薬としては便を軟らかくし、排便をコントロールします。

切れ痔(裂肛)の漢方での考え方

漢方では切れ痔の原因は「気滞」といえます。

「気」がスムーズに流れることで、腸や筋肉の動きもスムーズに動かすことができます。

切れ痔の肛門括約筋が過度に緊張した状態は「気滞」の状態といえます。

切れ痔の場合、漢方では気を巡らせる漢方薬を中心に使います。

切れ痔(裂肛)につかう漢方薬

切れ痔につかう代表的な漢方薬は乙字湯です。乙字湯が便通を改善しつつ、気のめぐりを改善します。

当店に相談にこられる方は乙字湯だけでは改善がみられなかった方がほとんどです。

乙字湯には気を巡らせる生薬は1つしか入っていません。「気滞」が強い場合は、気をめぐらせる働きが足りていない可能性があります。

切れ痔を何度も繰り返す、生理前に切れ痔になるのは、体質が改善していないためといえます。

人によって体質や便秘の程度も異なります。排便時に痛みで悩まないようにするためにもぜひご相談ください。

切れ痔の実際の相談事例、産後に切れ痔になりやすい理由なども解説しているので、詳細は↓のブログをお読みください。

切れ痔(裂肛)になりにくい食事・食べ物

切れ痔は「気滞」の体質が原因です。食べ物で気を巡らせる必要があります。

香りは「気」をめぐらせる働きがあります。

食べ物としては、シソ・春菊・セロリ・バジル・パクチー、飲み物としてはジャスミンティーがおすすめです。

切れ痔(裂肛)になりにくい生活習慣

気を巡らせるために、ストレスを溜めないことと、有酸素運動がおすすめです。

ストレスが溜まると「気」の巡りが悪くなります。ストレス溜めないこと。ストレスが溜まったらストレス解消を積極的にすることが重要です。

有酸素運動もおすすめです。漢方では「肺」をつかうことで、全身に気を巡らせます。深呼吸をするだけでも「気」はめぐっていきます。

あな痔(痔ろう)、肛門周囲膿瘍

あな痔(痔ろう)は女性よりも男性に多いです。

あな痔(痔ろう)、肛門周囲膿瘍の病態

肛門から皮膚の間に膿が溜まった状態を肛門周囲膿瘍といいます。

肛門周囲膿瘍が慢性化し、肛門から皮膚へ膿の通り道ができた状態をあな痔(痔ろう)といいます。

皮膚の奥に膿が溜まっている状態です。

膿が溜まっているだけでは痛みはありませんが、膿がどんどん積もっていき、炎症が強くなると激痛になります。

あな痔(痔ろう)、肛門周囲膿瘍の原因

痔ろう、肛門周囲膿瘍の原因としては下痢、免疫低下があります。

下痢で便のスピードが速いと、本来の流れから外れ、組織下で化膿してしまいます。

下痢で便が変なところに行ってしまっても、免疫力があれば化膿しません。免疫力が低下していると化膿してしまいます。

あな痔(痔ろう)、肛門周囲膿瘍の西洋医学での治療法

膿が溜まっている状態のため、切開し、排膿します。慢性化し、痔ろうとなっている場合は、シートン法などの手術を行います。

あな痔(痔ろう)、肛門周囲膿瘍の漢方での考え方

痔ろうは「気血両虚」の体質が原因と言えます。

漢方で「血」とは皮膚組織に栄養を養い、丈夫にします。髪、爪、肌、筋肉が栄えるためにも「血」が必要です。

「血」が不足した「血虚」になると組織がもろく、傷つきやすくなります。また組織の修復力も低下します。

漢方での「気」は身体のバリア機能の役割があります。「気虚」になると免疫力が低下します。

また「気」があるとこで、膿が溜まらないように排出できます。「気虚」になると、膿を排出できず、溜まっていきます。

下痢になりやすいのも「気虚」の体質です。

痔ろうは「気血両虚」が要因といえます。

あな痔(痔ろう)、肛門周囲膿瘍につかう漢方薬

肛門粘膜が化膿し、膿が溜まっているときには千金内托散という漢方薬がおすすめです。

千金内托散は補気・養血・排膿の働きがあります。千金内托散にて気血を養いながら、排膿に働きます。

ただ実際には「気血両虚」が強いときは千金内托散だけでは足りないこともあります。

「気血」を養う漢方薬を併用する必要があります。

体質は人それぞれです。膿、炎症の程度、気虚や血虚がどれくらい強いのか、考える必要があります。

人によって対応は異なりますので、漢方で膿が溜まりにくい体質にできればと思います。

痔ろうの詳細については↓のブログにまとめています。

あな痔(痔ろう)、肛門周囲膿瘍になりにくい食事・食べ物

痔ろうにならないように、下痢しにくい食事が重要です。小麦、牛乳、辛い物、脂っこい物、お酒は避けてください。

気を補うためには白米、ショウガ、血を養うために卵、肉類、魚類、膿を出すためにはとむぎ、小豆がおすすめです。

あな痔(痔ろう)、肛門周囲膿瘍になりにくい生活習慣

痔ろうは「気血両虚」の体質の方がなりやすいため、ハードな運動はNGです。

ウォーキングで体力をつけていきましょう。

ゆっくり休むことも重要です。体力を回復し、身体の元気を保ちましょう。

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