灯心堂漢方薬局

のどの痛みの漢方薬4選~のどが痛く、つばも飲み込みにくくないですか?~

のどの痛みの漢方薬

 

急にのどが痛くなったり、カゼひいたときに咽頭痛、またはカゼが治ったあとに残っている場合もあります。

 

のどが痛くなる原因はいくつか考えられます。

 

カゼなどの感染症のとき、のどの乾燥しているとき、のどを酷使した場合などあります。

 

のどの痛みについての詳しい解説はこちらのサイトを参考にしてください→

 

漢方でのノドの痛みの原因は?

漢方でのどの痛みの原因は、熱と考えられます。

 

現代でいうなら、炎症といってもいいと思います。

 

のどに熱、鬱熱があることで、炎症となり、のどの痛みとなります。

 

のどの痛みを抑えるために、鬱滞しているものを発散し、熱を冷ます生薬を中心につかう必要があります。

 

桔梗湯と駆風解毒湯の違いは?

桔梗湯と駆風解毒湯の違いは冷やす働きがあるかです。桔梗湯は桔梗と甘草の2つの生薬から構成され、2つの生薬のどちらものどの炎症を抑えるのに働きます。駆風解毒湯は、桔梗湯の桔梗・甘草に、さらに石膏・防風・牛房子・連翹・荊芥・羌活・独活が加わったものです。とくに駆風解毒湯に入っている石膏はのどの炎症を冷やす働きがあり、熱感、炎症が強い時には駆風解毒湯が適しています。シンプルなのどの痛みの場合は桔梗湯、熱感・炎症が強いときは駆風解毒湯がおすすめです。どちらが優れているとかはなく、ご自身にあった漢方薬を選ぶことが重要です。

 

桔梗湯と銀翹散はどっちがいい?

桔梗湯と銀翹散の違いは冷やす働きがあるかです。桔梗湯は桔梗と甘草の2つの生薬から構成され、2つの生薬のどちらものどの炎症を抑えてくれます。銀翹散は桔梗・甘草に、さらに金銀花・連翹・薄荷・淡豆豉・牛房子・淡竹葉・荊芥・羚羊角が加わっています。とくに金銀花・薄荷・牛房子は熱を冷ます生薬であり、熱感があるときや感冒症状があるときは銀翹散がおすすめです。シンプルなのどの痛みには桔梗湯、熱感・炎症が強い・感冒もあるときは銀翹散がおすすめです。どちらが優れているとかはなく、ご自身にあった漢方薬を選ぶことが重要です。

 

駆風解毒湯と銀翹散の違いは?

駆風解毒湯と銀翹散の違いはカゼにつかうかどうかです。駆風解毒湯は桔梗や石膏から構成され、冷やすことでのどの痛み・炎症を抑えることに特化しています。銀翹散は薄荷・金銀花などから構成され、冷やすことで、のどの痛みを抑える働きとカゼの邪を追い出す働きがあります。のどの痛みだけある場合は駆風解毒湯が適し、のどの痛みに加えカゼの症状がみられるときには銀翹散の方がおすすめです。

 

銀翹散と銀翹解毒散の違いは?

銀翹散と銀翹解毒散の違いは、銀翹散は方剤名で、銀翹解毒散は商品名(松浦薬業)です。そのため銀翹散という名前がついていなくても、中身は銀翹散のことがあります。有名な銀翹散としては、銀翹散(クラシエ)、銀翹解毒散(松浦薬業)、金羚感冒錠(コタロー)の3種類があります。3つの銀翹散の構成はほぼ同じですが、銀翹散(クラシエ)はレイヨウカク(熱を発散する動物性生薬)が入っていないため、比較的安価です。それに対し、銀翹解毒散(松浦薬業)、金羚感冒錠(コタロー)にはレイヨウカクという動物性生薬が入っているため、銀翹散(クラシエ)と比べると高いですが、それだけのものが入っているといえます。銀翹解毒散(松浦薬業)、金羚感冒錠(コタロー)に入っている生薬は構成も同じで、量も同じなので、粉薬をご希望の方は銀翹解毒散(松浦薬業)、錠剤をご希望の方は金羚感冒錠(コタロー)がおすすめです。

 

・銀翹散(クラシエ)→粉薬・レイヨウカクという生薬が入っていない

・銀翹解毒散(松浦薬業)→粉薬・レイヨウカクが入っている

・金羚感冒錠(コタロー)→錠剤・レイヨウカクが入っている

 

 

のどの痛みに効く漢方薬は?

のどの痛み、扁桃炎の効能効果の記載のある漢方薬に桔梗湯、駆風解毒湯、小柴胡湯加桔梗石膏、銀翹解毒散があります。

 

どれが優れているのかでなく、のどの痛みの程度、カゼの症状があるかどうかで、ご自身にあった漢方薬を選ぶ必要があります。

 

☑のどの痛みだけ→桔梗湯

 

☑熱感のあるのどの痛み→駆風解毒湯

 

☑のどの痛み・カゼ→小柴胡湯加桔梗石膏

 

☑のどの痛み・熱感のあるカゼ→銀翹解毒散

 

 

桔梗湯

桔梗湯の効能効果:「体力に関わらず使用でき、のどがはれて痛み、ときにせきがでるものの次の諸症:扁桃炎、扁桃周囲炎」

 

桔梗湯はのどの痛みの基本的な方剤です。

 

桔梗湯は桔梗と甘草から構成され、シンプルな処方です。

桔梗湯=桔梗+甘草

桔梗が去痰と排膿をうながし、のどの痛みを抑えます。

 

甘草も一味で抗炎症作用があり、のどの痛みを緩和します。

 

桔梗湯を構成する、桔梗と甘草はどちらものどの痛みを抑えてくる働きがあります。

 

桔梗湯はシンプルな構成ながらもしっかりのどの痛みを抑える漢方薬となっています。

 

桔梗湯はのどの痛みを抑えますが、冷やす生薬は入っておらず、のどの熱感や痛みが強いときには向いていません。

 

桔梗湯の詳細はこちら→

 

 

駆風解毒湯

駆風解毒湯の効能効果:「体力に関わらず使用でき、のどがはれて痛むものの次の諸症:扁桃炎、扁桃周囲炎」

 

駆風解毒湯(くふうげどくとう)は医療用にはなく、市販薬や薬局製剤の煎じ薬での販売になるため、なかなか見る機会はないかもしれせん。

 

医療用にはありませんが、とても良い構成の漢方薬なので説明したいと思います。

 

駆風解毒湯は防風、牛房子、連翹、荊芥、羌活、独活、甘草、桔梗、石膏から構成されています。

駆風解毒湯=桔梗湯(桔梗・甘草)+石膏(大寒で炎症を抑える)+防風・牛房子・連翹・荊芥・羌活・独活(熱を発散する)

桔梗と甘草は桔梗湯の構成で、この2つの生薬だけでものどの痛みに効果を発揮します。

 

駆風解毒湯は桔梗湯にさらに7つの生薬が加わっています。

 

石膏は、小柴胡湯加桔梗石膏や桔梗石膏にも入っているように、炎症を抑え、のどの痛みを抑える代表的な生薬です。

 

石膏は寒性の生薬であり、のどの熱感、痛みがあるときに適しています。

 

駆風解毒湯には桔梗・石膏の組み合わせも入っています。

 

防風・牛房子・連翹・荊芥・羌活・独活は解表薬といい、体表に入ってきた風邪を温めながら追い出す働きがあります。

 

葛根湯や麻黄湯は温める働きが強すぎて、強い発汗を促しますが、駆風解毒湯は穏やかに温め風邪を追い出します。

 

駆風解毒湯は桔梗・甘草の組み合わせでのどの痛みを緩和し、桔梗・石膏の組み合わせで炎症、熱感を抑え、防風・牛房子・連翹・荊芥・羌活が外から入ってきた風邪を追い出し、とてもきれいな構成の漢方薬だと思います。

 

駆風解毒湯を服用するポイントとしては、本剤は熱ければ冷ましてうがいしながら少しずつゆっくり飲んでください、というのも特徴的です。

 

桔梗湯と駆風解毒湯の違いは生薬の数です!桔梗湯はのどが痛いときの基本的な生薬から構成されています。駆風解毒湯は、桔梗湯に熱を冷ます石膏、邪を追い出す牛房子などが入り、のどの痛みでも熱感が強いタイプに適しています。生薬の数が多いから良いのではなく、のどの痛みの熱感が強くなければ桔梗湯、痛みの熱感が強ければ駆風解毒湯というように使いわける必要があります。

 

駆風解毒湯は桔梗湯に、炎症を抑える石膏、不調の原因となる邪を追い出す生薬を足したもの!
のどの痛みだけなら桔梗湯、のどの痛みに熱感もあれば駆風解毒湯が適しています。

 

金羚感冒錠、銀翹散

金羚感冒錠の効能効果:「かぜによるのどの痛み・口(のど)の渇き・せき・頭痛」

 

金羚感冒錠は葛根湯と対比して説明されることの多い漢方薬です。

 

カゼで寒気が強い場合は葛根湯の温める漢方薬で、風寒邪を追い出します。

 

しかしカゼでも、寒気があまりなく、熱感ばかりが強いときはありませんか?

 

熱感が強いカゼは温病といわれ、温邪が原因のため、身体を冷ます漢方薬をつかう必要があります。

寒気の強いカゼ(傷寒)→葛根湯、麻黄湯などの温める漢方薬をつかう

熱感の強いカゼ(温病)→金羚感冒錠、銀翹散などの冷やす漢方薬をつかう

カゼといっても、漢方では冷えからくるカゼなのか、熱からくるカゼなのか、見極める必要があります。

 

寒気の強いカゼに冷やす漢方薬をつかうと余計に悪化します。

熱感の強いカゼに温める漢方薬をつかうと余計に悪化します。

 

葛根湯を飲んでも効かなかったり、葛根湯を飲んで余計にしんどくなったりと、時々聞くことがあります。

 

そういった場合はもしかしたら、冷えではなく、熱邪が原因によるカゼの恐れがあります。

 

温病という、熱が原因のカゼには金羚感冒錠、銀翹散が適してます。

 

温病による熱が原因でカゼとなり、のどが痛くなります。

 

金羚感冒錠銀翹散には薄荷、金銀花、連翹などの冷やす生薬が多く入っています。

 

薄荷も入っているので、服用するとスーッとする感じがあります。

 

カゼの原因となる、熱邪を金羚感冒錠、銀翹散が冷やしながら追い出してくれます。

 

寒気がなく、熱感がつよく、のどの痛みがあるときは温邪が原因のカゼかもしれません。

 

金羚感冒錠銀翹散が温邪を発散します。

寒気が強いカゼに葛根湯。
熱感の強い、のどが痛いカゼは金羚感冒錠銀翹散
(金羚感冒錠剤と銀翹散は同じような内容でメーカーの違いです)

銀翹解毒散の詳細はこちら→

 

小柴胡湯加桔梗石膏

小柴胡湯加桔梗石膏の効能効果:「比較的体力があり、ときに脇腹(腹)からみぞおちにあたりにかけて苦しく、食欲不振や口の苦みがあり、舌に白苔がつき、のどがはれて痛むものの次の諸症:のどの痛み、扁桃炎、扁桃周囲炎」

 

小柴胡湯に桔梗・石膏があわさったものが小柴胡湯加桔梗石膏です。

小柴胡湯加桔梗石膏=小柴胡湯+桔梗・石膏

石膏は大寒で冷やす働きが強いです。

 

小柴胡湯加桔梗石膏に入っている石膏の量は多く、桔梗・石膏の組み合わせで強く炎症を抑え、のどの痛みを和らげます。

 

実際に医薬品で桔梗と石膏だけの商品もあります。

 

小柴胡湯加桔梗石膏の桔梗・石膏でのどの炎症を抑え、冷やしてくれます。

 

小柴胡湯加桔梗石膏の小柴胡湯はカゼによくつかわれる漢方薬です。

 

カゼといえば葛根湯が有名ですが、小柴胡湯もカゼにつかう代表的な漢方薬です。

 

柴胡が外邪を追い出し、人参が気を補い、邪が入ってこないようにします。

小柴胡湯と桔梗・石膏があわさることで、小柴胡湯加桔梗石膏はのどの痛み、扁桃炎に効果を発揮します。

小柴胡湯加桔梗石膏の詳細はこちら→

 

桔梗石膏

桔梗石膏錠の効能効果:「去痰・排膿」

 

桔梗石膏は桔梗と石膏のみのシンプルな処方です。

 

桔梗がのどの痛みを抑え、排膿し、石膏が炎症を抑える働きがあります。

 

桔梗石膏は化膿性の炎症を抑え、去痰することで結果的にのどの症状が和らぎます。

 

 

のどの乾燥が強いとき

のどの痛みではなく、のどの乾燥の症状が強い漢方薬についてまとめています。のどの乾燥が強いときは、麦門冬湯、滋陰降火湯などののどを潤す漢方薬をつかいます。

 

のどが乾燥することで、痰が粘っこくなり、痰がきれにくくなります。

 

のどの乾燥があることで、咽頭部が乾燥し、からぜき、ときに強く咳き込むことにつながります。

 

ほかにものどの乾燥は、しわがれ声にもつながってきます。

 

麦門冬湯

麦門冬湯の効能効果:「体力中等度以下で、たんが切れにくく、ときに強くせきこみ、又は咽頭の乾燥感があるものの次の諸症:からぜき、気管支炎、気管支ぜんそく、咽頭炎、しわがれ声」

 

麦門冬湯はのどを潤す代表的な漢方薬です。

 

麦門冬は肺を潤す代表的な生薬です。

 

肺、のどを潤し、咽頭の乾燥を緩和し、固まっている痰を潤し、出しやすくします。

 

麦門冬湯には麦門冬以外にも人参、甘草、粳米の潤す生薬がたくさん入っています。

麦門冬湯は肺、胃を潤すことで咽頭部の乾燥を抑え、からぜきなどを緩和します。

 

滋陰降火湯

滋陰降火湯の効能効果:「体力虚弱で、のどにうるおいがなく、たんが切れにくくてせきこみ、皮膚が浅黒く乾燥し、便秘傾向のあるものの次の諸症:気管支炎、せき」

 

滋陰降火湯も麦門冬湯と同じく、肺を潤す漢方薬です。

 

滋陰降火湯には地黄、天門冬、麦門冬、知母などの潤す生薬が多く入っています。

 

潤す生薬の数では麦門冬湯よりも、滋陰降火湯の方が潤す生薬が多く入っています。

 

滋陰降火湯の方が身体の乾きが強いときにつかいます。

 

効能効果も、「皮膚が浅黒く乾燥し、便秘傾向」とあり、潤す働きが強いことがわかります。

のどの乾燥が強くても下痢気味の方は麦門冬湯の方が適しています。

 

のどの乾燥が強く、皮膚の乾燥、便秘もあれば滋陰降火湯の方が適しています。

 

まとめ

 

☑のどの痛みだけ→桔梗湯

 

☑熱感のあるのどの痛み→駆風解毒湯

 

☑のどの痛み・カゼ→小柴胡湯加桔梗石膏

 

☑のどの痛み・熱感のあるカゼ→銀翹解毒散

 

のどの痛みは咽頭部に熱、炎症があると考えられます。

 

のどの痛みにつかう漢方薬に桔梗湯、駆風解毒湯、小柴胡湯加桔梗石膏、金羚感冒錠、桔梗石膏があります。

 

桔梗湯が一番シンプルな処方で、桔梗と甘草でのどの痛みを抑えます。

 

桔梗石膏は桔梗と大寒の冷やす石膏がのどの炎症を抑えます。桔梗湯よりものどの炎症があるときに適してます。

 

駆風解毒湯は桔梗石膏に風熱を発散する生薬が加わったものです。駆風解毒湯はのどが腫れて痛むときに適しています。

 

小柴胡湯加桔梗石膏は桔梗石膏の喉の炎症を抑える働きに、カゼにつかう小柴胡湯を合わせたものです。

 

金羚感冒錠は温病のカゼにつかう漢方薬です。寒気の強いカゼは葛根湯、麻黄湯をつかいますが、熱感が強いカゼは冷やす必要があります。熱感の強いカゼには金羚感冒錠が適しています。

 

 

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