妊娠しやすい体づくりと漢方の役割【妊活初心者向け】

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・灯心堂漢方薬局 薬局長
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・漢方を通して、皆様が少しでも健康に過ごせる手助けをできればと思います。>>プロフィール記事はこちら

西山光です

妊活を続けているけれど、なかなか結果が出ない、という方に向けて、ブログを書きました。

妊活はストレスや体質、生活リズムなど、多くの要因が関係しています。

「自然な力で体を整える方法」として、漢方の考え方を知っていただけたらと思います。

目次

はじめに

妊活 漢方

まずはじめにお伝えすることとしては、妊活で悩まれている方は不妊専門の病院に受診し、原因を調べることが重要です。

不妊の原因はさまざまでホルモンの問題、子宮内膜症などの基礎疾患、卵管の通りが悪いなど原因は多種多様です。

原因がわかることで、漢方で原因に対処できることが増えていきます。

病院での不妊治療と漢方は併用できるのか?

病院の先生と相談していただくことになりますが、不妊治療と漢方は併用できます。実際、併用している方も多いです。

当店では、不妊治療の病院に通われても妊娠しなかったが、漢方薬を併用しはじめたことで、妊娠がうまくいっていることも多いです

\妊娠のご報告がありました/

妊活と漢方の関係とは?

漢方において、「気・血・水」の考え方と、「肝・心・脾・肺・腎」の五臓の考えがあります。

妊活に必要な気・血・水

気

気があることで体の機能を正常に働かせる。気の働きで元気に過ごすことができ、食べ物を消化吸収することができる。気が不足すると、妊娠しにくくなる。

血

血が爪・肌・髪・筋肉・組織に栄養を与え、潤す。妊活では、血が充実することで生理が順調になり、妊娠しやすくなる。血が不足したり、めぐりが悪くなると妊娠しづらくなる。

水

水が粘膜、内臓に適切な潤いをもたらす。妊活では、水があることで体温を適切に維持することができる。水は多いとむくみの原因になり、多くても、少なくても不妊の要因になる。

気・血・水のまとめ

・気虚→元気がない、胃腸が弱い

・気滞→自律神経の不調。イライラ、不安。

・血虚→栄養不足。生理の乱れ、肌の乾燥。

・瘀血→血の巡りが悪い。生理痛、血の塊。

・陰虚→潤い不足。基礎体温が高い。

・痰湿→ヌメリが溜まる。舌の苔が厚い。

妊活に必要な五臓の考え方

五臓とは、肝・心・脾・肺・腎のことです。

とくに妊活で重要になるのが、肝・脾・心・腎です。

脾

漢方での「脾」は消化吸収の働き全般のことを言います。

漢方での「脾」は広い意味で、胃・十二指腸・膵臓・小腸・大腸を含めます。

「脾」の消化吸収する働きは身体の土台となり、妊活を考えるうえでとても重要です。

□脾虚の症状
・食欲不振
・消化不良
・胃もたれ
・下痢しやすい
・皮下出血しやすい

肝

漢方での「肝」は血を蓄える働きと、気をめぐらせる働きがあります。

肝は蔵血の臓腑であり、血の量と関係があります。

肝血が少なければ、生理不順、不妊の原因となります。

肝の気の巡りが悪いと、イライラ、不安になりやすくなり、生理前のPMSで胸の張りがでやすくなります。

□肝血虚
・肌、爪、髪が乾燥しやすい
・不安になりやすい
・生理血が薄い

□肝鬱気滞
・いらいらしやすい
・抑うつになりやすい
・生理前に胸が張りやすい

心

漢方での「心」は君主之官であり、神を蔵し、脳は神の府と考えられています。

つまり脳内でのホルモンの働き、排卵の指令を出すことなどは心の領域になります。

また心には下降の働きがあり、子宮に溜まるいらないものを出す方向に助けます。

腎は蔵として、蓄える働きがあり、心のいらないものを出す働きと腎の必要なものを保持する働きのバランスによって、生理・妊娠の働きをコントロールしています。

漢方 腎

「腎」は生命力の源として、精を蔵します。

「腎」は生命力の源であるため、子供が成長していくのは「腎」の働きが活発になっており、反対に加齢によって衰えていくのは「腎」が弱っていっているといえます。

女性の身体は28歳がピークで、それを越すと腎虚の症状が少しずつあらわれやすくなります。

妊活という生殖活動において、腎の働きは極めて重要です。

□腎虚の症状
・若い時より元気がなくなってきている
・生理のときに腰が痛くなる
・頻尿
・軟便になりやすい
・冷え性

五臓のまとめ

五臓のまとめ

・脾→消化吸収の働き。弱ると、胃腸の調子が悪くなる。

・肝→血を蓄え、気を巡らせる働き。弱ると、生理がスムーズにいかなくなる。

・腎→精を宿す。妊娠するという精力の低下に関係する。

生理周期の考え方

漢方 妊活 生理周期
漢方 妊活 生理周期

生理周期

生理周期は一般的には25~38日で、月経期(生理)→卵胞期(低温期)→排卵期→黄体期(高温期)とめぐっていきます。

月経期:いわゆる生理のときで、卵胞ホルモン・黄体ホルモンが低下し、子宮内膜が剥がれ落ち、血液と一緒に体外に排出されます。生理痛で悩まれる方が多いです。

卵胞期(低温期):卵胞刺激ホルモン(FSH)によって卵巣にある卵が発育し、それに伴い卵胞ホルモン(エストロゲン)が分泌され、子宮内膜が厚くなっていきます。低温期。

排卵期:卵胞ホルモン(エストロゲン)がピークになると、黄体化ホルモン(LH)が分泌され、卵子が飛び出し、排卵となります。排卵期に向けて、おりもおが増えてきます。

黄体期(高温期):卵胞から黄体に変化し、黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌されます。受精しやすいように子宮内膜が軟らかくなります。高温期は卵胞期に比べると体温が0.3~0.5度ほど上昇します。黄体期の後半からイライラ、不安、胸の張りなどのPMSの症状がみられる方がいらっしゃいます。

次に漢方での生理周期と、そのときに必要な対応をまとめていきます。

漢方での生理周期の考え方

月経期(生理のとき)

漢方 月経期

生理は新しい周期の始まりです。

月経期は古い血を出し、新しい環境をつくりだすタイミングです。

そのため、古い血が残っていると、新しい環境を生み出すのに支障がでます。

古い血をしっかり出し切ることで、新しく身体が整っていきます。

出血が1,2日で終わり、3日目にはほぼ終わっている方や、生理血を出し切れていないような感じがある方は血をめぐらせる必要があります。

食べものとしては、ヨモギ、べにばななどがおすすめです。

月経期は漢方ではしっかり血を巡らせ、新しい環境をつくる重要なタイミングと考える。

低温期(卵胞期)

低温期ー漢方

漢方での低温期(卵胞)の考えは、陰血を補うことが重要です。とくに生理後は出血し、血を消耗している状態です。

生理後に血を消耗しているときにはしっかりと血を補ってあげる必要があります。

身体の潤いとなる陰や、血を補うことで、低温期は安定しやすくなりま

反対に低温期が高くなりやすい方は陰血が不足していると考えられます。

排卵期

卵子ー漢方

排卵期は卵子が卵胞の壁を破り、卵子が腹腔内へ飛び出します。

痰湿というヌメリが多かったり、瘀血があると、卵子が飛び出すのを邪魔してしまいます。

また気滞、肝鬱があり、肝の気の巡りがスムーズに流れていなければ、細かい動きをコントロールできず、排卵に影響を及ぼします。

衝任脈での血が不足していると、排卵に向けての気血の活動が低下してしまいます。

総じて排卵はたくさんの要因から成りなっており、悪いものは出し、足りないものを補い、身体が整うことで正常な排卵につながります。

体温も低温期から一瞬だけ下がり、その後高温期になります。

高温期(黄体期)

高温期ー漢方
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高温期では気血の働きが活発になる時期です。

気血の働きが盛んのため、体温は上昇し、高温期になります。

体温が高くなるように、漢方では陽気が活発になっていると考えられます。

身体を温める気(陽気)が不足すると、体温は上昇しづらくなります。

脾や腎、衝任の働きが弱っていても、十分に身体を温めることができなくなります。

高温期の後半、生理の前になると、盛んになった気のめぐりの影響を受けて、イライラしたり、胸が張ったりなどのPMSの症状がみられやすくなります。

この時期の対応としては、陽気を補い、温め、補腎などを中心にします。

生理周期のまとめ

生理周期のまとめ

・月経期→古い血をしっかり出すことで、新しい環境をつくる重要なタイミング。

・低温期→血・陰のタイミング。血・陰が不足していると、体温が下がらなくなる。

・排卵期→気滞・瘀血・痰湿など排卵の邪魔するものがあると、排卵がスムーズにいかない。

・高温期→着床のために、体を温める陽気を必要とする時期。脾虚、腎虚、陽虚があると、体温を維持できない。

漢方で考える基礎体温の変化

基礎体温ー漢方

漢方では基礎体温を重視しています。基礎体温がわかることで、より詳しく体質を知ることができます。

基礎体温の理想的な形

基礎体温ー漢方-考え方

一般的には基礎体温は排卵日を知るためといわれていますが、漢方の考えでは体質を知るために基礎体温の情報は重要です。

理想的な基礎体温としては、低温期と高温期で二相性になっている必要があります。低温期と高温期での移行のとき以外は、体温が大きくジグザスせず、安定していることも重要です。

基礎体温の流れとしては、高温期がつづき、生理がくると、1日、2日で急激に体温が下がり、低温期に入ります。

低温期はだいたい36度5分以下で、できるだけ安定し、排卵時に一時的に基礎体温が下がります。

その後、1日、2日で0.3~0.5度ほど急激に体温が上昇し、高温期に入ります。

妊活の上では高温期を12日~14日ほど維持することも大切になります。

高温期が2週間ほどつづき、生理がくると、1日、2日程度で体温が下がり、低温期になります。

漢方での基礎体温のポイント

・低温期と高温期で二相性になっている
・低温期は36度5分以下で安定している
・低温期から高温期へは1日、2日以内に上昇する
・高温期は、低温期より0.3~0.5度ほど高く、12日~14日ほど維持する
・生理がきて、高温期から低温期へ移行するときに、1日、2日間体温が低下する

排卵の目安

排卵日の目安としては、低温期から高温期へは移行するときに、カクッと体温が下がり、そのタイミングが排卵の予測日です。

あくまでも予測日であり、実際にはずれていることもあるようです。

または排卵検査薬を使用するか、病院にて超音波検査にて排卵日を特定することもできます。

実は、最も妊娠しやすいタイミングは排卵日ではありません!

実は排卵日の2日前が一番妊娠しやすいという研究があります。

排卵日にセックスしても妊娠はしますが、可能性として高いのは排卵日の2日前の方がいいです。

また排卵日当日よりも、排卵日の4日前の方がまだ可能性が高いです。

タイミングの目安としては、排卵日の2~4日前が可能性が高いので、排卵日の予測から4日前から排卵日まで数回タイミングをとることをおすすめいたします。

排卵日の予測を知るためにも、基礎体温を知ることは重要です。

基礎体温の測り方

漢方ー基礎体温ー測定

基礎体温には大きく2種類あります。

数分間かけて測定する実測式と数十秒で測れる予測式です。

理想をいえば、数分かけて測定する実測式がおすすめです。

しかし朝の数分間は貴重だと思いますので、実測式が難しければ、予測式でもやむを得ないと思います。

ただし予測式のなかでも測定時間の長いものがおすすめです。

予測式のなかでも10秒で測定できるものと、30秒で測定できるものとでは、時間が長い方が実測値に近づくといわれています。

基礎体温はかなり繊細なので、毎日同じ時間に測定してください。起床して動いただけでも体温は変化するので、起きてすぐに、動かないようにして測定してください。

起床してすぐに測れるように基礎体温計は枕元においてください。

舌の裏に当てて、口をしっかり閉じて測定してください。

しっかり小数点第二までスマホでも紙でも記録してください。

□基礎体温の測り方
・理想は数分かけて測定する実測式
・予測式の場合でもできるだけ測定時間の長いものを選ぶ
・毎朝同じ時間
・起きてすぐに!
・測定後は小数点第二位まで記録する

基礎体温からわかる漢方の体質

基礎体温から漢方の体質を知ることができます。

高温期・低温期の考え方

高温期の漢方での考え方

高温期は基礎体温が高くなります。

体温が高いということは漢方では、陽気が活発になっています

陽気が充足していれば高温期を維持できますし、陽気が不足していると高温期を維持できません。

低温期の漢方での考え

低温期は基礎体温が低くなります。体温が高くないということは、陽気の働きが活発ではありません。

低温期は身体を適切に潤し、冷やす働きの陰血が活発になります。

低温期ではしっかり陰血を補うことで、基礎体温を維持し、また妊娠に重要な血を補充します。

陰血が不足していると、体温を低くできないため、体温が上がりやすくなります。

基礎体温の特徴から体質を判断する

漢方での基礎体温の考え方

低温期がさらに低いとき

低温期の体温が低い方は身体を温める陽気の働きがよわった陽虚、もしくは陰陽両虚の体質の可能性があります。

低温期が高いとき

低温期が36度5分を超えることが多いときは、身体を潤し、冷やす働きが弱っている、陰虚の体質の可能性があります。

高温期が低いとき

低温期から高温期へは0.3度~0.5度上昇するのが理想です。

その上がる温度の幅が狭いときや、高温期でも36.7度を超えてこないときは陽虚や気滞の体質の可能性があります。

高温期が短いとき

理想的な高温期としては、12日~14日ほど続くことです。

10日くらいで高温期を維持できず、体温が下がり始めるときは陽虚、陰陽両虚、血虚などの体質が考えられます。

高温期がジグザグするとき

高温期になっても、温度がジグザグし、大きく波打つって、安定しないことがあります。

高温期が全体的に波打って、安定しないときは陽虚、陰陽両虚、肝鬱化火の体質が考えられます。

高温期の中間が温度が下がるとき

高温期の中間のところがU字のようにさがってくるときは脾腎両虚の可能性があります。

高温期への上昇が緩やかとき

低温期から高温期への移行は、1日、2日以内、遅くても3日以内に体温が上昇する必要があります。

低温期と高温期では0.3度~0.5度ほど上昇します。

高温期への移行に3日以上かかる場合は、陽虚、陰陽両虚の可能性があります。

高温期から低温期への下降が緩やか

高温期から、生理が来ると、低温期へ1,2日以内に移行します。

高温期から低温期への体温の下降が3日以上かかる場合は、気虚、脾腎両虚、気滞の体質が考えられます。

漢方での基礎体温の見方

・低温期がさらに低い→陽虚
・低温期が高い、下がりきらない→陰虚
・高温期が低い、上りきらない→陽虚、気滞
・高温期が短い→陽虚、陰陽両虚、血虚など
・高温期の上昇が緩やか、上がりきるのに時間がかかる→陽虚、陰陽両虚

・高温期から低温期へすぐに下がらない→気虚、脾腎両虚、気滞など

舌から体質を考える

舌の色

・舌が赤い→熱がこもっている
・舌が赤く、割れている→陰虚熱
・舌が淡い色→気血虚
・舌が紫色、黒い点がある→瘀血

舌の苔

舌の苔は身体の水分量と関係しています。苔が厚いと水が溜まっており、苔が少ないと水分不足になります。

・苔が薄く、乾燥している→潤いが少ない陰虚
・苔が厚い→ヌメリがたまっている痰湿
・とくに舌の中央の苔が厚い→脾胃に痰湿がたまっている
・苔が厚く、黄色い→湿熱
・苔が白く厚い→寒湿あるいは陽虚痰湿

経血から体質を考える

瘀血の色

・経血量が多く、色が紅く、粘稠で小さな血の塊がある→血熱
・経血量が多く、色が暗い色、比較的大きな血の塊がある→瘀血
・経血量が多く、色は薄く、さらっとしている→気虚
・経血量が少なく、色が暗く、血の塊がある→気滞血瘀
・経血量が少なく、色が薄く、さらっとしている→血虚
・経血量が少なく、色が淡く暗い色で、さらっとしている→陽虚

おりものから体質を考える

おりものー漢方

一般的なおりものとしては、透明か白色で、排卵期に向かうにつれて増えていくのが理想的です。

・おりものの量が多く、白く、さらっとしている→陽虚、気虚
・おりものの量が多く、白く、ねばねばしている→陽虚痰湿
・おりものの量が多く、黄色く、ねばねばしている→湿熱
・おりものがほとんどみられず、膣が乾燥し、皮膚も乾燥している→陰虚、水不足

生理周期、生理量から妊活の体質を考える

生理周期、生理量からでも体質を判断することができます。

生理痛と妊活

漢方では生理痛があるといっても、いくつかの体質が考えられます。

生理痛があるときは、腎虚、瘀血、気滞、冷えの体質が考えられます。これらの体質があることで、生理痛だけでなく、妊娠もしづらくなります。

妊活で漢方薬を服用していただくと、妊娠までの過程で、ほとんどの方が生理痛が楽になっていきます。

反対に、生理痛があるということは体質で何か悪いところがあります。

生理周期が早くなりやすい

生理周期は25~38日が一般的です。生理周期が25日よりも短いときは頻発月経といわれます。

生理周期が早くなりやすい体質
・熱がこもっている体質
・気滞
・陰虚
・気虚
・瘀血

生理周期が遅れやすい

生理周期は25~38日が一般的です。生理周期が38日よりも遅いと、生理周期が遅れているといえます。

生理周期が遅れやすい方に多い体質
・血虚
・冷え
・気滞
・痰湿

生理周期が不安定

生理周期が早くなったり、遅くなったりする方。

生理周期が不安定な方の体質
・気滞
・腎虚
・脾虚

生理が3か月以上来ていない

生理が来ないのは、身体がに傾いていることがあります。

生理が3か月以上来ていない方の体質
・血虚
・気滞
・瘀血
・冷え
・痰湿

生理出血が7日以上続く

生理のときの出血が7日以上つづくときは体質に何か原因があるかもしれません。

生理出血が7日以上続く方の体質
・瘀血
・腎虚
・湿熱

出血の量が多い

出血の量が多いこともいいことではありません。場合によっては、子宮筋腫、子宮内膜症などでも出血が多くなりやすくなります。

出血量が多い方の体質
・瘀血
・気滞
・気虚

出血の量が少ない

生理の出血が1,2日で終わり、3日にはほぼ出血しなくなる方は出血が少なすぎると考えられます。

生理は古い血を出し、新しい環境をつくるタイミングです。

出血量が少なく、古い血をしっかり出し切れていないのであれば、新しい環境をつくるのに悪い影響があります。

出血量が少ない方の体質
・血虚
・気滞
・冷え
・痰湿

膜状の生理血

生理血に膜状のものがみられるときがあります。剥がれた子宮内膜が膜状の塊となってでていると考えられます。

腎虚や脾虚によって、気血のめぐりが弱くなり、膜状の塊になっていることもあれば、気滞から気血のめぐりが悪くなり、膜状の塊のままになっていると考えられます。

腎虚・脾虚、もしくは気滞でも原因としては瘀血によって巡りの悪くなっていることが原因です。

子宮内膜症と妊活

子宮内膜症ー漢方

子宮内膜も妊活の妨げになることがありますが、妊娠することはできます。

子宮内膜症がある方に多い体質として、腎虚と瘀血があわさっていることが多いです。気滞、痰湿が合わさることもあります。

子宮内膜症の位置や大きさの問題でドクターから手術をおすすめされている場合があります。その場合は、手術すればすみやかに取り除くことができるため、手術をおすすめしています。

子宮筋腫と妊活

子宮筋腫は部位や大きさによっては妊娠の邪魔にならないものもありますが、妊娠の妨げになる場合もあります。

子宮筋腫は生理痛がひどいことからも瘀血が関与しています。瘀血に腎虚、気滞が合わさることもあります。

高プロラクチン血症

高プロラクチン血症は漢方では気滞が原因と考えられています。

気滞が起こる原因としては、肝血不足にて肝の気の巡りが悪くなっている場合や、ストレスによって期待が生じていることが考えられます。

気滞が生じ、それが熱化すると、身体はその熱を排出しようとします。

通常、気滞の熱を排出と、熱が下降し、多くは生理となってでてきます。

しかし気の鬱滞が強いと、熱が下降せずに、上に逆流し、乳汁となって外にでてきます。

頭痛、めまい、イライラが強い気滞体質の方は気をめぐらせていきます。

また腎虚になり、身体を潤すことができなくなると、相対的に熱が強くなります。腎虚が原因の場合は、ほてりなどがみられ、腎を潤すことが必要です。

多嚢胞性卵巣と妊活

多嚢胞性卵巣ー妊活

漢方では多嚢胞性卵巣は痰湿というヌメリが溜まっている状態と考えられます。

痰湿を追い出すことが中心になりますが、痰湿の要因として腎虚、脾虚が関わってきます。

腎虚と痰湿があるときは、補腎と痰湿を追い出し、脾虚と痰湿があるときは気を補いつつ、痰湿を追い出します。

黄体機能不全と漢方

黄体機能不全は、排卵後の黄体からプロゲステロンが分泌されるのですが、何かの原因で異常になっている状態です。

漢方で考えると、プロゲステロンは高温期に関与し、身体を温めてくれるため、「陽」の働きがあります。

黄体機能不全では、プロゲステロンの陽気の働きが弱っているため、陽虚体質と考えられます。

漢方では陽気を補うことで、黄体機能を元気にしていきます。

卵管の通りが悪い

瘀血や痰瘀互結が通りの邪魔をしています。

免疫性不妊

免疫性不妊は肝腎陰虚陽虚などの体質と考えられています。

食生活・運動と妊活

どの体質の方でも共通していることは、避けるべき食事があります。

避けるべきもの

小麦、乳製品、味の濃いもの、脂っこいものは避けるようにしてください。

漢方では小麦はグルテンを含んで、もちもちしているようにヌメリの原因になりやすいです。

パンよりも白米がおすすめです。

おすすめの食事としては、昔の日本食が理想的です。

その土地、その季節にとれるものには理由があります。昔の日本食のように味のあっさりした、日本の食事が体質として合っています。

気虚

気虚の方はエネルギーが不足し、胃腸が弱っている方が多いです。

激しい運動は避けて、ウォーキングなどの運動がおすすめです。

食べ物としては、優しい甘味のある食べ物の白米、タマゴ、かぼちゃ、ヤマイモ、キャベツ、ショウガなどがおすすめです。

気滞

気滞は身体の気の流れが滞っています。

運動にてしっかり気をめぐらせてください。

食事としては、香りの良いものが気をめぐらせる性質があります。

ジャスミンティー、シソ、レモン、ネギ、セロリなどの香味野菜がおすすめです。

血虚

血虚は肝と関わりが深く、目の使い過ぎはよくありません。

また血虚の方は気虚もあることが多く、運動も激しい運動は向いていません。

黒胡麻、人参、きくらげ、ほうれん草、タマゴ、肉類がおすすめです。

瘀血

瘀血は血の巡りが悪いため、運動が重要です。

しっかり身体を動かして、めぐらせます。

また冷えがあると、血の巡りが悪くなるため、湯船につかるようにしましょう。

食べ物としては、黒酢、たまねぎ、なす、魚、よもぎなどがおすすめです。

陰虚

身体の潤いが不足している状態のため、乾燥はよくありません。

冬場は加湿をして、乾燥しないようにしましょう。

だからとって、水分の取り過ぎもよくありません。

食べもとしては、白菜、頭皮、梨、蓮根、白胡麻、きくらげ、ゆり根などがおすすめです。

痰湿

痰湿は水をため込んでいるため、運動してしっかり汗をかきましょう。

痰湿の方は気虚も一緒にあることが多いため、運動のし過ぎには注意してください。

食べ物としては、冬瓜、大根、海藻類がおすすめです。

腎虚

腎虚の方は血虚の方と似ています。

血は食べ物からも作られ、また腎精からも血はつくられ、血と腎は関係があります。

食べ物としては、赤いもの、黒いものをしっかり食べて、身体に栄養を補っていきましょう。

黒胡麻、人参、きくらげ、ほうれん草、タマゴ、肉類がおすすめです。

妊娠までどれくらい時間がかかるの?

結論としては、かなり時間がかかります。

まず体質を改善していくのに数か月かかります。

排卵される卵胞ですが、実は排卵されるまでに数か月かけて発育したものになります。

体質が改善されても、すぐに卵子や卵胞に反映されるわけではありません。

体質改善に数か月、改善した身体でいい卵をつくるのに数か月かかるため、長期的に地道に続けることが重要です。

妊娠はすぐにすることはありませんが、生理痛がなくなってきたり、身体が元気なったり、むくみがなくなったりなどの自覚症状はみられます。

体調を改善していった結果として、妊娠につながります。

1つずつ不調の原因をとり、体調を改善していくことで妊娠に一歩ずつ近づいていきます。

当店の妊活相談の費用

当店では一人ひとり合った漢方薬をご提案しております。

上記のように不妊の原因は人それぞれです。

しっかりお話をお伺いし、漢方薬をご提案いたします。

複数の漢方薬を併用していただいたり、動物性の生薬を必要とするため安くはありません。

安くありませんが、金額に合うだけの漢方薬をご用意させていただきます。

1日あたり1200円でまずは2週間ほど服用していただき、体調の変化を実感していただければと思います。

30日分まとめての場合は2000円分割引し、30日分で34000円になります。

妊活でお悩みの方はぜひご相談くださいませ。

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