この記事を書いた人
・灯心堂漢方薬局 薬局長
・薬剤師歴10年以上
・店舗のLINE登録者数1000人以上
・漢方を通して、皆様が少しでも健康に過ごせる手助けをできればと思います。>>プロフィール記事はこちら
西山光です
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・灯心堂漢方薬局 薬局長
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最近、髪がパサパサしてきたり、髪が細くなってきたり、髪が抜けやすくなったりしてお悩みではありませんか?
髪質が変化するのは、食生活の変化、加齢、ホルモンバランスの乱れなど様々な原因が考えられます。
ここでは漢方の目線での髪質が変化する原因や理由について説明したいと思います。
漢方では髪は「血」と関係があります。漢方でいう「血」は血液の意味合いだけでなく、栄養の意味合いがあります。髪がパサパサしたり、髪が細くなったりするのは血の不足、いわゆる「血虚」という体質が原因と考えられます。
漢方でいう「血(けつ)」は全身に栄養を与え、肌・髪を潤し、気持ちを落ち着かせる働きがあります。
日常生活や西洋医学でいう血は血液のことを意味しますが、漢方では幅広く、栄養としての側面があります。
血とは、全身に栄養を与え、肌・髪を潤すもの!
血虚とは、「血(けつ)」が不足している状態のことをいいます。つまり、血虚とは、全身の栄養が足りず、髪にツヤがなく、肌が乾燥し、手足が冷え、生理不順になりやすい状態といえます。
よくみられる症状としては、髪がパサパサ、細い・爪が割れやすい・化粧のノリが悪い・肌が乾燥する・生理不順が多いです。
さらに細かい症状を下に記載しています。
□爪が薄く、割れやすい
□目がつかれやすい
□肌が乾燥する
□化粧のノリが悪い
□髪にツヤがなく、抜け毛が多い
□手足が冷えやすい
□顔色が悪い
□経血量が少ない
□生理周期が遅れやすい
□まぶたがピクピクしやすい
□不安が強く、落ち込みやすい
□眠りが浅い
2つ以上当てはまるものがあれば、ご相談ください。病気でなくもかまいませんので、お気軽にご相談ください。LINEでも相談できます。
「血」は栄養の側面があるため、爪、目、肌、髪、顔色の不調に関係しています。
「血」は筋肉を潤す働きもあり、まぶたがピクピクする痙攣にも関わります。
「血」は心の血にも関係し、血の不足があると、不安、不眠にも関わります。
「血」は生理に関係しているため、血虚の場合は生理血の量が少なくなり、周期も遅れがちになります。
漢方では「髪は血余(けつよ)」といいます。「血余」とは、「血の余り」のことです。髪は血の余りからつくられているという意味です。
身体に血の栄養が充足していれば、血が余り、余った血によって髪が栄えていきます。
髪に栄養を行き渡らせるためには、まず身体に血の栄養をおぎなってあげる必要があります。
身体に栄養が満ち足りることで、結果的に髪質も一緒に栄えていきます。
漢方の考えからすると、髪質を改善したいのであれば、まず身体に血を補ってあげることが必要不可欠です!
女性は男性に比べ血虚になりやすいと考えられます。女性が血を不足しやすい理由としては、月に1回生理があることで血を消耗してしまいます。
女性の身体は月に1回生理があることで、身体の循環がつくられています。
漢方では、産後に髪がパサパサしたり、髪が抜けやすくなるのは、血の不足が原因ということができます。
漢方において、出産をすることは大量に「血」を消耗すると考えられています。
髪質は「血」の量と密接に関係しているため、産後の血虚の状態では髪質が荒れやすくなります。
漢方においては、出産の際に血を消耗してしまうため、血虚に傾き、髪がパサパサし、脱毛しやすくなったと説明できます。
産後の血を消耗した状態ときこそ、血を養うことが重要です。
髪は「腎」と関係が深く、「髪は腎の華」ともいいます。
漢方では「腎」は生命エネルギーの源と考えられています。
つまり加齢によって髪質がパサパサしたり、細くなったりするのは、腎が加齢によって衰えてきている結果といえます。
腎を補う漢方薬をアンチエイジングの漢方薬ともいわれることもあります。
髪質の改善には、腎を補うことも重要になってきます。
髪がパサパサしたり、細くなる体質は「血虚」と「腎虚」です。
髪は血の余りであり、血が不足すると、髪も潤いがなくなっていきます。
加齢によって髪質が変化しているときは、「腎」が加齢によって衰えていっていると考えられます。
髪がパサパサしたり、細くなる原因は「血虚」・「腎虚」のため、対策としては血を補う漢方薬や腎を補う漢方薬をつかっていく必要があります。
血虚につかう生薬に当帰・芍薬・川芎・地黄・何首烏などの生薬があります。これらの生薬が血を養ってくれます。
とくに当帰(とうき)という生薬は血を養うときに頻用される生薬です。
よく目にする当帰芍薬散や加味逍遙散にも当帰は入っています。
当帰は血を養うので、養血作用があります。
また当帰が血を養うことで生理が整うため、調経作用もあります。
血を養うことは潤す働きがあるため、便通を改善する働きがあります。
腎虚につかう生薬に地黄、山薬、山茱萸、阿膠、プラセンタ、亀板、別甲、鹿茸などがあります。これらの生薬が腎を補ってくれます。
阿膠はロバの膠(にかわ)のことで、天然のコラーゲンです。
阿膠には血を養う、養血作用があります。
また止血作用や身体を潤す、養陰作用もあります。
漢方で髪質を改善するには、「血虚」と「腎虚」の対策が必要になってきます。血虚は年齢に関係しないのですが、腎は年齢を重ねるほど弱ってしまう臓腑です。そのため、年代によって腎虚の対策も必要になってきます。
20代、30代ではまだ腎はそこまで衰えていないため、「血虚」の対策を中心にしていくことになります。
しっかり血を養うことが重要です。
ただし、人によっては腎虚の方もいらっしゃるため、「腎虚」の対応も必要な方もいらっしゃいます。
漢方では年齢を重ねてくると、「腎」という臓腑が衰えてきます。「腎」は髪と関係があり、「腎」が弱っていくことで髪がパサパサしたり、細くなっていきます。
40代以降の方では、血を養うこと、腎を補うことを同時にしていく必要があります。
髪と女性ホルモンは密接な関係があり、女性ホルモン(エストロゲン)には髪の毛の成長を助ける働きがあります。また女性ホルモンにはコラーゲンをつくる働きがあり、髪のコシ、肌の弾力にも関わっています。
その女性ホルモン(エストロゲン)も年齢によって、分泌される量に変化があります。
髪質や肌に関係する女性ホルモン(エストロゲン)は20代、30代をピークに減少していきます。
妊娠・出産、更年期などのホルモンバランスが急激に変化する時期に、どうしても髪がパサパサしやすくなったり、髪が細くなったり、髪が抜けやすくなってきます。
髪質を改善するためには「血」を養う食事をおすすめいたします。とくに血虚の方におすすめの食事は、赤い食べ物、黒い食べ物です。
肉類、魚類、タマゴのタンパク質が豊富なもの。
胡麻は白いものではなく、黒胡麻 。人参、黒きくらげもおすすめです。
黒豆、トマト、ほうれん草、小 松菜、しじみ、ひじき、ぶどう、プルーン、ブルーベリー、さくらんぼも相性がいいたべものです。
薬膳食材では枸杞、りゅうがんにく、夜交藤、鶏血 藤、合歓皮、別甲、亀板もおすすめです。
「血」を消耗する原因として身近なものは、目です。目をつかいすぎることは、血を消耗することにつながります。寝る前までスマホ、パソコンをみたり、テレビをみて夜更かしをする方は生活を見直してみましょう。
また身体を酷使すること、ストレスでも血を消耗してしまうので、疲れているときは適度に休むことも重要です。
血の質、量を上げるには、肉や魚、タマゴのなどの良質なたんぱく質が重要です。
1日の食事の中で少しでもたんぱく質を摂取するようにして下さい。
最近ではたんぱく質の摂取量が減って凝り、戦後間もない1950年代と同じくらいの量しか摂取できていません。
18歳以上の1日当たりのたんぱく質摂取の推奨量は、女性が50g、男性が65gです。
タンパク質以外にも、黒胡麻、黒豆、人参などもおすすめです。
適度な運動も重要です。
「過度な」運動は余計に体力を消耗してしまう恐れがありますが、「適度な」運動は必要です。
運動をすることで血行も改善し、冷え性や睡眠の質の向上にもつながります。
シャワーではなく、しっかり湯船につかりましょう。
ただし熱すぎるお風呂はダメです。
熱さによって、余計に血を消耗したり、熱いと身体の表面だけしか温まりません。
40度以下の温度で、身体を温め、血流の改善にもつながり、睡眠の質の向上にもつながります。
血を養っていくためには睡眠も重要です。
寝る前のスマホ、カフェイン、お酒は控えましょう。
カーテンも遮光にすることで、睡眠の質も向上します。
髪質の改善には、血を養うこと、腎を補うことが重要であることを説明いたしました。
血虚といってもわかりづらいと思うので、次の症状にあてはまるときは、ぜひご相談ください。
病気ではないので、ご相談しづらいかもしれませんが、お気軽にご相談ください。LINEでも相談できます。
□髪がパサパサ、細い
□爪が割れやすい
□化粧のノリが悪い
□肌が乾燥する
□生理不順