灯心堂漢方薬局

【漢方】頭重感の6つの体質~水飲・痰飲・瘀血・肝陽・心熱・腎虚体質~

頭重感

 

頭重感、頭が重たく感じることはありませんか?

 

漢方的には体質に問題があるかもしれません。

 

頭重感、頭が重たく感じる要因を漢方的に考えてみましょう。

 

 

漢方での頭重感の原因は?

漢方で原因を考えるときは、めぐりの問題と、量の問題があり、水飲、痰飲、瘀血、肝陽、心熱、腎虚が考えられます。

 

 

めぐりの問題

気血が頭まで、きちんとめぐることができなければ、頭重感となります。

 

気の流れを邪魔するものがあると、頭まで気が行きわたりません。

 

気の流れを邪魔するものに、気・血・水などがあります。

 

気が過剰に鬱滞しているところがあると、気が正常に流れず、末端まで到達しません。

 

血・水も同じように、鬱滞しているところがあると、気の流れを邪魔し、頭重感、頭の重たい感じになります。

 

 

量の問題

気血の量が不足していると、頭まで気がめぐらず、頭重感となります。

 

気が不足しているときは気を補う必要があります。

 

 

反対に気が過剰に多いのもよくありません。

 

頭に気が上がることで、気が高ぶってしまい、頭重感になります。

 

その場合は、高ぶった気を降ろす必要があります。

 

 

頭重、頭が重たいときに使う漢方薬は?

頭重につかう漢方薬に、沢瀉湯、当帰芍薬散、当帰芍薬散加人参、当帰芍薬散加黄耆釣藤、半夏白朮天麻湯、桂枝茯苓丸、高血圧に伴う頭重に七物降下湯、三黄瀉心湯、八味地黄丸などがあります。

 

水飲

水飲が停滞し、頭の気の流れを邪魔することで頭重、めまいになります。

 

頭重の原因が水によるものです。

・頭重

・めまい

・頭がもやもやする

これらにあてはまるときは水飲による頭重の可能性があります。

 

余分な水を追い出す漢方薬に沢瀉湯、当帰芍薬散があります。

 

沢瀉湯(たくしゃとう)は沢瀉・白朮(びゃくじゅつ)の水を追い出す漢方薬から構成されています。水分が抜けることで、気のめぐりが正常になり、頭重感、めまいに沢瀉湯をつかいます。

 

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)は女性に頻用される漢方薬の1つです。当帰芍薬散には白朮・茯苓・沢瀉の水のめぐりを改善する生薬が入り、余分な水を追い出します。女性に多くつかわれる理由としては、当帰芍薬散の当帰が重要です。当帰は血を補う代表的な生薬で、当帰芍薬散は不足しがちな血を補いつつ、余分な水を追い出すことで頭重感に効果を発揮します。

 

当帰芍薬散に気を補う人参を加えたものが、当帰芍薬散加人参です。胃腸が弱い方は人参が入った方が適しています。

 

痰飲

痰飲とは、水飲が停滞し、水が粘性をもってきたものをいいます。

 

水飲はサラッとしていますが、痰飲はねっとりしています。

 

身体のなかのことなので、実際にみることはできませんが、痰飲はヌメリのイメージです。

 

ヌメリがあることで流れが邪魔され、気血がめぐらず、頭重、めまいとなります。

・頭重

・めまい

・立ちくらみ
・頭がボーッとする

これらにあてはまるときは痰飲による頭重感の可能性があります。

 

痰飲を追い出すし、頭重につかう漢方薬に半夏白朮天麻湯があります。

 

半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)は半夏が入り、痰飲を取り除いてくれます。天麻が入り、気の流れを安定化してくれます。ほかにも人参・黄耆の気を補う生薬も入っているのが、半夏白朮天麻湯の特徴です。胃腸の弱さ、頭重、めまいがあるときは半夏白朮天麻湯が適しています。

 

瘀血

瘀血(おけつ)とは血の鬱滞のことを意味します。

 

瘀血という血の鬱滞があることで、気のめぐりが邪魔され、頭重感となります。

・生理不順、生理痛

・肩こり

・更年期

これらにあてはまるときは瘀血による頭重の可能性があります。

 

瘀血につかう漢方薬に桂枝茯苓丸があります。

 

桂枝茯苓丸には桃仁・牡丹皮・芍薬の血のめぐりを改善する生薬が入っています。桂枝茯苓丸には桂皮という気のめぐりを改善する生薬も入っているため、頭重のある体質の方につかわれます。

 

肝陽

肝陽というのは、気が高ぶっている状態です。

 

気の不足も良くありませんが、気が過剰に高ぶっても頭重感につながります。

 

高ぶった気を鎮める漢方薬をつかう必要があります。

 

気が高ぶることで血圧も上がりやすくなります。

 

・高血圧に伴うのぼせ、肩こり、耳なり、頭重

 

高ぶった気を鎮める漢方薬に七物降下湯があります。

 

七物降下湯(しちもつこうかとう)には釣藤鈎(ちょうとうこう)という気を鎮める生薬が入り、高ぶった気を鎮めてくれます。

 

高ぶった気が通常に戻ることで、頭重感も緩和します。

 

心熱

熱がこもることで、頭重感となっている状態です。

 

こもっている熱によって、のぼせ、イライラ、血圧が上がりやすく頭重感になりやすくなります。

・のぼせ

・いらいら

・高血圧による頭重感

これらにあてはまるときは熱による頭重感の可能性があります。

 

熱を冷ます漢方薬に三黄瀉心湯があります。

 

三黄瀉心湯の黄連・黄芩・大黄が熱を強く冷やしてくれます。

 

熱を冷やすことで、のぼせ、イライラ、血圧に伴う頭重感を緩和します。

 

 

腎虚

腎というのは、漢方では加齢によって弱る臓腑とされています。

 

加齢によって腎が弱ると、水のコントロールができなくなり、頻尿・夜間尿・高血圧になりやすくなります。

 

腎を補うことで、水のコントロールが正常になり、高血圧による頭重感を緩和します。

 

・頻尿、夜間尿

・むくみ

・高血圧による頭重

これらにあてはまるときは腎虚の可能性があります。

 

腎虚による高血圧を伴う頭重に八味地黄丸があります。

 

八味地黄丸は補腎薬の代表的な漢方薬で、地黄・山茱萸・山薬にて腎を補います。八味地黄丸は腎を補うことで、頻尿・夜間尿も緩和され、高血圧を伴う頭重感にも効能効果があります。

 

 

 

関連情報

コメントは受け付けていません。

特集

〒564-0063
大阪府吹田市江坂町2-6-14-202池上第二ビル

06-6192-3020

営業時間 / 月・水・木・金 10-19時 土10-14時
定休日 / 火曜日 日曜日