関節痛を改善するときの漢方薬の考え方と体質、食事について

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西山光です
目次

関節痛 

関節痛は関節周囲におこる痛みのことです。

関節痛の原因となる疾患に変形性関節炎がありますが、ほかにもリウマチ、膠原病、痛風などによっても関節痛が生じます。

そういった病気でなくても、カゼをひいたときに関節が痛むのを経験したことがある方も多いと思います。

関節痛についての詳しい説明はこちらのサイトを参考にしてください→

関節痛は日常生活の妨げになり、何をするにもおっくうになってしまいます。

ここでは関節痛につかう漢方薬についてまとめています。

関節痛の漢方薬は?

関節痛の漢方薬に桂枝加朮附湯、疎経活血湯、五積散、麻杏薏甘湯、薏苡仁湯があります。

疎経活血湯

疎経活血湯(そけいかっけつとう)は、神経痛、関節痛、腰痛、筋肉痛など幅広く痛みにつかわれる漢方薬です。

疎経活血湯は血を養い、血をめぐらせ、風を発散し、経絡を通し、関節痛を抑える漢方薬です。

関節痛や神経痛の原因の1つとして、血虚があります。

血虚というのは漢方では血の不足した状態をあらわし、筋肉などの組織の栄養が不足している状態です。

筋肉などの組織の栄養が不足することで気血のめぐりが悪くなり、痛みとなります。

血虚の痛みは、ご年配の方や慢性疾患の方にみられやすくなります。

痛みの原因が血の不足のため、疎経活血湯は血を養い、関節痛、神経痛を緩和します。

疎経活血湯は血のめぐりを改善する生薬も多く入っています。

血の鬱滞があることで、気のめぐりも悪くなり、痛みが起こりやすくなります。

疎経活血湯は血の不足をおぎない、血のめぐりを改善し、関節痛、神経痛に効果を発揮します。

血虚に向いた漢方薬のため、ご年配の方の痛みに適した漢方薬といえます。

五積散

五積散(ごしゃくさん)は症状の激しくない人の、腰痛、神経痛、関節痛、月経痛、冷え症に用いられる漢方薬です。

五積散は血を補い、温めることで関節痛、神経痛に効果を発揮します。

血の不足によって、筋肉などの組織の栄養が不足し、痛みが生じやすくなります。

疎経活血湯ほどではないですが、五積散には血を補う生薬が入っています。

疎経活血湯と五積散で異なるのは、五積散の方が麻黄・桂皮の温める生薬が入っていることです。

五積散はご年配の方で筋肉が弱り、冷えもある関節痛、神経痛に適しています。

桂枝加朮附湯

桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)は五積散よりも温める働きが強い漢方薬です(風邪を発散する働きは五積散の方が強い)。

桂枝加朮附湯は手足が冷えてこわばる方に向いています。

冷えたときに痛みが強くなり、お風呂に入ると痛みは緩和されるようなときは冷えが痛みの原因かもしれません。

冷えが原因による痛みのときには桂枝加朮附湯が身体の内側から強く温め、関節痛、神経痛を緩和します。

桂枝加朮附湯は冷えがポイントです。

麻杏薏甘湯、薏苡仁湯

麻杏薏甘湯(まきょうよくかんとう)薏苡仁湯(よくいにんとう)は関節の腫れや痛みのある関節痛、神経痛につかう漢方薬です。

麻杏薏甘湯は麻黄が身体を温め、薏苡仁(よくいにん)が関節の腫れの原因となる痰湿を取り除いてくれます。

麻杏薏甘湯の杏仁がなくなり、当帰・芍薬・桂皮が加わり、血を養う働き、温める働きが加わったものが薏苡仁湯(よくいにんとう)です。

関節や、筋肉の腫れには麻杏薏甘湯、さらに慢性化し、血も不足してきているなら薏苡仁湯が適しています。

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