この記事を書いた人
・灯心堂漢方薬局 薬局長
・薬剤師歴10年以上
・店舗のLINE登録者数1000人以上
・漢方を通して、皆様が少しでも健康に過ごせる手助けをできればと思います。>>プロフィール記事はこちら
西山光です
この記事を書いた人
・灯心堂漢方薬局 薬局長
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・腰痛に使う漢方薬は?
・どう使い分けるの?
漢方薬の違いってわかりづらいですよね。
ここでは腰痛につかう漢方薬の違いと使い分けについて説明しています。
このブログを読むことで、ご自身にあったものを選んでいただけたらと思います。
漢方での腰痛の原因は気滞・瘀血などの邪魔しているものがある体質か、血虚などの弱っている体質で生じる。
腰痛、しびれ、血のめぐりが悪い腰痛
→疎経活血湯
冷えて腰痛のあるとき
→五積散
加齢による腰痛、慢性的な腰痛
→活寄生丸
この記事を読んでわかること
・腰痛の原因
・漢方薬のつかいわけ
・おすすめの食事、生活習慣
漢方をうまく取り入れて、腰痛に悩まない生活を送れるようになればと思います。
「腰痛」とは疾患(病気)の名前ではなく、腰部を主とした痛みやはりなどの不快感といった症状の総称です。(厚生労働省『腰痛対策』)
腰痛というのは、腰を中心とした腰の痛み全般のことをいいます。
腰痛については、youtubeのPIVOT 公式チャンネル様の動画がとてもわかりやすいので、紹介させていただきます。
腰痛を引き起こす疾患に椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、圧迫骨折などがあります。
実際には腰痛の原因の85%は原因がわからないとされ、原因不明の腰痛も多いのが現状です。
漢方での腰痛の原因は邪魔しているものがあるときと、血虚の虚の体質が考えられます。
気血の流れを邪魔しているものがあれば、「不通則痛」となり、痛みを生じます。
血虚で組織・筋肉の栄養が不足することで、「不栄則痛」となり、痛みを生じます。
気血の流れを邪魔しているものがあることで、不通則痛となり、痛みとなります。
痛みを引き起こす要因としては、気滞、瘀血、痰飲、風湿、風寒があります。
張ったような痛み→気滞からの痛み
刺すような痛み→瘀血からの痛み
おもだるい痛み→水飲、痰湿
外からのおもだるい痛み→風湿邪
冷えによる痛み→風寒邪
痛みを起こす原因によって、痛みの性質が変わってきます。
また気滞や瘀血などのこれらの要素は合体することも多く、複雑になることも多いです。
気滞、瘀血など邪魔しているものがあることで腰痛になるときは、悪いものを追い出すことで痛みは緩和されます。
血虚や腎虚があることで、組織・筋肉の栄養が不足し、不栄則痛の痛みとなります。
筋肉の痩せによる痛み→血虚
加齢による痛み→腎虚
漢方で血は組織・筋肉の栄養になります。血虚があるときは気虚も同時にみられることも多いです。
腎は血と関係が深く、腎虚からも痛みになります。とくに腎は加齢とともに衰えていき、加齢による痛みには腎虚が関係しています。
血虚、腎虚からの痛みであれば、気血、腎を養うことで痛みは緩和されます。
\↓痛みの原因別の考え方については↓↓のブログで詳しく解説しています↓/
漢方で腰痛の食べ物を考えると、巡らせるものと、補うものに分けて考えます。
張ったような痛みの気滞があるときはジャスミンティーなどの香りのいい食べ物がおすすめです。
刺すような痛みの瘀血があるときはたまねぎなどの適度な辛味のある食べ物が適しています。
筋肉が弱ってくる血虚であればたんぱく質が重要になります。
加齢による腎虚があれば、山芋、長芋、里芋の粘り気のある食べ物がおすすめです。
腰痛の効能効果があるのは疎経活血湯、五積散、独活寄生丸があります。
漢方薬は病名ではなく、体質で漢方薬を選ぶので、ヘルニアの方でも、狭窄症の方でも、坐骨神経痛の方でも腰痛であれば服用していただいて大丈夫です。
疎経活血湯には気滞、瘀血、水のめぐりを改善する生薬、風邪、湿邪を追い出す生薬、栄養不足の血虚の状態に血を養う生薬が入っています。
疎経活血湯は不通則痛の痛み、不栄則痛の痛みのどちらにも対応しています。
・血の巡りが悪い
・刺すような痛み
・しびれもある
・筋肉の弱さもある
疎経活血湯は痛みの要因となる気滞・瘀血・水滞・風邪・湿邪・血虚に対応した生薬が入っています。
腰痛、慢性化した痛み、しびれには疎経活血湯が適しています。
五積散とは、寒積・湿積・気積・血積・痰積の5つの積に対応した漢方薬です。
五積散には温める生薬が多く入っています。
・冷えて痛む
・のぼせと冷えもある
・痛いときと、痛くないときがある
五積散の麻黄・桂皮が温め、当帰が血を養うことで、腰痛に効果を発揮します。
冷えて腰痛が増すとき、寒気と腰痛が気になるときは五積散が適しています。
独活寄生丸は養血・補腎の補う生薬を中心に構成されています。
・加齢による腰痛
・高齢者の腰痛
・慢性的な腰痛
・筋肉が弱ってきている腰痛
独活寄生丸は養血・補腎・補気の補う生薬が多いことが特徴的です。
加齢による腰痛、慢性的な腰痛には独活寄生丸が適しています。
養老(ようろう)は太陽小腸経のツボで、筋を養い、腰痛を緩和してくれます。
腰痛点(ようつうてん)は奇穴の1つで、経絡の流れを良くし、痛みを緩和します。
・痛みと一言でいっても、漢方で考えると痛みの性質、原因は全く異なる
・何かが停滞し、気血の流れを邪魔しているものがあれば、追い出す漢方薬を使う
・気血が不足して痛みになっているときは、補う漢方薬をつかう
腰痛でお悩みの方はお気軽にLINEからでもご相談くださいませ。