切れにくい痰を改善するための漢方薬の選び方とその使い方

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西山光です
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痰(たん)

痰はカゼをひいたときに、のどに絡む印象があると思います。

人によってはカゼひいた後も続いたり、ご年配の方がよく痰がからんでいる様子をみたことがありませんか?

漢方の目線で痰について考えたいと思います。

こちらのリンクでは身体の体位を横向きにし、排痰しやすい方法について説明してあるので、薬をつかわない方法についてはこちらを参考にしてください。

漢方での痰

漢方で痰は水が煮詰まったものです。

水が停滞することで熱化し、煮詰められ、粘性をもったものが痰です。

痰はやまいだれ(疒)に火二つと書きます。

痰という字からも火の性質をもっていることがわかります。

痰の粘り方の強さ、痰の色、のどの乾き具合から状態を考えていきます。

痰は水が煮詰まったもののため、潤しつつ、追い出す生薬をつかいます。

痰につかう漢方薬は?

痰の漢方薬に、麦門冬湯、滋陰降火湯、五虎湯、柴陥湯があります。

麦門冬湯

麦門冬湯は渇いた痰につかう代表的な漢方薬です。

麦門冬湯(ばくもんどうとう)は麦門冬・粳米・人参の潤す生薬と、半夏の去痰の生薬から構成されている漢方薬です。

麦門冬湯には潤す生薬がたくさん入っているため、渇いた痰を潤し、動きやすくします。

そこに半夏が働くことで潤った痰を去痰します。

渇いた痰、からぜきには麦門冬湯です。

滋陰降火湯

滋陰降火湯は名前の通り、冷やす働きの強い漢方薬です。

滋陰降火湯は地黄・麦門冬・天門冬の潤す生薬と、知母・黄柏・天門冬の冷やす漢方薬から構成されています。

生薬の数でみても、麦門冬湯よりも滋潤の生薬が多いことがわかります。

麦門冬湯よりも冷やし、潤す働きが強いのが滋陰降火湯です。

つまり乾きが強い痰には滋陰降火湯が適しています。

乾燥が強く、のどに潤いがなかったり、痰がきにくかったり、乾燥して便秘気味であれば滋陰降火湯です。

潤す強さ:滋陰降火湯>麦門冬湯

五虎湯

五虎湯(ごことう)も痰によくつかう漢方薬です。

麦門冬湯、滋陰降火湯に比べると、潤す働きが弱く、サラッとした痰に五虎湯が向いています。

五虎湯の桑白皮(そうはくひ)が去痰に働きます。

五虎湯の麻黄・杏仁・甘草・石膏はぜんそくの咳を抑える働きがあります。

五虎湯は咳がつよく、サラッとした痰があるときに適しています。

柴陥湯

柴陥湯(さいかんとう)はせきが強く、痰もあり、胸痛があるときにつかわれる漢方薬です。

症状としては咳喘息に近い状態です。

固い痰が胸のところに残っていることで、強いせきが続き、ときに胸が痛くなります。

それによって咳喘息の症状となります。

柴陥湯の括楼仁(かろにん)が固い痰を取り除いてくれます。

痰が切れにくく、強いせきがつづき、胸が痛むときは柴陥湯が適しています。

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