灯心堂漢方薬局

動悸の漢方薬~いらいら、息切れ、焦燥感、ほてりなどの症状から漢方薬を選びます

動悸

 

急に胸がドキドキなるとびっくりしますよね。

 

動悸になる病気として、不整脈、心臓弁膜症、貧血、発熱、甲状腺機能亢進症、更年期障害、精神的な要因があります。

 

動悸は心臓病と関わっていることも多く、病的な動悸のこともあるので病院を受診することをおすすめします。

 

動悸があるということで心電図をとっても異常がなかったり、心電図に問題がなければ多くの方は次に24時間心電図をとることになると思います。

 

24時間心電図をとっても異常がないこともあります。

 

 

漢方では動悸の原因をどう考えているのか、紹介したいと思います。

 

動悸の漢方での原因は?

動悸の漢方での原因に、水気、驚恐、心火、心気虚、心血虚、心血瘀阻、痰火が考えられます。

 

 

動悸につかう漢方薬は?

動悸の適応があるのは、苓桂朮甘湯、苓桂甘棗湯、当帰芍薬散、連珠飲、柴胡加竜骨牡蛎湯、半夏厚朴湯、黄連解毒湯、還元清血飲などがあります。

 

・水気凌心(尿が少ない、めまい)

・驚恐擾心(驚きやすい、不安感)

・心火(いらいら、のぼせ)

・心気虚(息切れ、手足の冷え)
・心血虚(焦燥感、ほてり)
・心血瘀阻(胸痛、息切れ)
・痰火擾心(不眠、口が苦い)

上記の7つの体質から動悸が起こりやすい状態について説明します。

 

 

水気凌心

水のめぐりが悪くなることで動悸となります。

 

停滞した水が心にあることで動悸になり、頭に上がればめまいにもなります。

 

原因は水の停滞です。

・動悸
・胸が張って苦しい
・ふらつき
・めまい
・尿が少ない

これらにあてはまるときは動悸の原因が水飲の可能性があります。

 

原因となっている水を動かすために苓桂朮甘湯、当帰芍薬散、連珠飲、苓桂甘棗湯などの漢方薬をつかう必要があります。

 

苓桂朮甘湯の桂皮が心の陽気を補い、水のめぐりを助け、茯苓・白朮が余分な水を出すことで動悸、めまいを抑えます。

 

当帰芍薬散には沢瀉・茯苓・白朮の水のめぐりを改善する生薬と、血を補う当帰が入っています。動悸、女性のむくみ、生理不順など女性と水の停滞があるときは当帰芍薬散です。

 

連珠飲は苓桂朮甘湯と四物湯が合方した漢方薬です。水のめぐりを改善する苓桂朮甘湯と、血を養う四物湯があわさることで、連珠飲は女性の動悸・貧血に効果があります。

 

苓桂甘”棗”湯苓桂”朮”甘湯と一文字違いの漢方薬です。苓桂甘棗湯には大棗が入ることで、甘味が気を補い、水気が動悸となって強く突き上げてくるのを防ぎます。動悸でも強い動悸、下から突き上げるような動悸のときには苓桂甘棗湯をつかいます。

 

驚恐擾心

驚きや恐怖によって心神が乱れ、不安になり動悸となります。

 

怖がり、不安感が強く動悸がある場合はこちらにあてはまります。

・動悸
・驚きやすい
・不安感
・多夢
・目が覚める

これらにあてはまるときは驚恐擾心の動悸の可能性があります。

 

原因となっている驚き、不安感を鎮める柴胡加竜骨牡蛎湯、半夏厚朴湯などの漢方薬をつかう必要があります。

 

柴胡加竜骨牡蛎湯には柴胡の気のめぐりを改善する生薬に、竜骨・牡蛎の不安な気持ちを鎮める生薬が入っています。不安、イライラがあるときは柴胡加竜骨牡蛎湯で動悸・気持ちを鎮めます。

 

半夏厚朴湯は半夏・厚朴が組み合わさり、不安な気持ちのつかえを鎮めてくれます。半夏厚朴湯には紫蘇も入り、気のめぐりの改善を助けます。不安な気持ち、のどのつかえ、動悸があるときは半夏厚朴湯です。

 

心火

心に熱がこもり、火となることで生じる動悸です。

 

漢方では心は火に例えられ、心の君火が活発になることで、ほてり、のぼせ、イライラ、動悸なります。

・のぼせ

・顔色があかい

・いらいら
・動悸
・不眠

これらにあてはまるときは心火による動悸の可能性があります。

 

原因となっている心火を冷やすには黄連解毒湯などの漢方薬があります。

 

黄連解毒湯は、黄連・黄芩・黄柏・山梔子の熱を冷ます生薬から構成されています。黄連解毒湯は苦く、苦味のあるこれらの生薬が心の熱を取り、動悸につかいます。

 

心気虚

心の陽気が不足している状態を心気虚といいます。

 

老化、衰弱、慢性病、発汗過多などによって心の陽気が不足し、動悸となります。

・動悸
・不安感
・顔色が白い
・息切れ
・手足が冷える
・ため息が多い
・寒がる

これらにあてはまるときは心気虚の動悸の可能性があります。

 

不足している心の陽気を補う漢方薬をつかう必要があります。

 

心血虚

心血虚、心陰虚というのは心の陰液が不足している状態です。

 

胃腸が弱く、気血をつくる力が弱かったり、出血、過度に思い悩むことで陰血を消耗します。

・動悸
・顔色につやがない
・焦燥感
・不眠
・無力感
・口渇
・ほてり

これらにあてはまるときは心血虚の体質の可能性があります。

 

不足している陰血を養う漢方薬をつかう必要があります。

 

心血瘀阻

ストレス、悩み事、精神症状、過労などによって血脈が滞ります。

 

血の滞りがあることで気血が正常にめぐらず、動悸となります。

・動悸
・息切れ
・胸苦しい
・刺すような胸痛
・顔、唇が青紫色
・手足の冷え

これらにあてはまるときは心血瘀阻の動悸の可能性があります。

 

血の滞りが原因なので、血をめぐらせる環元清血飲などの漢方薬をつかいます。

 

環元清血飲は丹参(たんじん)・川芎(せんきゅう)・紅花(こうか)の血のめぐりを改善する生薬と、木香・香附子の気のめぐりを改善する生薬から構成されています。環元清血飲にて血の鬱滞を動かし、動悸に効果を発揮します。

 

痰火擾心

ストレス、緊張、悩みごと、辛い食べ物などによって体が熱をもち、痰湿と熱がむすびつき、痰火となります。

 

痰火によって心の気血を邪魔するため動悸となります。

・動悸
・いらいら
・口が苦い
・めまい
・不眠
・黄膩苔

 

これらにあてはまるときは痰火擾心の可能性があります。

 

原因となっている痰火を追い出す漢方薬をつかう必要が

 

 

 

関連情報

コメントは受け付けていません。

特集

〒564-0063
大阪府吹田市江坂町2-6-14-202池上第二ビル

06-6192-3020

営業時間 / 月・水・木・金 10-19時 土10-14時
定休日 / 火曜日 日曜日