【慢性疲労症候群】疲れがとれないのは「体質」のせいかも|漢方でみる疲労の6タイプと、タイプ別の漢方薬・食べ物・養生

 この記事を書いた人

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・漢方を通して、皆様が少しでも健康に過ごせる手助けをできればと思います。>>プロフィール記事はこちら

西山光です

「同じように働いているのに、なぜか自分だけ疲れがひどい」

「いろんな疲労対策を試したけど、どれもいまいち改善しない」

——そんなお悩みではないですか?

実はそれ、対策が悪いのではなくて、ご自身の体質に合っていなかっただけかもしれません。

漢方では、ひとくちに「疲れ」といっても、その人の体質によって原因も、合う漢方薬も、おすすめの食べ物も変わってきます。

同じ疲れでも、タイプが違えば打つ手は正反対、なんてこともよくあります。

この記事では、漢方の目線でみた疲労の体質を6つのタイプに分けて、それぞれの特徴・セルフチェック・合う漢方薬・食べ物・ツボまで、できるだけ具体的に掘り下げてみます。

ご自身がどのタイプに近いか、探しながら読んでいただけたらと思います。

結論
  • 漢方では、疲れの体質を大きく「気虚・血虚・気血両虚・腎陽虚・腎陰虚・気滞」の6タイプで考えます。
  • 多くの方は、いくつかのタイプが混ざっています(たとえば気虚+血虚=気血両虚など)。
  • まず自分のタイプを知ることが、合う漢方薬・食べ物・養生にたどり着く近道です。

目次

その前に|漢方の「気・血・水」をざっくりと

タイプの話に入る前に、土台になる考え方を少しだけ。漢方では、体を構成する3つの要素で考えます。

  • 気(き)…体を動かし、温め、守るエネルギー。これが足りないと「疲れ・だるさ」が出ます。
  • 血(けつ)…全身に栄養とうるおいを運ぶもの。足りないと「顔色不良・めまい・乾燥」が出ます。
  • 水(すい)…血以外の体の水分。とどこおると「むくみ・重だるさ」が出ます。

そして、これらを生み出し・たくわえる工場のような役割を「五臓」が担います。疲れと関わりが深いのは、消化吸収でエネルギーを作る「脾(ひ=胃腸)」、生命力をたくわえる「腎(じん)」、気の巡りや自律神経と関わる「肝(かん)」です。

——これらを頭の片隅に置きながら、6タイプを見ていきましょう。


タイプ1|気虚(ききょ)=エネルギー切れタイプ

いちばん多い、基本の疲れタイプです。エネルギーである「気」が足りなくなった状態で、胃腸(脾)の弱りがからんでいることがほとんどです。

  • 疲れやすく、すぐ横になりたくなる
  • 食欲がわかない、食べると胃がもたれる
  • 声に力が出ない、話すのもおっくう
  • 風邪をひきやすく、治りにくい
  • 汗をかきやすい(気が体を守りきれていないサイン)

よく使われる漢方薬

  • 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)…黄耆・人参・白朮が気を補い、柴胡・升麻が下がった気を持ち上げてくれます。「気力ごと底上げしたい」ときの代表選手です。
  • 六君子湯(りっくんしとう)…四君子湯(人参・白朮・茯苓・甘草)に陳皮・半夏を加えたもの。胃腸の弱りが中心で、食欲不振やもたれが強い方に。
  • 四君子湯(しくんしとう)…気を補う一番のベース。胃腸を立て直す土台になります。

食べ物・養生

気を補う、お米・いも類・かぼちゃ・きのこ・鶏肉など、消化のよい温かいものがおすすめです。冷たい飲み物や生ものの食べすぎは胃腸を冷やして弱らせるので控えめに。がんばりすぎず、こまめに休むことも立派な養生です。

おすすめのツボ

足三里(膝の少し下、すねの外側)。胃腸を整え、疲労回復を助ける定番のツボです。


タイプ2|血虚(けっきょ)=栄養不足タイプ

「気」ではなく、栄養とうるおいを運ぶ「血」が足りないタイプです。女性に多くみられます。

  • 顔色が悪い、唇や爪の色が薄い
  • 立ちくらみ、めまい、動悸がある
  • 髪がパサつく、抜け毛が気になる
  • 目が疲れやすい、乾く
  • 女性では、生理の量が少ない・遅れがち

よく使われる漢方薬

  • 四物湯(しもつとう)…当帰・芍薬・川芎・地黄の4つで「血」を補い、巡らせる基本処方。血虚タイプの土台です。
  • 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)…血を補いながら、余分な水(むくみ)もさばいてくれます。冷えやむくみをともなう女性に。

食べ物・養生

血を補う、赤身肉・レバー・卵・黒ごま・なつめ・ほうれん草・にんじんなど、色の濃い食材を意識して。無理なダイエットや睡眠不足は「血」を消耗するので要注意です。夜更かしは血を養う時間を奪ってしまうので、なるべく早めの就寝を。

おすすめのツボ

血海(けっかい/膝のお皿の内側上)。その名のとおり「血」に関わるツボです。


タイプ3|気血両虚(きけつりょうきょ)=消耗しきったタイプ

気虚と血虚が重なった状態です。長く続いた疲れや、病後・産後など、心身をしっかり消耗したあとに多くみられます。慢性的な疲れの方は、このタイプにあてはまることが少なくありません。

  • 強い疲れに加えて、やせ・顔色不良・冷えもある
  • 食欲もないし、ちょっとしたことで息切れする
  • 眠りが浅い、不安感や気分の落ち込みもある

よく使われる漢方薬

  • 十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)…四君子湯(気)+四物湯(血)に黄耆・桂枝を加えた、気も血もしっかり補う処方。消耗が大きい方の立て直しに。
  • 人参養栄湯(にんじんようえいとう)…気血を補いつつ、咳や不安・物忘れっぽさなど心の不調にも配慮した処方。病後・産後の疲れに幅広く。
  • 帰脾湯(きひとう)…気血を補いながら「心」を養い、疲れに不眠・不安・くよくよがからむ方に向きます。

食べ物・養生

気を補う食材と血を補う食材を、どちらも取り入れるのがポイント。とにかく「消耗を減らして、ためる」時期です。焦らず、休むことを最優先にしてくださいね。


タイプ4|腎陽虚(じんようきょ)=冷えて力が出ないタイプ

生命力の根っこである「腎」が弱り、特に体を温める力(陽気)が不足したタイプです。副腎疲労と呼ばれる状態とも重なりやすく、加齢や働きすぎでもあらわれます。

  • 体の芯から冷える、特に腰や下半身が冷たい
  • 腰がだるい、重い
  • 夜中にトイレで何度も起きる
  • 気力がわかない、朝が特につらい

よく使われる漢方薬

  • 八味地黄丸(はちみじおうがん)…六味地黄丸(腎をうるおす)に、桂皮・附子という体を温める生薬を加えたもの。冷えをともなう腎の弱りに用いられます。
  • 真武湯(しんぶとう)…体を温め、余分な水をさばく処方。強い冷えやむくみ、だるさが前面に出る方に。

食べ物・養生

腎を養い、体を温める、黒い食材(黒豆・黒ごま・きくらげ)、えび、くるみ、山いも、根菜やしょうが)がおすすめです。冷たい飲食はできるだけ避け、腰やお腹を冷やさない服装を。湯船にしっかり浸かるのも、このタイプには大事な養生です。

おすすめのツボ

腎兪(じんゆ/腰の、背骨の両脇)。手のひらやカイロで温めるだけでも、ほっとしますよ。


タイプ5|腎陰虚(じんいんきょ)=ほてり・かわきタイプ

同じ腎の弱りでも、こちらは体をうるおし・鎮める力(陰液)が不足したタイプ。腎陽虚とは逆に、「冷え」ではなく「ほてり」が出るのが特徴です。

  • 強い疲れに加えて、手足や顔がほてる
  • 寝汗をかく、午後に微熱っぽくなる
  • のどや口がかわく
  • 寝つきが悪い、眠りが浅い

よく使われる漢方薬

  • 六味地黄丸(ろくみじおうがん)…地黄・山茱萸・山薬が腎をうるおし補い、余分なものをさばく生薬と組み合わさった、腎陰虚の基本処方です。

食べ物・養生

うるおいを補う、山いも・白きくらげ・れんこん・豆腐・黒ごま・梨などを。辛いものやアルコール、夜更かしは「陰」をさらに消耗させるので控えめに。火照るからと冷たいものを取りすぎると、別の不調を招くこともあるので、ほどほどに。


タイプ6|気滞(きたい)=ストレスで気がつまったタイプ

「足りない」のではなく、「気が巡らず、つまっている」タイプです。ストレスや緊張が続くと、自律神経と関わる「肝」のはたらきが乱れて、気の流れがとどこおります。

  • 疲れているのに、神経が高ぶって休めない
  • イライラ、または気分の浮き沈みが激しい
  • 寝つきが悪い、夜中に目が覚める
  • お腹が張る、ため息が多い
  • 朝より夕方〜夜に、かえって元気になる

よく使われる漢方薬

  • 加味逍遥散(かみしょうようさん)…柴胡・薄荷が気を巡らせ、当帰・芍薬が血を補い、火照りやイライラを鎮める生薬も加わった、ストレス疲れの代表処方。女性に使われることが多いです。
  • 四逆散(しぎゃくさん)…柴胡・芍薬・枳実・甘草で、つまった気をのびやかに巡らせます。緊張で気を張りつめやすい方に。

食べ物・養生

気を巡らせる、香りのよいものがおすすめです。柑橘類(みかん・ゆず)、しそ、みつば、セロリ、ミントなど。軽い運動やウォーキングで体を動かし、深く呼吸することも、巡りを助けてくれます。


「どれにも当てはまる気がする」のは、自然なことです

ここまで読んで、「いくつも当てはまるかも」と感じた方も多いと思います。

それはごく自然なことで、実際のところ、多くの方はこれらのタイプが混ざり合っています

気虚と血虚が重なれば気血両虚、ストレスと冷えが同居している、なんてこともよくあります。

だからこそ、「この症状にはこの漢方薬」と一律に決めるのではなく、今のあなたの体質の組み合わせを見極めることが大切なんです。ここは、私たちのような漢方の専門家にいちばん相談していただきたいところです。

舌の状態(舌診)や、お困りごとの出方をうかがうと、タイプの見当がぐっとつきやすくなります。


あなたの体質、いっしょに見つけましょう

「自分がどのタイプか、いまいち分からない」「いくつか試したけど合わなかった」——そんな方こそ、ぜひ一度ご相談ください。灯心堂漢方薬局では、130種類以上の生薬の中から、お一人おひとりの体質をていねいにうかがって、その方に合った漢方薬と養生をご提案しています。

まずは気軽に、LINEからお声がけくださいね。ご来店が難しい遠方の方には、オンライン相談・全国発送も承っています。「いきなり相談はちょっと…」という方は、【かんたん体質分析】からご自身のタイプを知ってみるのもおすすめです。

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