この記事を書いた人
・灯心堂漢方薬局 薬局長
・薬剤師歴10年以上
・店舗のLINE登録者数1000人以上
・漢方を通して、皆様が少しでも健康に過ごせる手助けをできればと思います。>>プロフィール記事はこちら
西山光です
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・灯心堂漢方薬局 薬局長
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・茵蔯蒿湯はどういうときに服用したらいいの?
・合わない人っているの?
このようなお悩みに漢方薬局の薬剤師がお答えします。
医薬品の適正使用の参考になればと思います。
この記事を読んでわかること
・茵蔯蒿湯の効能効果
・茵蔯蒿湯の構成生薬
・合う人、合わない人
・副作用、長期服用について
茵蔯蒿湯は湿熱をとることで、蕁麻疹、皮膚炎などに効能効果があります。
体力中等度以上で、口渇があり、尿量少なく、便秘するものの次の諸症:じんましん、口内炎、湿疹・皮膚炎、皮膚のかゆみ
茵蔯蒿湯の効能効果(薬局製剤)
茵蔯蒿湯の効能効果はメーカーによっても異なるので、ご購入の際はしっかりパッケージを確認してください。
茵蔯蒿湯はとくに皮膚のなかに湿熱がこもり、湿疹、皮膚炎になったときが相性がいいです。
・茵蔯蒿湯は湿熱をとることで、じんましん、湿疹などにつかいます。
茵蔯蒿湯の効能効果に、「じんましん」「湿疹・皮膚炎」「皮膚のかゆみ」と記載があり、皮膚系の不調のときにつかいます。
なぜ湿疹などの不調がでているかというと、湿熱が皮膚にこもっているためです。
茵蔯蒿湯は湿熱を出すことで、皮膚系の不調に効能効果があります。
茵蔯蒿湯の茵蔯蒿、山梔子が湿熱を出し、大黄が悪い物を排出します。
茵蔯蒿湯には3種類の生薬が入っています。
茵蔯蒿湯には茵蔯蒿、山梔子、大黄が入っています。
茵蔯蒿湯に入っている生薬を働き別にまとめてみました。
茵蔯蒿湯に入っている茵蔯蒿、山梔子は湿熱を出す生薬です。
「湿熱」というと難しいのですが、湿気を持った熱が皮膚でくすぶって悪さをしているイメージです。
↑茵蔯蒿(いんちんこう)。日本では茵蔯蒿の花穂を使用しますが、中国では幼苗の方を使用するそうです。
茵蔯蒿も山梔子もどちらも湿熱を追い出す生薬にて、湿疹・皮膚炎の原因を追い出します。
茵蔯蒿湯の大黄は湿熱を尿や大便への、排出経路をつくってくれます。
大黄(だいおう)。一般的には下剤としてよく使用されます。
漢方の興味深い点として、排出経路の考えがあるところです。
たとえば葛根湯はカゼの原因となる邪を汗として追い出すというように、汗が排出経路となります。
ただし大黄は便通を改善する働きがあるため、便秘でない方には向いていません。
茵蔯蒿湯の場合は、大黄が湿熱を尿や大便から排出してくれます。
茵蔯蒿湯の茵蔯蒿、山梔子が皮膚炎の原因となる湿熱を追い出してくれます。
大黄が入ることで、悪さをしている湿熱を尿や大便から排出できます。
茵蔯蒿湯は悪いものを追いだす、攻める漢方薬のため、体力は中等度以上ある方に向いています。
また、茵蔯蒿湯には大黄が入っているため、便秘がちな方に適しています。
「茵蔯蒿湯が効かない」という経験をされた方もいらっしゃると思います。茵蔯蒿湯が効かない理由としては、湿疹の原因が湿熱でないと考えられます。風などが原因であれば、消風散などが適しています。
合う人 | 合わない人 |
---|---|
・体力中等度以上 ・便秘がち | ・体が弱っている ・お腹が緩い方 |
人参養栄湯の副作用としては、消化器(胃部不快感)、肝機能障害(発熱、かゆみ、けん怠感、黄疸)、腸間膜静脈硬化症(便秘や下痢)、下痢などがみられることがあります。
これらの症状があらわれた場合は、副作用の可能性があるので、直ちに服用を中止し、医師又は薬剤師に相談をしてください。
漢方の長期服用にてよく問題になるのが、山梔子です。
山梔子を長期間服用していると、腸間膜静脈硬化症になりやすくなります。
腸間膜静脈硬化症は数年単位で山梔子が入った漢方薬を服用しているとなりやすいです。
茵蔯蒿湯の数年単位での服用をおすすめできません。
また茵蔯蒿湯は攻めるタイプの漢方薬であるため、数年間も服用すると、身体の体力が消耗していまい、よくありません。
腹痛、下痢、便秘、腹部膨満等が繰り返しあらわれるようになったときは山梔子による副作用の可能性があります。
そのような症状がみられた場合は直ちに服用を中止してください。
・茵蔯蒿湯は体力中等度以上な方で口渇、便秘などがある方の蕁麻疹、湿疹・皮膚炎に効能効果があります。
・茵蔯蒿湯は不調の原因の湿熱を追い出す漢方薬です。