この記事を書いた人
・灯心堂漢方薬局 薬局長
・薬剤師歴10年以上
・店舗のLINE登録者数1000人以上
・漢方を通して、皆様が少しでも健康に過ごせる手助けをできればと思います。>>プロフィール記事はこちら
西山光です

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子宮内膜症、チョコレート嚢胞でお悩みではないですか?
漢方の目線での子宮内膜症の考え方について解説しています。
子宮内膜症は、子宮以外の場所で子宮内膜が増殖したもの。卵巣でみられるときはチョコレート嚢胞という。
漢方で子宮内膜症の原因は瘀血。さらに瘀血を引き起こす原因に気滞、気虚、痰湿、腎虚がある。
漢方では瘀血を追い出しつつ、気虚、腎虚などの体質を同時に改善していく対応をする。
この記事を読んでわかること
・子宮内膜症、チョコレート嚢胞とは
・おすすめの食べ物
・漢方の考え方
漢方をうまく取り入れて、いつも通りに生活を送れるようになればと思います。
子宮内膜症は、子宮以外の場所のダグラス窩、卵巣などで子宮の内膜が増殖する疾患のことです。
子宮内膜症のなかでも、卵巣に子宮内膜が入り込むことでチョコレート嚢胞(卵巣子宮内膜症性嚢胞)となります。
子宮の筋層内で増殖することで子宮腺筋症となります。
・子宮内膜症:子宮内膜が子宮以外の卵巣、ダグラス窩などで増殖したもの
・チョコレート嚢胞:子宮内膜症のなかでも、卵巣内で発症したもの
・子宮腺筋症:子宮の筋層内で子宮内膜が増殖したもの
子宮内膜症については、youtubeのmama女医ちえこ様の動画が大変わかりやすいです。こちらの動画を参考にして、病院の受診をおすすめします。
子宮内膜症は女性の6%~10%に発症するとされています。
子宮内膜症の症状として、生理痛、腰痛、出血が多い(月経過多)、性交痛などがみられます。
チョコレート嚢胞の場合は、ほかの部位にできる子宮内膜症よりも痛みが強いといわれています。
・生理時の出血が多い(月経過多)
・生理痛
・腰痛
・性交痛
・排便痛
なぜ子宮内膜症ができるかはわかっていませんが、月経逆流説が原因といわれています。
本来、排出されるべき生理血が逆流し、骨盤に向かうことで、子宮内膜が子宮以外の場所で増殖する要因となります。
子宮内膜症の治療法としては、低用量ピルなどのホルモン剤を使用します。薬物治療で改善されない場合や腫瘍が大きい場合は手術療法が選択されることがあります。
子宮内膜症の漢方での原因は瘀血です。
子宮内膜症の原因は瘀血と聞いたことがあるかもしれませんが、なぜ瘀血ができるのかを考える必要があります。
瘀血を引き起こす要因として、気滞、痰湿、気虚、腎虚があります。
漢方では血の巡りが悪い状態と瘀血(おけつ)といいます。血のめぐりの悪さから腫瘍となることで、子宮内膜症となります。
実際に子宮内膜症の方の症状を聞くと、生理血に血の塊がみられる方が多いです。生理血に血の塊があるのは瘀血の代表的な症状です。
「気滞」は気の巡りが悪く、停滞しやすい体質のことです。気滞があることで、血の巡りも一緒に悪くなり、瘀血を生じやすくなります。
気滞があることで瘀血の原因になります。
・イライラしやすい
・生理前に胸が張る
・ストレスを溜めやすい
「痰湿」とは身体にヌメリが溜まっている体質のことです。ヌメリがあることで、瘀血と合わさりやすく、子宮内膜症となります。
・むくみ、水太り
・めまい
・白いおりものが多い
「気虚」とは、身体の機能が低下している状態のことです。
「気虚」があると、血を巡らせるだけの元気がなくなり、瘀血をつくりやすくなります。
・つかれやすい
・軟便になりやすい
・胃腸の不調がある
「腎虚」とは、生命力の源と考えられ、加齢とともに弱っていきます。
腎虚の体質があることで、気血をめぐらせる元気がなくなり、瘀血となります。
・トイレが近い
・腰が痛む
・足が冷える
子宮内膜症の原因は漢方では瘀血です。さらに掘り下げて考えると、瘀血をつくりやすい体質に気滞、痰湿、気虚、腎虚があります。
実際に漢方で対応するなら、子宮内膜症に伴う生理痛や出血に対応することが多いです。
子宮内膜症によって生理痛があるときは気血をめぐらせるために芎帰調血飲第一加減などをつかいます。
出血が多い(月経過多)場合は、止血に働くように対応します。
それにあわせて、瘀血の原因となる気滞、気虚、腎虚に対する漢方薬をつかっていきます。
おすすめの食べ物はヨモギです。
ヨモギは下腹部を温める働きがあり、また止血にも働きます。出血が多いときにもヨモギが相性がいいです。
冷えると、血の巡りが悪くなり、瘀血につながります。冷えを避けることが重要です。
生もの、冷たいもの、味の濃いものは避けるようにしてください。
また生理のときは辛い物、香辛料を少なくしてください。
辛い物が多いと、身体に熱を溜め込み、出血を引き起こすことにつながります。出血が多い方は、生理中は香辛料の食べ過ぎに注意が必要です。
子宮内膜症で薬を飲んでも効かない、などお聞きします。
西洋医学は症状から使用する薬を選びますが、漢方薬は症状の原因・体質を考え、そこにアプローチすることができます。
漢方で体質にあわせた対応をすることで、生理痛を和らげたり、出血を緩和することができます。
子宮内膜症の生理痛、月経過多などでお悩みの方はぜひご相談くださいませ。