この記事を書いた人
・灯心堂漢方薬局 薬局長
・薬剤師歴10年以上
・店舗のLINE登録者数1000人以上
・漢方を通して、皆様が少しでも健康に過ごせる手助けをできればと思います。>>プロフィール記事はこちら
西山光です


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「子宮筋腫があるけれど、できれば手術はしたくない」「漢方薬で子宮筋腫が小さくなるって本当?」「病院で桂枝茯苓丸を出されたけど、あまり変わらない気がする……」
このような不安やお悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
子宮筋腫は30歳以上の女性の4人に1人にみられるほど身近な疾患ですが、生理痛や過多月経、貧血、不妊など、日常生活や将来の妊娠に大きく影響することがあります。
この記事では、大阪・吹田市の漢方専門薬局である灯心堂漢方薬局の薬剤師が、子宮筋腫に対する漢方的アプローチを基礎から詳しく解説します。漢方で小さくなるケースと難しいケース、体質別の漢方薬の選び方、食事やツボなどのセルフケア、さらに実際の改善事例までまとめました。
この記事を読んでわかること



子宮筋腫は、子宮の筋肉(平滑筋)にできる良性の腫瘍です。「良性」なので、がんのように命に関わるものではありませんが、できる場所や大きさによっては、つらい症状を引き起こしたり、妊娠しにくくなったりすることがあります。
小さな筋腫も含めると、30歳以上の女性の20~30%にみられるとされており、女性にとって非常に身近な疾患です。
子宮筋腫は、子宮のどの部位にできるかによって3つに分けられます。種類によって症状の出方が異なるため、ご自身の筋腫がどのタイプかを知っておくことが大切です。
①筋層内筋腫(きんそうないきんしゅ) 子宮の筋肉の中にできる筋腫で、全体の約70%を占めるもっとも多いタイプです。筋腫が大きくなると子宮そのものが変形し、子宮の収縮がうまくいかなくなるため、重い生理痛や過多月経の原因になります。多発しやすいのも特徴です。
②漿膜下筋腫(しょうまくかきんしゅ) 子宮の外側を覆う漿膜の直下にでき、子宮の外に向かって大きくなる筋腫です。自覚症状が出にくく、かなり大きくなるまで気づかないことが多いです。頻度は全体の10~20%ですが、膀胱や直腸を圧迫すると頻尿や便秘の原因になることがあります。
③粘膜下筋腫(ねんまくかきんしゅ) 子宮の内膜の直下にでき、子宮の内側に向かって大きくなる筋腫です。頻度は5~10%ともっとも少ないですが、症状は3つの中でもっとも強く出ます。小さな筋腫でも月経量が非常に多くなり、貧血を引き起こしやすくなります。また不妊の原因になることもあります。
※子宮筋腫の基礎知識については、YouTubeの mama女医ちえこ様 の動画がたいへんわかりやすいです。まずは婦人科の受診をおすすめします。
子宮筋腫はまったく自覚症状がないことも多く、健康診断の超音波検査で偶然見つかるケースもあります。一方で、筋腫の種類・大きさ・場所によっては、以下のような症状が現れます。
子宮筋腫がなぜできるか、はっきりとした原因はまだわかっていません。ただし、筋腫が大きくなる要因としてエストロゲン(女性ホルモン)が深く関係していることがわかっています。
エストロゲンの分泌が活発な30~40代に筋腫が大きくなりやすく、閉経後はエストロゲンが減少するため筋腫は自然に小さくなっていきます。
また、ストレスが子宮筋腫を大きくするという声をよく聞きます。漢方的にみると、ストレスは「気」の巡りを悪くし、それが血の巡りの悪さ(瘀血)につながり、筋腫を悪化させる要因となります。この点については「漢方の考え方」の章で詳しく解説します。
現在、西洋医学では以下のような治療法があります。
手術は根本的な治療法ですが、筋腫核出術では再発の可能性もあります。また妊娠を希望する場合は、術後1年間は妊娠を避ける必要があり、出産は帝王切開になるケースも多いです。
子宮筋腫については、youtubeのmama女医ちえこ様の動画が大変わかりやすいです。こちらの動画を参考にして、病院の受診をおすすめします。
以下のチェックリストで、ご自身の体質傾向をかんたんにチェックできます。
ページを移ると、結果は消えるので、見返したい方はスクショをとって保存してください。
※複数のタイプが当てはまる方がほとんどです。次の章でそれぞれの体質を詳しく解説しています。



漢方では、子宮筋腫の根本的な原因は「瘀血(おけつ)」と考えます。瘀血とは血の巡りが悪くなり、血が滞った状態のこと。この滞りが固まりとなって、子宮筋腫になると考えます。
実際に子宮筋腫の方のお話を聞くと、生理血にレバー状の塊がみられる方がとても多いです。これは瘀血の代表的なサインです。
しかし、大切なのは「なぜ瘀血ができたのか」をさらに掘り下げることです。
瘀血を引き起こす体質的な要因として、気滞(きたい)・痰湿(たんしつ)・気虚(ききょ)・腎虚(じんきょ)があります。この根本原因ごとに漢方薬の選び方が変わります。



血のめぐりが悪くなり、子宮周辺に血が停滞している状態です。子宮筋腫のある方のほとんどに、この瘀血がみられます。
特徴的な症状
漢方での対応 血の巡りを改善する「活血薬(かっけつやく)」を使います。代表的な処方には桂枝茯苓丸、折衝飲(せっしょういん)などがあります。
当薬局では気血をめぐらせるために芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)などを使うこともあります。
「気滞」とは、気の巡りが悪く停滞しやすい体質のことです。ストレスや緊張が続くと気の巡りが悪くなり、それに伴って血の巡りも悪くなります。
「子宮筋腫がストレスで大きくなる」と言われるのは、まさにこの気滞→瘀血のメカニズムです。
特徴的な症状
漢方での対応 気の巡りを良くする「理気薬(りきやく)」を中心に使います。逍遙散(しょうようさん)、四逆散(しぎゃくさん)などが代表的です。活血薬と組み合わせて使うことが多いです。



「痰湿」とは、身体に余分な水分やヌメリが溜まっている体質のことです。痰湿があると、瘀血と合わさりやすく、子宮筋腫の形成を助長すると考えます。
特徴的な症状
漢方での対応 余分な水分を取り除く「化痰薬(かたんやく)」を使います。二陳湯(にちんとう)などを基本に、活血薬と組み合わせます。
「気虚」とは、身体の機能が低下している状態です。血を巡らせるための元気が足りず、結果として瘀血ができやすくなります。
また気虚があると出血を止める力も弱くなるため、過多月経による貧血が進みやすいという特徴もあります。
特徴的な症状
漢方での対応 気を補う「補気薬(ほきやく)」を使います。十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)、帰脾湯(きひとう)など、貧血も同時に改善できる処方を選ぶことが多いです。
「腎」は漢方では生命力の源と考えられ、加齢とともに弱っていきます。腎虚の体質があると、気血をめぐらせる力が不足し、瘀血が溜まりやすくなります。
子宮筋腫が35歳以降に大きくなりやすいのは、この腎虚の影響も大きいと考えています。
特徴的な症状
漢方での対応 腎の力を補う「補腎薬(ほじんやく)」を使います。活血薬と組み合わせて、子宮周辺の血行を改善しながら根本的な体質改善を目指します。



当薬局では、子宮筋腫そのものだけでなく、筋腫に伴うさまざまな症状に対応しています。
生理痛がつらい場合 気血をめぐらせる芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)などを使い、痛みの緩和を図ります。
出血が多い場合(月経過多) 止血に働く生薬を用いて、出血量を調整します。
貧血がある場合 血を養い、貧血を防ぐように十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)、帰脾湯(きひとう)などを使います。
さらに瘀血を引き起こしている根本原因(気虚・気滞・痰湿・腎虚)に同時に対応して、お一人おひとりに最適な漢方薬を選びます。
このように症状だけでなく体質全体を整えるため、子宮筋腫の改善とあわせて「便秘が治った」「冷え性が楽になった」「PMS(月経前症候群)が軽くなった」など、身体全体の不調が改善するケースも多くあります。
「子宮筋腫があるけれど、妊娠したい」「手術をすると1年間は妊娠できないと言われた」――こうしたお悩みを持つ方からのご相談も多くいただきます。
子宮筋腫があっても妊娠できるケースは多いですが、筋腫の場所によっては受精卵の着床を妨げたり、卵管を圧迫したりすることがあります。
漢方では、ホルモンバランスを大きく崩さずに体質を整えられるため、妊活中の方にとっても取り入れやすいアプローチです。子宮周辺の血行を改善し、筋腫ができにくい体質に整えながら、妊娠しやすい身体づくりを目指します。
妊活と子宮筋腫の両方でお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
子宮筋腫が大きい場合や、年齢的に時間の猶予がない場合は手術を優先するべき。



漢方・薬膳の観点から、子宮筋腫の方におすすめの食材をご紹介します。
ヨモギ ヨモギは下腹部を温める働きがあり、止血にも働きます。出血が多い方にもおすすめです。ヨモギ茶として手軽に取り入れることができます。
血の巡りを助ける食材 黒きくらげ、黒豆、ニラ、らっきょう、玉ねぎ、青魚(サバ・イワシなど)、紅花、サフランなどは血の巡りを助けるとされています。
身体を温める食材 生姜、シナモン、ネギ、かぼちゃなどは身体を内側から温め、冷えによる血の停滞を防ぐのに役立ちます。
冷たいもの・生もの 冷えると血の巡りが悪くなり、瘀血につながります。冷たい飲み物やアイス、生野菜のサラダ、お刺身などの摂りすぎには注意してください。
味の濃いもの・脂っこいもの 味の濃い食事や脂っこいものは、痰湿(余分な水分や老廃物)を生みやすく、筋腫の悪化につながる可能性があります。
生理中の辛いもの・香辛料 辛い物を多く摂ると、身体に熱がこもり、出血を助長することがあります。特に過多月経の方は、生理中は香辛料の食べ過ぎに注意してください。
乳製品の摂りすぎ 乳製品は漢方的には痰湿を生みやすいとされています。摂りすぎには注意しましょう。
エストロゲン様の作用を持つサプリメント(大豆イソフラボンの大量摂取、プエラリア・ミリフィカなど)は、子宮筋腫を悪化させる可能性があるため注意が必要です。サプリメントを飲む際は、かかりつけの婦人科に相談されることをおすすめします。
子宮筋腫におすすめのツボ(経穴)は三陰交です。
場所:内くるぶしの最も高いところから指4本分上、すねの骨の内側のきわ
三陰交は脾・肝・腎の3つの経絡が交わるツボで、生理の不調を整える代表的なツボです。血行を促進し、冷えを改善する効果も期待できます。
お灸や指圧で、毎日少しずつケアするのがおすすめです。ただし妊娠中の方は刺激を避けてください。
最近は「よもぎ蒸し」で子宮を温めるケアも人気ですが、下腹部を温めることで血行が促進されるため、漢方との相性は良いと考えられます。ただし、生理中や出血が多い時期は控えてください。
40代後半女性。昨年末より、子宮筋腫によるものと思われる貧血がある。ヘモグロビン値が6.6まで低下し、鉄剤を服用して数値は少し改善してきている。生理の際の大量の出血にも困っている。
この方は子宮筋腫による貧血と、過多月経による出血にお悩みとのことでした。
漢方では血を養う漢方薬と、止血に働く漢方薬を組み合わせて服用していただきました。
2か月後、「貧血が改善し調子が良いので、継続しています。良い漢方薬を紹介していただきありがとうございました。」と嬉しいお言葉をいただけました。
現在も貧血と出血過多の予防のために服用を継続していただいています。
40代女性。子宮筋腫7.5cm。出血も多く、貧血もある。
この方は大きな子宮筋腫による過多月経と貧血のご相談でした。
血の巡りを改善しつつ、血を養う漢方薬をお選びしました。半年後には筋腫が7.5cmから5cmに縮小し、貧血も改善しました。
もちろん、すべての方に同じ結果が出るわけではありませんが、体質に合った漢方薬をしっかり選ぶことで、このような変化がみられることもあります。
A. 症状の改善は早い方で1~2か月で実感される方もいます。体質改善には3か月~半年以上の継続をおすすめすることが多いです。
A. 多くの場合、併用は可能です。ただし飲み合わせの確認が必要ですので、現在服用中のお薬をお伝えください。当薬局では、病院のお薬との飲み合わせも確認したうえで漢方薬をお選びしています。
A. 当薬局の漢方薬は、症状や体質に合わせてお作りするため、費用は一人ひとり異なります。目安として、漢方薬を複数組み合わせることが多いので、2万円~3万円くらいになります。なお、漢方薬局での処方は自費(保険適用外)となりますが、お一人おひとりの体質に合わせた細やかな処方が可能です。
A. はい、LINEやお電話でのご相談も承っております。遠方の方もお気軽にご連絡ください。
A. まれに消失に近い状態まで改善されるケースはありますが、漢方薬の主な効果は症状の改善と体質改善です。子宮筋腫の大きさ自体が変化しなくても、貧血や生理痛が改善し、生活の質が大きく向上されるケースが多くあります。
A. いいえ。桂枝茯苓丸は比較的体力があり、のぼせや冷えが混在するタイプの方に適した処方です。体力が落ちている方や貧血が強い方には別の処方が適しています。漢方は体質に合ったものを選ぶことが何より大切ですので、専門家にご相談ください。
漢方では子宮筋腫を小さくするだけでなく、貧血、過多月経、生理痛など筋腫に伴うつらい症状を改善し、筋腫ができにくい体質に整えていくことを目指します。
「病院の薬だけでは不安」「手術をする前に漢方を試してみたい」「妊活しながら筋腫のケアもしたい」――そんな方は、ぜひ一度ご相談ください。
当薬局では、薬剤師が130種類以上の生薬のなかから、あなたの体質と症状に合わせた漢方薬をお作りしています。
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