この記事を書いた人
・灯心堂漢方薬局 薬局長
・薬剤師歴10年以上
・店舗のLINE登録者数1000人以上
・漢方を通して、皆様が少しでも健康に過ごせる手助けをできればと思います。>>プロフィール記事はこちら
西山光です
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・頻尿につかう漢方薬は?
・どう使い分けるの?
トイレが近く、安心して外出できない方が多くいらっしゃいます。
漢方の目線での頻尿の考え方について解説しています。
このブログを読むことで、ご自身にあったものを選んでいただけたらと思います。
・冷えて頻尿になるとき
→八味地黄丸
・火照りと頻尿があるとき
→六味地黄丸
・精神疲労、ストレスから頻尿になるとき
→清心蓮子飲
この記事を読んでわかること
・頻尿とは
・漢方薬のつかいわけ
・おすすめの食べ物、ツボ
漢方をうまく取り入れて、頻尿を気にせず、いつも通りに生活を送れるようになればと思います。
日本泌尿器学科では頻尿について以下のように記載されています。
「尿が近い、尿の回数が多い」という症状を頻尿といいます。一般的には、朝起きてから就寝までの排尿回数が8回以上の場合を頻尿といいます。しかし、1日の排尿回数は人によって様々ですので、一概に1日に何回以上の排尿回数が異常とはいえず、8回以下の排尿回数でも自分自身で排尿回数が多いと感じる場合には頻尿といえます。」
日本泌尿器学科
頻尿についてはyoutubeの伊勢呂哲也先生の動画が大変参考になりますので、紹介させていただきます。
頻尿の原因として、過活動膀胱、尿路感染症などが考えられます。
・過活動膀胱
・残尿量の増加
・尿路感染
・心因性
・腫瘍
頻尿の原因に尿路感染症などが考えられますので、まずは病院の受診をおすすめします。
漢方での「腎」は水を主り、加齢とともに腎は弱っていきます。
腎の働きが弱くなることで、尿をため込む力が弱くなり、頻尿になります。
またストレス、疲労から心と腎の働きが弱くなることでも頻尿になります。
残尿感が生じるのも、腎の働きが衰えることで膀胱の働きも同時に悪くなるためです。
腎は腰の府であり、腎虚になることで腰痛になります。頻尿と腰痛は漢方の目線では関係があるといえます。
頻尿につかう漢方薬に八味地黄丸、六味丸、清心蓮子飲などがあります。
腎の温める働きが悪くなることで、冷えて、頻尿になります。冷えることでおしっこも透明になります。
・頻尿
・色が薄い
・冷える
・手足の冷え
・夜間頻尿
・おしっこが透明
・腰痛がある
八味地黄丸には桂皮・附子といった温める生薬と、地黄・山薬などの補腎の生薬が入り、頻尿を改善してくれます。
冷えと頻尿があるときは八味地黄丸が適しています。
腎の潤いがないことで、腎が正常に機能せず、火照り、頻尿になります。
・頻尿
・尿が濃い
・ほてり
・全体的に乾燥している
六味地黄丸の地黄・山薬が腎の働きを助け、牡丹皮が熱を冷ましてくれます。
火照りと頻尿があるときは六味地黄丸(六味丸)が適しています。
牛車腎気丸は八味地黄丸に牛膝・車前子が加わり、むくみをとる働きが加わった漢方薬です。
・頻尿
・冷える
・むくみ
・しびれ
むくみがあって、頻尿がみられるときは牛車腎気丸が適しています。
漢方では「心」と「腎」はつながっていると考えられています。
緊張、ストレスから心腎の働きが乱れ、頻尿となります。
・心因性頻尿
・ストレス頻尿
・精神的な頻尿
・緊張するとトイレが近くなる
・外出時、不安になりトイレが近くなる
・自律神経失調症
清心蓮子飲の蓮肉が心と腎の働きを助けることで、精神的な頻尿に適しています。
緊張、不安からの頻尿には清心蓮子飲が適しています。心因性頻尿、ストレス頻尿にも清心蓮子飲は適しています。
また清心蓮子飲は人参などの胃腸の働きを助ける生薬も入っているため、八味地黄丸で胃もたれする方にもおすすめです。
更年期の頻尿には八味地黄丸、六味地黄丸、清心蓮子飲がおすすめです。
加齢とともに腎虚が進行していきます。更年期に頻尿がみられるのは、腎虚があるためです。
更年期であっても頻尿の漢方薬の選び方は同じで、冷えがあれば八味地黄丸、ほてりがあれば六味地黄丸、精神的な要因から頻尿になるときは清心蓮子飲が適しています。
頻尿におすすめの食べ物は腎を補う山芋、長芋、里芋、蓮根です。
山芋、長芋など粘り気のある食べ物が腎に働きを助けてくれます。
頻尿の原因は腎虚が関係していることが多く、腎を労わることが重要です。
腎の働きを助けるためには身体に無理をしないことです。過度な運動、食べ過ぎ、短い睡眠時間はさけてください。
過度は運動は良くありませんが、適度は運動は必要です。早足ウォーキングがおすすめです。肺をしっかりつかうことで、腎へ気を送っていきます。
頻尿におすすめのツボ(経穴)は漏谷、少府です。
わかりやすいようにyoutubeの動画を載せております。
漏谷(ろうこく)は太陰脾経のツボで、水のめぐりを整えてくれます。
少府(しょうふ)は少陰心経のツボで、精神を穏やかにし、尿の働きを整えてくれます。