漢方薬の煎じ方

 この記事を書いた人

・灯心堂漢方薬局 薬局長
・薬剤師歴10年以上

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西山光です
目次

使用するもの

・煎じる際は、土瓶、耐熱ガラス、アルマイト、ステンテス、ホーロー、アルミのやかんや鍋を用いてください。

・鉄製のものは生薬成分と鉄分でキレートを形成し、効力が弱くなる恐れがあります。

・吹きこぼれを防ぐために大きな容器でフタをせずに煎じてください。泡立つ生薬もあります。

・水は水道水、飲料水の軟水を用いてください。硬水はミネラルが多く、生薬成分とキレートを形成し、効力が弱まる恐れがあります。

煎じ方

・水から煎じ、沸騰後とろ火で30~40分煎じます。(水の量は購入の際に説明させていただきます。)

・30~40分煎じた後、生薬を取り出した残りが200mL~300mLが1日分になります。

・時間が短すぎると成分が抽出されにくくなります。

・生薬をティーバッグに入れたまま煎じてもいいですし、袋を破って煎じていただいても構いません。

理想としては袋を破っていただいた方がいいです。生薬と水が接する面積も増え、生薬も鍋の中で動き、抽出しやすくなると考えられます。

最後に茶こし・ざるでこす作業が負担になるときはティーバッグで煎じてください。

・ご家庭によって火力の強さも異なるため、煎じている最中に水の減りが早いと感じたときは水(可能であればお湯)を足して量を調整してください。

・出来上がりの量が多い場合はもう少し煮詰めて蒸発させてください。

・量が少ない場合は取り出した生薬に不足分の水を加え3分ほど沸騰させ、煎じ薬に加えてください。

・抽出した成分が生薬に再吸着しないように、煎じ終わったら温かいうちに生薬を取り出してください。

・焦がしてしまった場合は廃棄してください。

飲み方

・1日分(約200~300mL)を2~3等分して毎食前か毎食間に服用します。

・人肌程度に温めて服用してください。レンジも使用可能です。

・防腐剤などは入っていないため、残った分は冷蔵庫で保管し、24時間以内に服用してください。

夜に煎じて、その日の晩の分を服用し、残りを冷蔵庫に入れ、翌朝・昼に服用される方が多いです。

・湯薬中の沈殿物は服用しても問題ありません。沈殿物にも生薬の成分は抽出されています。

・どうしても味が飲みにくい場合は蜂蜜などを入れて味を調整しても構いません。

保管

・生薬パックは湿度が低く、涼しい場所で保管してください。冷蔵庫に保管しても結構です。

・冷蔵庫の野菜室は湿度が高いため、避けるようにしてください。 

患者様の状態によって同じ処方でも味や香りの感じ方が変化します。

また天然物であるため生薬のロットが変わると色や風味が変化する場合もあります。

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