動悸を改善するための漢方薬と、おすすめの食べ物・ツボ

 この記事を書いた人

・灯心堂漢方薬局 薬局長
・薬剤師歴10年以上

店舗のLINE登録者数1000人以上
・漢方を通して、皆様が少しでも健康に過ごせる手助けをできればと思います。>>プロフィール記事はこちら

西山光です
質問

・動悸に合う漢方薬は?
・どう使い分けるの?

急にドキドキして心配になりますよね。

漢方の目線での動悸の考えについて解説しています。

このブログを読むことで、ご自身にあったものを選んでいただけたらと思います。

動悸の結論

動悸は「心」の不調に、気虚、瘀血、水飲があわさった状態。

・びくびくしやすい、驚きやすく、動悸があるとき
→桂枝加竜骨牡蛎湯

・不安になると動悸がでてくるとき
→苓桂甘棗湯

・更年期の動悸
→連珠飲

・貧血、不眠があり、動悸があるとき
→帰脾湯

・めまい、ふらつきと動悸があるとき
→苓桂朮甘湯

・高血圧、肩こりで動悸があるとき
→環元清血飲

 この記事を読んでわかること
・動悸とは
・漢方薬のつかいわけ
・おすすめの食事、生活習慣、つぼ

漢方をうまく取り入れて、いつも通りに生活を送れるようになればと思います。

目次

動悸とは

動悸は心臓は普段よりも強く脈打ち、ドキドキ感じることです。

急に胸がドキドキなるとびっくりしますよね。

動悸、息切れについてはyoutubeのしながわ内科・循環器クリニックさまの動画がとても参考になるため、ぜひ参考にしてください。

動悸の原因は?

動悸になる病気として、不整脈、心臓弁膜症、貧血、発熱、甲状腺機能亢進症、更年期障害、精神的な要因があります。

動悸は心臓病と関わっていることも多く、まずは病的な動悸のこともあるので病院を受診することをおすすめします。

漢方での動悸の原因は「心」の不調に瘀血・水飲があわさった状態

動悸は心臓の病気であるように、漢方でも「心」の不調が多くの原因です。

「心」は「血脈を主る」働きがあり、心気が血を全身へめぐらせます。心気が弱っていたり、心気が瘀血・水飲によって邪魔されることで、動悸が生じます。

「心」は血の潤いがあることで、正常に働きます。心血が不足したり、潤いが足りなくなることでも動悸が生じます。

漢方での動悸の原因
・心気が弱っている
・心気が瘀血・水飲に邪魔される
・心を潤す血が不足している

動悸におすすめの食べ物

動悸といっても漢方では体質によって対応が異なります。

気が弱って動悸する場合は気を補う必要があり、白米、ショウガ、ジャガイモなどの優しい甘味の食べ物がおすすめです。→気虚におすすめの食べ物一覧

心の血の栄養不足にて動悸になるときは黒胡麻、にんじん、ほうれん草などの色の濃い野菜が良いです。→血虚におすすめの食べ物一覧

血の巡りが悪い瘀血体質の場合は、たまねぎ、なす、黒酢などで血を巡らせる食べ物が適しています。→瘀血におすすめの食べ物一覧

水がたまって動悸になるときは、水のめぐりを改善する冬瓜、大根、ラッキョウなどがおすすめです。→水滞におすすめの食べ物一覧

動悸につかう漢方薬は?

動悸につかう漢方薬に桂枝加竜骨牡蠣湯、帰脾湯、苓桂朮甘湯、連珠飲、苓桂甘棗湯、環元清血飲などがあります。

検査しても問題がなく、原因がわからないときは漢方の出番です。

びくびくしやすい、驚きやすく、動悸があるときは桂枝加竜骨牡蛎湯

普段から驚きやすかったり、大きな音に反応してしまうときは心に落ち着きがない状態といえます。

・驚きやすい
・ビクビクしやすい
・不安

心に落ち着きがないため、少し驚いただけで動悸をしてしまいます。

桂枝加竜骨牡蛎湯の竜骨・牡蛎が不安な気持ち・動悸を鎮めてくれます。桂皮が心を助け、動悸を抑えます。

驚きやすく、動悸がでるときは桂枝加竜骨牡蛎湯が適しています。

不安になると動悸がでてくるときは苓桂甘棗湯

電車に乗る前、人前で発表するときに動悸がするときは、不安な気持ちが強いといえます。

・不安が強い
・不安から急に動悸が込みあがる

強い不安を鎮め、動悸を抑えるために苓桂甘棗湯が動悸を抑えてくれます。

苓桂甘棗湯の大棗・甘草の甘味が急に込みあがる不安な気持ちを緩めてくれます。

予期不安、不安から動悸になるときは苓桂甘棗湯が適しています。

更年期の動悸には連珠飲

更年期はホルモンバランスの乱れが原因であり、ホルモンバランスを整える必要があります。

・更年期
・貧血
・めまい

連珠飲の当帰・芍薬などが血を養い、ホルモンバランスを整えます。桂枝・茯苓が水のめぐりを整え、動悸を鎮めます。

更年期のホルモンバランスの乱れの動悸には連珠飲が適しています。

貧血、不眠があり、動悸があるときは帰脾湯

心の血が不足することで、動悸になりやすくなります。

・疲労倦怠感
・貧血
・不眠

心気・心血が不足することで疲労倦怠感がでやすくなり、貧血、不眠もみられるようになります。

帰脾湯の酸棗仁・竜眼肉が心血を養い、心に血を行き渡らせます。

貧血、不眠症で動悸もあるときは帰脾湯が適しています。

めまい、ふらつきと動悸があるときは苓桂朮甘湯

水のめぐりが悪くなることで心では動悸、頭ではめまい、ふらつきの原因になります。

・めまい
・ふらつき
・動悸

苓桂朮甘湯の白朮・茯苓が水を巡らせ、めまいにも動悸にも効能効果があります。

めまい、ふらつき、動悸には苓桂朮甘湯が適しています。

高血圧、肩こりで動悸があるときは環元清血飲

血の巡りが悪いことで、血管が固くなり、高血圧、肩こり、心のめぐりが悪いことで動悸の原因になります。

・高血圧
・肩こり
・頭痛

環元清血飲の丹参・紅花・川芎が血を巡らせ、血のめぐりを改善し、動悸に効能効果があります。

高血圧、肩こりのある血の巡りが悪い動悸には環元清血飲が適しています。

動悸におすすめのツボ

動悸におすすめのツボ(経穴)に大陵、神門、曲沢があります。

わかりやすいようにyoutubeの動画をのせています。ぜひ参考にしてください。

大陵

大陵(だいりょう)は厥陰心包経のツボで、胸のつかえを取り除き、気の巡りを改善します。

神門

神門(しんもん)は少陰心経のツボで心の気を補い、気持ちを落ち着けてくれます。

曲沢

曲沢(きょくたく)は厥陰心包経のツボで心熱を冷まし、動悸を鎮めてくれます。

友だち追加
目次