慢性扁桃炎の体質改善に役立つ漢方薬の種類と選び方

 この記事を書いた人

・灯心堂漢方薬局 薬局長
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西山光です
質問

・慢性扁桃炎につかう漢方薬は?
・どう使い分けるの?

何度も繰り返す慢性扁桃炎にお悩みではないですか?

漢方の目線での慢性扁桃炎の考え方について解説しています。

実際の相談事例も記載しているので、参考にしてください。

実際の相談事例もあるので、最後までご覧ください。

結論

慢性扁桃炎は細菌、ウイルス感染が原因ですが、免疫力の低下も関係している。

慢性扁桃炎は漢方では、「炎症を起こしやすい体質」「気虚」が原因と考えられる。

 この記事を読んでわかること
・慢性扁桃炎とは
・おすすめの漢方薬

漢方をうまく取り入れて、いつも通りに生活を送れるようになればと思います。

目次

扁桃腺の働き

扁桃腺は「のどちんこ」の両側にある免疫に関わる組織です。

扁桃腺は口・鼻から入ってくる細菌、ウイルスから身体を守る免疫器官として働いています。

慢性扁桃炎

慢性扁桃炎とは

扁桃炎は急性と慢性に経過するものにわけられます。

急性扁桃炎は高熱が出て、扁桃腺が腫れて、強いのどの痛みを引き起こします。

慢性扁桃炎の場合は、急性扁桃炎ほど高熱は出ませんが、微熱がでて、喉の痛みがあらわれます。

慢性扁桃炎の症状

慢性扁桃炎は扁桃腺を中心とした症状が多くみられます。

・のどの痛み
・のどがイガイガする
・のどに異物感がある
・微熱がでる
・咳がでるときもある

慢性扁桃炎の原因

扁桃炎を引き起こすのは細菌やウイルスですが、慢性的に扁桃腺を繰り返すときには免疫力の低下が原因と考えられています。

・細菌、ウイルス感染
・ストレス
・睡眠不足
・つかれ
・喫煙、飲酒

慢性扁桃炎の漢方での考え方

慢性扁桃炎は漢方では「炎症を起こしやすい体質」と「気虚」が原因です。

慢性扁桃炎を治すには、炎症を起こしやすい体質と気虚を改善する必要があります。

炎症を起こしやすい体質

慢性扁桃炎を治すには「炎症を起こしやすい体質」を改善する必要があります。

「炎症を起こしやすい体質」よって、慢性鼻炎、アトピー、喘息などにつながっていきます。

慢性扁桃炎も同じく、「炎症を起こしやすい体質」が原因です。

「炎症を起こしやすい体質」を改善することで、扁桃炎を起こしにくくなります。

気虚

漢方では「気」は免疫の役割があります。

「気」が充実していることで、バリア機能が働き、感染症にかかりにくくなります。

慢性扁桃炎は免疫力の低下が関係していることを考えると、「気虚」が密接に関係しています。

「気」を補い、虚弱体質を改善することで、慢性扁桃炎の予防につながります。

慢性扁桃炎におすすめの食べ物

唐辛子

慢性扁桃炎に関しては、何を食べるかよりは、まずは何を食べないかが重要になってきます。

「炎症を起こしやすい体質」のため、温性の食べ物ものは避けることをおすすめします。

唐辛子などの香辛料、お酒、味の濃いものは向いていません。食べ物ではありませんが、タバコも熱の性質をもっており、避けた方がいいでしょう。

もし食べ物でおすすめするなら熱を冷ます食べ物がおすすめです。なす、トマト、きゅうり、ゴーヤ、バナナなどが熱を冷まし、慢性扁桃炎の方に適しています。

慢性扁桃炎におすすめの漢方薬

慢性扁桃炎の「炎症を起こしやすい体質」に対して荊芥連翹湯、「虚弱体質」の改善に対して玉屏風散がおすすめです。

慢性扁桃炎の炎症を起こしやすい体質の改善に荊芥連翹湯

荊芥連翹湯の効能効果:「体力中等度以上で、皮膚の色が浅黒く、ときに手足の裏に脂汗をかきやすく腹壁が緊張しているものの次の諸症:蓄膿症(副鼻腔炎)、慢性鼻炎、慢性扁桃炎、にきび」

荊芥連翹湯の効能効果に「慢性扁桃炎」とあるように、慢性扁桃炎によく使用される漢方薬です。

荊芥連翹湯の黄連・黄芩などが炎症を抑え、当帰・芍薬などが血を養うことで、「炎症を起こしやすい体質」を改善していき、慢性扁桃炎に効果を発揮します。

虚弱体質の改善に玉屏風散

玉屏風散の効能効果:「身体虚弱で疲労し易いものの次の諸症:虚弱体質,疲労倦怠感,ねあせ

玉屏風散は慢性扁桃炎に効能効果はありませんが、虚弱体質の改善に効能効果があります。

玉屏風散が虚弱体質を改善することで、結果的に慢性扁桃炎を起こしにくい体質にしていきます。

相談事例

慢性扁桃炎の相談事例1

40代男性。2週間に1回扁桃腺が痛くなり、そこから微熱がでて、寝込んでしまう。病院はいつも抗生剤をもらっている。子どものときから扁桃腺を腫らしやすく、扁桃腺は切除済み。扁桃腺を手術しても、扁桃腺を腫らす回数はあまり変化はなかったとのこと。機能性ディスペプシアで、胃も調子が悪くなりやすい。

この方は胃腸の調子が悪いため、胃腸を建て直すことを中心に対応しました。

胃腸を元気にし、免疫力を上げる漢方薬を2種類服用し、のどの炎症は頓服で服用していただきました。

最初の1か月し、「のどが痛くなって、寝込んでいたのが、寝込まなくなった。のどが痛く、頓服の漢方薬を服用すると、次の日はのどが痛くなくなった」とおっしゃっていただきました。

その後、1年ほど服用し、徐々にのどの痛む回数は減り、また「今年は一度も寝込むことはなった」といっていただけました。

慢性扁桃炎の相談事例2

50代男性。繰り返す扁桃炎で熱がでる。季節の変わり目に扁桃炎になりやすく、子供のときも、若いときもずっと扁桃炎になりやすい。口内炎もなりやすい。胃酸の逆流もある。

慢性的な扁桃炎ですぐに熱がでて、困っているとのこと。

炎症を起こしやすい体質を改善する漢方薬と、胃腸の働きを助ける漢方薬を服用していただいた。

最初の1か月でも、「のどの調子がいい。口内炎もできにくくなった」といっていただけた。

その後、半年ほど服用していただき、「冬場が一番しんどいが、今年は痛むのがほとんどなかった。痛くなっても、すぐに痛みはなくなった」とおっしゃっていました。

扁桃周囲膿瘍、慢性扁桃炎の相談事例3

20代女性。もともと喉を痛みやすい体質。急性扁桃炎になり、その後左扁桃周囲膿瘍と診断され、切開。2週間後にも再度膿が溜まり、切開。その2週間後の現在も膿が溜まってきており、このままだど再度切開することになり、次回の病院の受診までに何かできないかと、相談に来られた。

喉に膿が溜まるため、炎症を起こしやすい体質を改善する漢方薬と、虚弱体質を改善し、膿を出しやすくする漢方薬を服用していただきました。

数日後、病院に受診されたとき、膿が減っており、経過観察になったとのこと。

その後3か月服用し、膿が溜まっても、膿が溜まらず、自然と排出されるようになった。病院の先生には膿がたまらなくて、運がよかったね、といわれたとのこと。外出しても、熱がでなくなり、バイトもできるようになったとのこと。

その後は半年に1回ほどは膿が溜まるようで、そのときに漢方を服用し、症状は改善しています。

慢性扁桃炎、繰り返す扁桃炎でお悩みの方はLINEからでもいつでもお気軽にご相談くださいませ。

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