この記事を書いた人
・灯心堂漢方薬局 薬局長
・薬剤師歴10年以上
・店舗のLINE登録者数1000人以上
・漢方を通して、皆様が少しでも健康に過ごせる手助けをできればと思います。>>プロフィール記事はこちら
西山光です

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卵巣嚢腫でお悩みではないですか?
卵巣が腫れているといわれたことはないですか?
漢方の目線での卵巣嚢腫の考え方について解説しています。
卵巣嚢腫は卵巣に水などの成分が溜まっている状態。
漢方では多くは痰湿が原因だが、さらに掘り下げて考えると気滞、気虚、腎虚が関係している。
漢方では痰湿を取りつつ、同時に体質を改善していく必要がある。
この記事を読んでわかること
・卵巣嚢腫とは
・おすすめの食べ物
・漢方の考え方
漢方をうまく取り入れて、いつも通りに生活を送れるようになればと思います。
卵巣嚢腫とは、卵巣内に液体が溜まる疾患のことです。卵巣嚢胞、卵巣腫瘍ともいわれます。
90%は良性といわれています。
良性のものが多いのですが、卵巣嚢腫が大きくなると、ほかの臓器を圧迫したり、卵巣が捻転しやすくなる危険性があります。
卵巣内に液体が溜まることもありますし、皮膚組織・毛髪などの成分を含むこともあり、子宮内膜を含むこともあり、溜まるものによって分類が分かれます。
・漿液性嚢胞腺腫:卵巣にサラサラした液体が溜まる。
・粘液性嚢胞腺腫:卵巣にドロドロとした液体が溜まる。
・成熟嚢胞性奇形腫:卵巣に皮膚組織、毛髪、骨などの成分が溜まる。
・チョコレート嚢胞:卵巣で子宮内膜が増殖する。子宮内膜症の1つ。
卵巣嚢腫については、youtubeのとら先生🐯産婦人科医様の動画が大変わかりやすいです。こちらの動画を参考にして、病院の受診をおすすめします。
卵巣嚢腫は女性の5%~7%程度の方にみられるといわれています。
卵巣嚢腫は初期には自覚症状はあまりなく、大きくなるとお腹の張り感、腰痛、便秘などがみられることがあります。
卵巣嚢腫のなかでもチョコレート嚢胞の場合は強い生理痛を感じることもあります。
・自覚症状は少ない
・お腹の張り
・腰痛
・便秘
・生理痛(チョコレート嚢胞)
なぜ卵巣嚢腫になるのか、原因はわかっていません。
チョコレート嚢胞については月経血が逆流する、「月経逆流説」が有力といわれています。
卵巣嚢腫の治療としては、チョコレート嚢胞は薬物治療などが選択されることもありますが、そのほかの卵巣嚢腫は大きさによっては手術で腫瘍を摘出する場合もあります。
卵巣嚢腫は卵巣内に液体が溜まる症状からも、漢方では痰湿が原因といえます。
さらに、なぜ痰湿が溜まるのか原因を掘り下げて、考える必要があります。
痰湿を引き起こす要因として、気滞、気虚、腎虚があります。
卵巣嚢腫のなかでも、チョコレート嚢胞については瘀血が原因です。
「気滞」は気の巡りが悪く、停滞しやすい体質のことです。気滞があることで、水のめぐりが悪くなり、水が溜まっていく原因になります。
・イライラしやすい
・生理前に胸が張る
・ストレスを溜めやすい
「気虚」があると、余分な水を排出するための元気がなくなり、ヌメリが溜まっていきます。
・つかれやすい
・軟便になりやすい
・胃腸の不調がある
「腎虚」とは、生命力の源と考えられ、加齢とともに弱っていきます。腎虚の体質があることで、水をめぐらせる元気がなくなり、痰湿となります。
・トイレが近い
・腰が痛む
・足が冷える
漢方では血の巡りが悪い状態と瘀血(おけつ)といいます。血のめぐりの悪さから異物となることでチョコレート嚢胞となります。
卵巣嚢腫の原因の多くは漢方では痰湿です。さらに掘り下げて考えると、痰湿をつくりやすい体質に気滞、気虚、腎虚があります。
実際に漢方で対応するなら、卵巣嚢腫に溜まっているヌメリを追い出していきます。
それにあわせて、痰湿の原因となる気滞、気虚、腎虚に対する漢方薬をつかっていきます。
おすすめの食べ物はハトムギです。ハトムギには身体のヌメリをとる働きがあります。
痰湿というヌメリが溜まることで卵巣嚢腫になるので、痰湿をためやすい食べ物は避けてください。
小麦、乳製品、脂っこいもの、味の濃いものは痰湿をため込みやすいので、避けるようにしてください。
水の飲みすぎも痰湿の元です。のどが乾いたら適度に水分摂取してください。
辛いものを食べ過ぎることで水が煮詰まっていき、痰湿になります。適度に辛いものを食べるのはいいですが、辛いものの食べ過ぎは良くありません。何事も適度な量を食べるようにしてください。
20代後半女性。不妊の相談。病院でエコーをみてもらうと、いつも卵巣が腫れていると指摘される。人工授精も5回ほどしているか、妊娠しない。卵巣の腫れと妊活で相談したい。
卵巣嚢腫までは言われていないのですが、卵巣が腫れていると毎回指摘され、人工授精を何度もトライしても妊娠しない状況でご相談に来られました。
この方の場合は舌の苔が厚く、舌先に赤みがあり、痰湿が溜まっている傾向がありました。そこで痰湿というヌメリを追い出す漢方薬を服用していただきました。
半年後、病院に受診されたときは卵巣の腫れがなくなったと言われたとのことです。
さらに、その半年後には無事に妊娠することができました。
痰湿がたまっていることで、卵巣の腫れにつながり、不妊の原因になっていたと考えられます。
卵巣嚢腫、卵巣の腫れでお悩みの方はぜひご相談くださいませ。