茵蔯五苓散(茵ちん五苓散)の使い方と合わない人の特徴

質問

・茵蔯五苓散はどういうときに服用したらいいの？
・合わない人っているの？

このようなお悩みに漢方薬局の薬剤師がお答えします。

医薬品の適正使用の参考になればと思います。

 　この記事を読んでわかること
・茵蔯五苓散の効能効果
・茵蔯五苓散の構成生薬
・合う人、合わない人
・副作用、長期服用について

茵蔯五苓散の効能効果

 　茵蔯五苓散は「湿熱」と「水滞」のある方に適した漢方薬です。

体力中等度以上をめやすとして、のどが渇いて、尿量が少ないものの次の諸症：嘔吐、じんましん、二日酔、むくみ

茵蔯五苓散の効能効果(薬局製剤)

茵蔯五苓散の効能効果はメーカーによっても異なるので、ご購入の際はしっかりパッケージを確認してください。

茵蔯五苓散は、五苓散に茵蔯蒿があわさった漢方薬です。

茵蔯五苓散＝五苓散＋茵蔯蒿

茵蔯五苓散の効能効果を湿熱を出す働きと、水を出す働きに分けられます。

・湿熱を出す働き(じんましん)
・水を出す働き(嘔吐、二日酔い、むくみ)

湿熱を出す働き

茵蔯五苓散の効能効果に、「じんましん」と記載があります。

茵蔯五苓散の場合は、湿熱が皮膚にこもっていることでじんましんになっているときに適しています。

茵蔯五苓散は湿熱をとることで「じんましん」に効能効果があります。

水を出す働き

効能効果に「嘔吐」「二日酔い」「むくみ」とあるように茵蔯五苓散は水をめぐらせてくれます。

茵蔯五苓散の五苓散の構成が水をめぐらせ、むくみなどに効能効果があります。

茵蔯五苓散は水を巡らせる働きがあり、むくみにも効能効果があります。

茵蔯五苓散に入っている生薬・成分

 　茵蔯五苓散には湿熱を出す生薬と水をめぐらせる生薬から構成されています。

茵蔯五苓散には６種類の生薬が入っています。

茵蔯五苓散には茵蔯蒿、桂皮、白朮、茯苓、猪苓、沢瀉が入っています。

茵蔯五苓散に入っている生薬を働き別にまとめてみました。

湿熱を出す生薬

茵蔯蒿湯に入っている茵蔯蒿は湿熱を出す生薬です。

「湿熱」というと難しいのですが、湿気を持った熱が皮膚でくすぶって悪さをしているイメージです。

↑茵蔯蒿(いんちんこう)。日本では茵蔯蒿の花穂を使用しますが、中国では幼苗の方を使用するそうです。

茵蔯蒿が湿熱を追い出す生薬にて、じんましんの原因を追い出します。

水を出す生薬

 　茵蔯五苓散の白朮、茯苓、沢瀉、猪苓が水を追い出してくれます。

白朮(びゃくじゅつ）。白朮は気を補いながら、水を追い出してくれます。

茵蔯五苓散には五苓散の構成生薬の白朮、茯苓、猪苓、沢瀉が入っているため、水をめぐらせてくれます。

茵蔯五苓散は水をめぐらせる生薬が多く入っています。

生薬のまとめ

 茵蔯五苓散は「湿熱」と「水」を追いだす構成になっています。

茵蔯五苓散が合う人・合わない人

 　茵蔯五苓散は湿熱と水が多くなっているときにつかいます。

「茵蔯五苓散が効かない」という経験をされた方もいらっしゃると思います。茵蔯五苓散が効かない理由としては、湿熱が原因でないと考えられます。

茵蔯五苓散の副作用、長期服用の注意点

副作用

茵蔯五苓散の副作用としては、皮膚(発疹・発赤、かゆみ)などがみられることがあります。

これらの症状があらわれた場合は、副作用の可能性があるので、直ちに服用を中止し、医師又は薬剤師に相談をしてください。

長期服用について

漢方の長期服用にてよく問題になるのが、甘草、山梔子です。

茵蔯五苓散は甘草も山梔子もどちらも含まれていません。

ただ茵蔯五苓散は補う漢方薬でなく、悪いものを出す漢方薬です。

補う漢方薬は長期的に服用することもありますが、悪いものを出す漢方薬を長期的に服用することは少ないです。

長期服用の際は、医師や薬剤師に相談してください。