生理が遅れがちなときの漢方薬の考え方と体質、食事について

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西山光です
目次

生理周期が遅れがち

生理の周期は正常範囲は25~38日とされています。

毎回38日以上間隔が空くのであれば、生理期間が延長している可能性があります。

一般的には生理が遅れがちなことを生理不順といいます。

生理が遅れやすい詳しい理由についてはこちらのサイトを参考にしてください→

ここでは漢方において生理期間が遅れやすい原因について説明しています。

生理が遅れがちな漢方での原因、理由は?

生理周期が遅れやすい漢方での原因は、血虚(肌の乾燥、目のかすみ)、衝任虚寒(冷え、虚弱体質)、寒凝(冷え、虚弱ではない)、肝気鬱結(イライラ、ストレス)、痰湿(うごきたがらない、白色帯下)などの体質が考えられます。

よくみられる生理が遅れやすい体質は「血虚」です。

漢方において生理はイメージとして、生理のタンクのようなものがあり、タンクに血が充足し、タンクから血があふれ出することで生理が始まります。

つまり「血」が不足した「血虚」の体質の場合は、タンクに血が溜まるスピードが遅くなり、生理が来るのが遅くなります。

「血」を養うためにも色の濃い野菜、たんぱく質を摂取することが重要です。

生理が遅れがちなときの漢方薬は?

生理が遅れがちな生理不順の漢方薬に四物湯、逍遙散、加味逍遙散、加味逍遙散加川芎地黄、温経湯、芎帰調血飲、芎帰調血飲第一加減などがあります。

血虚

血虚というのは血という栄養が不足している状態です。

慢性病による消耗、慢性の出血、多産や胃腸が弱いために栄養を吸収できず、血をつくり出せないことで血虚となります。

生理が起こるためには血海が満たされる必要があるため、血虚により血海が満たすのに時間がかかってしまい、生理周期が遅れがちになります。

・生理周期が遅れる
・生理量が少ない、色も薄い
・腹痛があまりない
・頭のふらつき

これらにあてはまるときは血虚の体質の可能性があります。

血虚という血が不足している状態であるため、血を養う漢方薬をつかう必要があります。

血を養う漢方薬に四物湯、加味逍遙散加川芎地黄、芎帰調血飲、芎帰調血飲第一加減などがあります。

四物湯

四物湯(しもつとう)は当帰・芍薬・川芎・地黄の血を補う生薬のみから構成されています。

四物湯は補血薬の基本方剤であり、多くの漢方薬に四物湯の組み合わせが入っています。

シンプルな処方でしっかり血を養います。

加味逍遙散加川芎地黄

加味逍遙散加川芎地黄(かみしょうようさんかせんきゅうじおう)加味逍遙散に川芎・地黄を足した漢方薬です。

加味逍遙散は婦人科で有名な漢方薬で、気血水をバランス良く整える漢方薬です。

加味逍遙散には血を補う生薬が当帰・芍薬しか入っておらず、血を補うには少し物足りない印象です。

そこに川芎(せんきゅう)・地黄(じおう)が加わることで、血を補う働きを強化しています。

加味逍遙散に元々入っていた当帰・芍薬と、加味された川芎・地黄は四物湯の組み合わせで、加味逍遙散加川芎地黄には四物湯の組み合わせが入り、血を補いながら気・水のめぐりも改善します。

芎帰調血飲、芎帰調血飲第一加減

芎帰調血飲(きゅうきちょうけついん)、芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)は気血を強く補う漢方薬です。

芎帰調血飲には13種類の生薬、芎帰調血飲第一加減には21種類もの生薬が入っています。

血を補う働き、血のめぐりの働き、気を補う働き、気をめぐらせる働きが強く、補うこととめぐりを考えた場合、とてもいい組み合わせになっています。

日本では一般的に芎帰調血飲第一加減がよくみられます。

衝任虚寒

血虚から進み、衝任や腎という深いところまでも虚している状態です。

不足している状態であるため、生理がはじまるためにエネルギーをたくわるのに時間がかかり、生理周期が遅れがちになります。

温める力が弱く、冷えの症状が多くみられます。

・生理周期が遅れる
・生理量が少なく、薄い
・おなかの鈍痛
・下腹部に痛みがあるが、温めると改善する
・手足の冷え
・舌質淡で湿潤

これらにあてはまるときは衝任虚寒の恐れがあります。

このようなときは体の奥から温め、補う温経湯をつかう必要があります。

寒凝

寒凝というのは寒冷が凝滞していることを意味します。

生理時に冷たいもの、生ものの摂取、雨に濡れる、水泳、湿度の高いところでの生活などにて体に寒冷が入り込み、気血の流れが悪くなり、生理周期が遅れがちになります。

・生理周期が遅れる
・生理量が少ない
・生理血が暗紫
・生理血に血の塊がある
・下腹部痛みがあるが、温めると改善する

これらにあてはまるときは寒凝の体質の可能性があります。

冷えが体内に入り込んでいるため、温経湯にて冷えを追い出します。

肝気鬱結

過労、ストレス、心配事などの精神的な症状によって肝の気のめぐりが悪くなります。

肝気は気のめぐりと血のめぐりを調整しているため、肝気の鬱滞は気と血の鬱滞につながり、生理周期が遅れがちになります。

・生理周期が遅れる
・生理血は紫紅で血の塊がある
・下腹部の張った痛み
・胸脇や胸が張る

これらにあてはまるときは肝気鬱結の体質の可能性があります。

原因となっている肝気をめぐらせる漢方薬に逍遙散、加味逍遙散、加味逍遙散加川芎地黄があります。

逍遙散

逍遙散は柴胡・薄荷が入り、気をめぐらせる働きと、当帰が入り、血を養う働きがあります。逍遙散が気血のバランスを整えてくれます。

加味逍遙散

加味逍遙散は、逍遙散に山梔子・牡丹皮が加わったものです。山梔子・牡丹皮が加わり、熱感、ほてりを冷ます働きが強化されています。一般的には逍遙散よりも加味逍遙散の方がよくつかわれます。

加味逍遙散加川芎地黄

加味逍遙散加川芎地黄加味逍遙散に川芎・地黄が加わったものです。川芎・地黄が加わり、血を養う働きが強化されています。肌の乾燥などの血虚の症状もあるときは加味逍遙散加川芎地黄が適しています。

痰湿

痰湿というのは、漢方において湿気、湿気に粘りが生じたヌメリを意味しています。

痰湿は食事の不摂生、胃腸が弱いなどで簡単に生じます。

痰湿によって気血のめぐりが悪くなり、生理周期が遅れがちになります。

・生理周期が遅れる
・生理血がうすく、粘稠
・胸苦しい
・食欲不振
・動きたがらない

これらにあてはまるときは痰湿の体質の可能性があります。

痰湿をさばき、身体の外に追い出す漢方薬をつかう必要があります。

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