灯心堂漢方薬局

息苦しい、呼吸がしづらい、呼吸が浅いときの漢方での考え方

息苦しい、呼吸がしづらい

息苦しく、呼吸がしづらいなと感じたことはありませんか?

 

そういった息苦しさの多くは肺の病気、心臓の病気などが考えられます。

 

息苦しい時は、まずは呼吸器内科を受診してください。

 

 

咳、息苦しさの症状でお悩みの方はこちらのブログを参考にしてください→

 

 

しかし、病院に受診しても原因がわからないことが多くあります。

 

受診しても原因がわからず、「ストレスが原因ですね」、「自律神経ですね」などいわれることがあります。

 

漢方薬局には、そういった原因がみつからない方が来られます。

 

「息苦しい!だけど原因はわからない」そういうときは漢方薬を頼ってみてください。

 

過換気症候群までいかなくても、日常的に息がしづらい気がする方は多いのでお気軽にご相談ください。

 

 

息が吸いづらい漢方での原因は?

呼吸の仕組みを漢方の目線で考えてみましょう。

 

呼吸は西洋医学でも、東洋医学でみても”肺”の働きが中心となります。

 

肺が呼吸をつかさどっています。

 

難しい言い方をすれば、「肺は宣発・粛降をつかさどる」といいます。

 

宣発というように、肺が吸った空気、気を霧状に全身に散布してくれます。

 

呼吸がしづらいときは肺の働きが弱っている可能性があります。

 

もう1つ呼吸と関係の深い臓があります。

 

それは”腎”です。

 

「腎は納気をつかさどる」といいます。

 

肺によって全身に行き渡った気を、腎が収納してくれるという意味です。

 

肺が全身にめぐらせて、行き渡ったものを腎が引き込んでくれます。

 

「腎は納気をつかさどる」を呼吸に置き換えると、息を吸うときに腎の働きが必要にあります。

 

息を吸いにくいというのは、腎の納気が機能してないといえます。

 

呼吸が浅いなと感じたことはありませんか?

 

腎の働きが弱っているかもしれません。

 

もう1つ、呼吸と関連のある臓腑があります。

 

それは”肝”です。

 

肝は気血のめぐりを担当する臓腑で、通常の場合、呼吸と関係とありません。

 

しかしストレスがかかるとき、肝は呼吸の邪魔をしてきます。

 

ストレスがかかると肝の働きがコントロールできなくなり、肺の機能を邪魔し、呼吸がしづらくなります。

 

木侮金(もくぶきん)ということもあります。

 

木は肝を意味し、金は肺を意味し、木が金の働きを邪魔するという意味です。

 

ストレスと呼吸のしづらさに関係があるときは、肝が関与している可能性があります。

 

ストレスや心配ごとがあると、呼吸ができなくなったり、過換気症候群、パニックのようになったことはありませんか?

 

その不調は肝が関わっているのかもしれません。

 

まとめ

息をしづらい原因には肺・腎・肝の3つの臓腑が関わっています。

 

・肺は呼吸をつかさどる臓腑であり、肺の機能が失調すると呼吸をしづらくなります。

 

・腎は息を吸うことに関わる臓腑であり、腎の機能が失調すると息を吸いづらくなります。

 

・肝はストレスなどの気のめぐりと関わる臓腑であり、ストレスで肝に負荷がかかると、呼吸をしづらくなります。

 

 

息苦しいときにつかう漢方薬は?

「息苦しさ」という効能効果が記載された漢方薬はなく、気持ち・精神を落ち着けることで結果的に息苦しさが解消するような対応が必要になります。神経質、ちょっとしたことが心配になる神経過敏な方は桂枝加竜骨牡蛎湯、驚きやすい、ヒステリック、夜な夜な泣いてしまう方は甘麦大棗湯がおすすめです。

 

桂枝加竜骨牡蛎湯

桂枝加竜骨牡蛎湯の効能効果は「体力中等度以下で、疲れやすく、神経過敏で、興奮しやすいものの次の諸症:神経質、不眠症、小児夜泣き、夜尿症、眼精疲労、神経症」です。

 

桂枝加竜骨牡蛎湯にて興奮を落ち着けることで、結果的に呼吸を整えていきます。

 

桂枝加竜骨牡蛎湯には竜骨・牡蛎という生薬が入っています。

 

この竜骨・牡蛎は腎に働く生薬で、腎を引き締め、気持ちを鎮める働きがあります。

 

桂枝加竜骨牡蛎湯にて気持ちを鎮め、腎を引き締め、結果的に呼吸がしやすくなります。

 

 

甘麦大棗湯

甘麦大棗湯の効能効果は「体力中等度以下で、神経が過敏で、驚きやすく、ときにあくびが出るものの次の諸症:不眠症、小児の夜泣き、ひきつけ」です。

 

甘麦大棗湯は、甘草・小麦・大棗のすべて甘味の生薬から構成されています。

 

甘麦大棗湯の強い甘味にて神経を落ち着けてくれます。

 

気持ちが安定しないとき、急に不安になってきたときには甘麦大棗湯にて緊張を緩めることで、結果的に呼吸がしやすくなります。

 

 

息苦しさの漢方相談1

30代女性。主訴は息苦しさ、耳閉感、めまい、頭痛、動悸、吐き気、不安感、倦怠感。

お子さん、お二人を出産。

出産して、1年経つころくらいから、息苦しさなど様々な不調がでてきた。

昨年の春頃から出始め、強く症状が出る日もあれば、症状が軽い日もある。 この1年で、少しずつひどくなっているように感じる。 症状の数や種類が少しずつ増えきている。

気圧、月経周期、ストレスが関係しているように感じることがあるが、必ずそうという訳ではない。

息が吸えない気がする。それでパニックになった。両親がきて落ち着く。一人が不安になる。

肺の病気はとくにみつからなかった。

不安もあるが、イライラもすることも多い。

去年の夏にとくに苦しかった。救急車を呼んだこともある。

軽い頭痛は月の半分。ガンガン痛いのは月に1回くらい。絞められた感じ。吐き気、お腹が緩くなる時がある。

耳閉感があるが、聴力には問題がない。

心療内科でデパスをもらっていた。

息苦しさ以外にも様々な不調でお悩みの方でした。

 

息苦しさからも気が下に沈み切れていない印象。

 

下に沈むべき気が降りきらず、逃げ道を求めて、逆流して上に向かい、頭痛、浅い呼吸、パニック、吐き気、動悸につながっていると考えられました。

 

まずは気の高ぶりに対応する漢方薬を2週間、服用していただきました。

 

2週間後、「頭痛、イライラは少なくなったのが実感できました。だけど、息苦しさ、けん怠感がかわらず、ひどくなってきている。」→漢方薬を変え、気をめぐらせ、ヌメリをとる漢方薬に変更いたしました。

 

2週間後、「けん怠感よりも最近は耳の詰まりが気になってきました。」→次に、気を深く鎮め、水をめぐらせる漢方薬に変更しました。

 

2週間後、「耳の調子はよくなってきた。少しだけ息苦しさは残っているが、息苦しさもかなり改善しました」といっていただけました。

 

再度同じ漢方薬を服用していただき、息苦しさの症状は改善されました。

 

お体に合った漢方薬を選び、症状改善までは2か月ほどかかりました。

 

息苦しさの漢方相談2

60代女性。鼻が詰まったような感じの息苦しさと息切れが続いている。 そのために夜眠れない。

 

8/23に膀胱炎にかかり、夕方内科を受診して処方された抗生剤を服用した夜から息苦しさがあらわれた。

その後、体調不良で食欲もなく眠れない夜が続き、8/24~9/3まで仕事を休みました。

眠りが浅く食欲がないことは変わらないが、何とか仕事には行けていたが、9/12に又膀胱炎になってのち一時ましになっていた息苦しさと不眠がぶり返した。

初めのうちは、呼吸困難の発作のように息苦しい時とましな時間とがあったが、9/13ぐらいから息切れのような苦しさに代わり本日9/16まで苦しい状態が続いている。

短期間に色々医療機関を受診してしまいましたが、どこでも明確な診断は出されていません。 しいて言うならば、自律神経かな、といわれました。 

しっかり病院に受診されていますが、息苦しさの原因はわからず、自律神経が原因といわれたのことでした。

 

舌をみさせていただいたところ、かなり舌も震えていました。

 

気のめぐりの悪さに対する漢方薬と気を鎮める漢方薬をご提案いたしました。

 

2週間後、「息苦しさは減りました。夜の寝苦しさもよくなりました。まだ膀胱炎がすっきりしない感じがあります」

 

といっていただけました。気のめぐりが改善し、息が下まで降りるようになり、息苦しさも改善されたと考えられます。

 

 

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