気滞タイプの体質改善方法、漢方と食事のポイント

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西山光です

「気滞」のことを知るためには、まず「気」について知る必要があります。

漢方でいう「気」とは、「身体の働き」と言い換えることができます。

目次

気滞・気鬱とは?

「気滞」とは気のめぐりが滞った状態のことです。

「気」は「身体の働き」と言い換えることができるため、「気滞」とは「身体の働き」が滞った状態といえます。

気滞は気鬱ともいいます。

「身体の働き」が停滞することで、お腹では便秘になり、精神的な面で停滞があるとイライラ、不安にもなります。

・抑うつ
・いらいら
・情緒不安定
・ストレスに弱い
・お腹の張り
・張ったような痛み
・動くと楽になる
・痛み、不調の部位が時間によって変わる
・吐き気、げっぷ
・ピクピク痙攣する
・便秘

気の停滞があることで、気が行き渡らず、抑うつ、気分の落ち込み、不安感となります。

気の停滞が強く、気が高ぶるとイライラ、情緒不安定になります。

不安とイライラは反対の症状の思えますが、漢方ではどちらも気の鬱滞からくるもので、表裏一体です。

精神的な症状で状態は変化し、ストレス、環境の変化によって症状があらわれやすくなります。

気は空”気”の気であり、空気が溜まったようなお腹が張る症状もみられます。

頭痛などの痛みも張ったような、ズキンズキンする痛みとなります。

気の鬱滞が原因であるときは、血・水と異なり、動きやすい性質にため、動くと症状が緩和されることが多いです。

身体を動かしたり、時間が経過したりすることで気が流れるようになり、痛み・精神的症状・張り感などが緩和されます。

動くと痛み、症状は改善されるときは気滞の可能性があります。

動くと余計にしんどくなるときは、気虚、血虚などの不足している状態の恐れがあります。

気の鬱滞が胃腸に込みあがってくることで、吐き気、げっぷにもなります。

気は筋肉などの細かい動きをコントロールしています。

気の停滞があることで、筋肉を細かく制御できず、お腹では便秘、筋肉ではピクピクしたけいれんが起こりやすくなります。

気滞タイプにおすすめの食べもの一覧

「気滞」体質におすすめの食べ物の特徴は、香りがいいものです。

香りには気をめぐらせる働きがあります。気を巡らせるときは、香りの良いものが重要です。

気滞タイプにおすすめの食べ物は、ジャスミンティー、レモン、シソ、レモン、ゆず、みかん、オレンジ、ネギ、みょうが、セロリ、春菊、うこん、菊の花、桑の葉・枝、ちんぴ、石決明、珍珠母、玫瑰花などがあります。

香味野菜

香味野菜は名前の通り、香りのある野菜のことです。

ネギ、みょうが、セロリ、春菊、紫蘇は香りが良く、よく気をめぐらせてくれます。

実際に紫蘇は半夏厚朴湯などの漢方薬に入っています。

ただ香味野菜はその香りが故に、好みが分かれるところがありますが、気滞タイプの方におすすめです。

柑橘類

レモン、ゆず、みかん、オレンジなどの柑橘類も香りが良く、気滞体質と相性がいいです。

柑橘類は皮を使用するだけでも十分に働いてくれます。

漢方薬のなかには、実際にミカンの皮が使われている漢方薬もあります。

お茶

お茶のなかではジャスミンティーがおすすめです。

ジャスミンティーもまた香りが良いお茶の1つですね。

薬膳

薬膳では、うこん、菊の花、桑の葉・枝、ちんぴ、石決明、珍珠母、玫瑰花などが有名です。

ウコンはショウガ科であり、カレーのスパイスの1つです。

菊の花も気をめぐらせ、菊の花が使われている漢方薬もあります。

桑の葉、枝も気滞と相性が良いです。

石決明はアワビの貝殻、珍珠母はアコヤガイなどの貝殻も気を鎮める働きがあり、中国の漢方薬ではよく使用されています。

玫瑰花(まいかいか)はバラの香りが強く、1つ入れるだけでお茶の雰囲気がガラッと変わるので、おすすめです。

気滞タイプと相性の悪い食べ物

「気滞」体質と相性が悪いのは、食べ物というより、食べ過ぎがよくありません。

ストレスがたまっても食べ過ぎはNGです。

めぐりが悪い時はめぐらせることが重要です。

たくさん食べてしまうと滞りが強くなってしまいます。

できれば、お腹は腹八分を心がけましょう。

気滞体質にあった生活

気の鬱滞があるため、気を動かす必要があります。気を動かすためにも運動することが重要です。

身体を動かすことで、気も動きます。

気滞体質の方は身体を動かすことで症状も緩和されることが多いです。

気を動かす上で、呼吸も重要になります。

漢方では気は肺から全身へ散布され、最終的に腎へ納気されます。

肺をしっかり使うことで、呼吸し、肺気がめぐり、気のめぐりも良くなります。

実際にカラオケ、ヨガなどで呼吸をしっかりするだけで、気分がスッキリするのを実感しませんか?

気滞体質は身体を動かし、気もめぐらせていきます。

気滞につかう漢方薬とは?

気滞と症状から考え、四逆散、大柴胡湯、加味逍遙散、抑肝散、釣藤散、半夏厚朴湯、柴胡加竜骨牡蛎湯、柴芍六君子湯などがあります。

イライラ

気の鬱滞があることで、イライラしやすくなります。

気の鬱滞からくるイライラなどの神経症には気をめぐらせる漢方薬が適しています。

気をめぐらせる漢方薬に四逆散、大柴胡湯、加味逍遙散などがあります。

イライラから怒りが強く、気が高ぶっている神経症のときには抑肝散、釣藤散などがあります。

四逆散は柴胡・芍薬・枳実の気のめぐりを改善する生薬から構成され、胸の息苦しさ、不安などもあるときに向いています。

大柴胡湯にも四逆散の柴胡・芍薬・枳実は入っているのですが、大柴胡湯に特徴的な生薬は大黄です。大黄は便通を改善する生薬です。イライラの神経症と便秘があるときは大柴胡湯が向いています。

加味逍遙散は柴胡・薄荷の気のめぐりを改善する生薬と、当帰・芍薬の血を補う生薬が入っているのが特徴的です。気と血を整える漢方薬のため、精神不安・いらだち、生理不順や更年期などがあるときは加味逍遙散が適しています。

抑肝散は釣藤鈎(ちょうとうこう)という、気の高ぶりを鎮める生薬が入っています。神経が高ぶり、怒りやすい方に抑肝散は向いています。

釣藤散にも釣藤散という、気の高ぶりを鎮める生薬が入っています。さらに菊花も入り、釣藤散は神経が高ぶる神経症と慢性頭痛がある方に適した漢方薬になっています。

抑肝散、加味逍遙散は不眠にもつかうことができます。

不安

気の鬱滞があることで不安になりやすくなります。

気の鬱滞からくる不安につかう漢方薬に半夏厚朴湯があります。

気の鬱滞と水の鬱滞があわさることで、精神的な不安だけでなく、のど・胸がつかえる症状もでます。

気分がふさぎ、のどのつかえ感もあるときは半夏厚朴湯が適しています。

イライラと不安

イライラも不安も気の鬱滞が原因です。

どちらの症状もあるときは柴胡加竜骨牡蛎湯が向いています。

柴胡加竜骨牡蛎湯の柴胡がイライラの原因となる気滞をめぐらせます。

柴胡加竜骨牡蛎湯の竜骨・牡蛎が不安な気持ちを鎮めてくれます。

イライラと不安、不眠症などもあるときは柴胡加竜骨牡蛎湯が適しています。

ストレスからの胃痛、食欲不振

ストレスによって気の鬱滞が生じやすくなります。

ストレスが胃腸の影響を与え、食欲不振、胃痛、神経性胃炎になるときは柴芍六君子湯が向いています。

柴芍六君子湯とは、六君子湯に柴胡・芍薬を加えた漢方薬です。

柴胡・芍薬は四逆散や加味逍遙散にも入っているように気をめぐらせる生薬です。

柴芍六君子湯の柴胡・芍薬がストレスによる気滞をめぐらせ、人参などが気を補い、胃腸の働きを助けます。

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