柴陥湯の使い方と合わない人の特徴

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西山光です
質問

・柴陥湯はどういうときに服用したらいいの?
・合わない人っているの?

このようなお悩みに漢方薬局の薬剤師がお答えします。

 この記事を読んでわかること
・柴陥湯の効能効果
・柴陥湯の構成生薬

・合う人、合わない人
・副作用、長期服用について

目次

柴陥湯の効能効果

 柴陥湯は強い咳と胸痛があるときによく使用されます。

体力中等度以上で、ときに脇腹(腹)からみぞおちにかけて苦しく、食欲不振で口が苦く、舌に白苔がつき、強いせきが出てたんが切れにくく、ときに胸痛があるものの次の諸症:せき、胸痛、気管支炎

柴陥湯の効能効果(薬局製剤)

柴陥湯の効能効果はメーカーによっても異なるので、ご購入の際はしっかりパッケージを確認してください。

柴陥湯の効能効果を大きく分けると、胸痛を抑える働きと、咳・気管支炎を抑える働きがあります。

柴陥湯の胸痛への働き

柴陥湯の効能効果に「胸痛があるもの」「胸痛」と記載があるように、咳き込んで胸が痛むときに効能効果があります。

胸に痰の詰まりがあることで胸痛・咳を引き起こします。

柴陥湯の栝楼仁が胸の詰まりをとり、激しい咳、脇痛を鎮めてくれます。

柴陥湯は胸の詰まりを取ることで、激しい咳、脇痛に効能効果があります。

柴陥湯の咳への働き

柴陥湯の効能効果に「強いせきが出て「せき」「気管支炎」とあるように咳に効能効果があります。

柴陥湯の半夏・栝楼仁の組み合わせにて激しい咳を抑えてくれます。

柴陥湯に入っている生薬・成分

 柴陥湯には咳を抑える生薬と邪を追い出す生薬、炎症を抑える生薬が入っています。

抑肝散には9種類の生薬が入っています。

柴胡・半夏・黄芩・大棗・人参・甘草・生姜・黄連・栝楼仁が入っています。

柴陥湯に入っている生薬を働き別にまとめてみました。

・胸痛をとる:栝楼仁
・痰をとり、咳を抑える:栝楼仁・半夏
・炎症を抑える:黄芩・黄連
・邪を追い出す:柴胡
・気を補う:人参・甘草・生姜・大棗

胸痛をとる生薬

柴陥湯に入っている栝楼仁が胸痛を抑えてくれます。

栝楼仁(かろにん)が胸痛の原因となる詰まりをとり、利気寛胸します。

栝楼仁(かろにん)。カラスウリの種子。

栝楼仁が入っていることが、柴陥湯の最大の特徴です。

ただし栝楼仁には独特のえぐみがあり、柴陥湯の味はとてもおいしくないです。

痰をとり、咳を抑える生薬

柴陥湯の栝楼仁・半夏が去痰に働き、強い咳を抑えてくれます。

半夏(はんげ)。痰をとり、咳を抑える。

柴陥湯の半夏・栝楼仁にて咳を緩和してくれます。

炎症を抑える生薬

柴陥湯の山梔子・黄芩が炎症を抑える働きがあります。

柴陥湯には炎症を抑える働きがあるため、気管支”炎”にも効能効果があります。

邪を追い出す働き

柴陥湯の柴胡は、感染症の邪を追い出す働きがあります。

カゼのひきはじめといえば葛根湯が有名ですが、柴胡の入った小柴胡湯という漢方薬もカゼによく使用します。

柴胡(さいこ)。柴胡は邪を追い出す働きがあり、カゼなどの感染症によく使用される生薬の1つです。

柴陥湯の柴胡が邪を追い出す働きがあり、感染による胸痛、咳にも使用することができます。

気を補う生薬

柴陥湯の人参・生姜・大棗・甘草は気を補う働きがあります。

感染症が進行して、これ以上裏に進行しないように人参が食い止めてくれます。

生薬のまとめ

柴陥湯は栝楼仁が重要で、胸痛を緩和しつつ、半夏とともに咳を抑えます。

柴陥湯には炎症を抑える働きがあり、また感染症の邪を追い出す働きもあります。

柴陥湯の構成

柴陥湯は小柴胡湯と小陥胸という2種類の漢方薬があわさった構成になっています。

柴陥湯=小胡湯+小胸湯

一般的には知られていませんが、小柴胡湯はカゼ薬として有名な漢方薬です。小柴胡湯が邪を追い出します。

小陥胸湯は半夏、栝楼仁、黄連から構成される漢方薬です。小陥胸湯は元々は『傷寒論』に記載のある漢方薬で、胸を按じると痛むときに使用しています。

感染症につかう小柴胡湯と、脇痛につかう柴陥湯があわさることで、激しい咳、胸痛、気管支炎に効能効果を発揮します。

柴陥湯が合う人・合わない人

体力中等度以上で、ときに脇腹(腹)からみぞおちにかけて苦しく、食欲不振で口が苦く、舌に白苔がつき、強いせきが出てたんが切れにくく、ときに胸痛があるものの次の諸症:せき、胸痛、気管支炎

・体力中等度以上
・強い咳がでる
・たんが切れにくい
・胸痛がある
・気管支炎

 柴陥湯は胸の詰まりをほぐし、邪を追い出すことで強い咳、胸痛に適しています。

柴陥湯は咳喘息のように激しい咳がでて、胸痛がみられるときによく使用されます。

喘息のような咳のときは麻杏甘石湯が気管支のむくみをとってくれます。

胸痛がでるほど咳が強くない場合は柴朴湯などの別の漢方薬が適しています。

空咳、粘る痰があるときは潤すタイプの滋陰降火湯が適しています。

「柴陥湯が効かない」という経験をされた方もいらっしゃると思います。柴陥湯が効かない理由としては、咳の原因が気管支のむくみであったり、痰の乾きが強いことが考えられます。

合う人合わない人
・激しい咳
・胸痛までもでてきた
・気管支のむくみの咳
・痰の乾きが強いとき
柴陥湯が合う人・合わない人

柴陥湯と麦門冬湯の違い

柴陥湯と麦門冬湯の大きな違いは邪を追い出す働きがあるか、どうかです。

柴陥湯には柴胡が入り、カゼなどの感染症の邪を追い出す働きがあります。

麦門冬湯には潤す生薬は多く入っていますが、邪を追い出す働きがありません。

カゼのときや、カゼが治りきらずに激しい咳、胸痛があるときは柴陥湯が適しています。

カゼもほぼ治り、空咳だけがあるときは麦門冬湯が適しています。

柴陥湯と五虎湯の違い

柴陥湯と五虎湯の違いは咳の仕方です。

喘息は気管支のむくみから息苦しくなります。喘息では「ヒューヒュー」という音が聞こえます。「ヒューヒュー」いう咳・痰には五虎湯が適しています。

「ヒューヒュー」言わない激しい咳で、胸痛もみられるときは柴陥湯が適しています。

柴陥湯と柴朴湯の違い

柴陥湯と柴朴湯は構成もかなり似ている漢方薬です。柴陥湯と柴朴湯の違いは、胸痛があるとかどうか、です。

胸痛があって、咳があるときは柴陥湯、胸痛がなく、咳があるときは柴朴湯が適しています。

柴陥湯の副作用、長期服用の注意点

副作用

抑肝散の副作用としては、皮膚(発疹・発赤、かゆみ)、偽アルドステロン・ミオパチー(けん怠感、筋肉痛)、肝機能障害(発熱、かゆみ、けん怠感、黄疸)などがみらるこことがあります。

これらの症状があらわれた場合は、副作用の可能性があるので、直ちに服用を中止し、医師又は薬剤師に相談をしてください。

柴陥湯の長期服用について

漢方の長期服用にてよく問題になるのが、甘草です。

甘草を多くとっていると副作用が生じやすくなります。

メーカーにもよりますが、一般的に抑肝散に含まれる甘草の量は2.0gです。

甘草の2.0gというのは多くないため、長期服用しやすい漢方薬です。しかし、ほかの漢方薬を併用したり、ご年配の方では副作用がでたりすることがあります。

手足の脱力感、筋肉痛、しびれがみられるようになったときは甘草による副作用の可能性があります。

そのような症状がみられた場合は直ちに服用を中止してください。

ただし柴陥湯は咳を抑える漢方薬ですので、長期服用することは少ないと考えられます。

柴陥湯のまとめ★

・柴陥湯は体力中等度以上で、激しい咳、胸痛に使用されます。

・柴陥湯は胸の詰まり、咳を抑える生薬が重要な役割を担っています。

・柴陥湯には感染症の邪を追い出す働きがあり、炎症を抑える働きもあり、気管支炎にも効能効果があります。

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