慢性疲労症候群かも?と思ったら|セルフチェック・初期症状・何科を受診するか、漢方薬剤師がやさしく解説します

慢性疲労症候群かも?と思ったら|セルフチェック・初期症状・何科を受診するか、漢方薬剤師がやさしく解説します

 この記事を書いた人

・灯心堂漢方薬局 薬局長
・薬剤師歴10年以上

店舗のLINE登録者数2000人以上
・漢方を通して、皆様が少しでも健康に過ごせる手助けをできればと思います。>>プロフィール記事はこちら

西山光です

「ぐっすり寝たはずなのに、朝から起き上がれないくらい疲れている」

「その疲れが、もう何か月も抜けない」

「病院で検査をしても“異常なし”と言われて、つらさだけが残っている」——そんなお悩みではないですか?

ネットで調べているうちに「もしかして慢性疲労症候群?」という言葉にたどり着いて、かえって不安になってしまった、という方も多いと思います。

この記事では、慢性疲労症候群とはどんな状態なのか、セルフチェックや初期症状、診断の考え方、そして何科を受診すればいいのかを、できるだけやさしく整理しました。

検査では異常が出ないのにつらい、という方に向けて、漢方からの体質ケアという選択肢もお話しします。

最後までご覧いただけたらと思います。

結論
  • 慢性疲労症候群は、思いつきの言葉ではなく診断基準のある正式な病気です。十分に休んでも回復しない強い疲労が、6か月以上続くのが特徴です。
  • まずは医療機関で、他の病気が隠れていないかを確認することがいちばん大切です。
  • 検査で「異常なし」と言われても、つらさは気のせいではありません。そういうときに、体質から立て直す漢方が選択肢になります。

目次

慢性疲労症候群って、どんな病気?

慢性疲労症候群は、それまで元気に過ごしていた人が、ある時期から原因のはっきりしない強い疲労感におそわれて、それが長く続き、生活に支障が出てしまう病気です。

いちばんの特徴は、休んでも回復しないこと。

ふつうの疲れは、寝ればスッキリしますよね。

ところが慢性疲労症候群の疲れは、どれだけ休んでも抜けません。

朝、目が覚めた瞬間から、もうぐったりしている。ここが「ただの疲れ」との大きな違いです。

ちなみに「慢性疲労」と「慢性疲労症候群」は、言葉は似ていますが別ものです。

前者は生活習慣やストレスからくる一般的な疲れを広く指す言葉で、後者は診断基準を満たす一つの病気を指します。


慢性疲労症候群のセルフチェック

まずは、ご自身の状態を振り返ってみましょう。次のような項目に、心当たりはありませんか?

  • 強い疲労感が6か月以上続いている、または繰り返している
  • しっかり寝て休んでも、疲れが回復しない
  • 朝起きた時点で、もうひどく疲れている
  • 集中力や思考力が落ちて、仕事や家事に支障が出ている
  • 微熱っぽさや、喉の痛み、頭痛が続くことがある
  • 関節や筋肉が痛む、首やわきのリンパが腫れる感じがある
  • 眠れない、または眠りすぎるなど、睡眠のリズムが乱れている
  • 光や音を、前よりまぶしく・うるさく感じる

これはあくまで気づきのための目安で、これだけで慢性疲労症候群と決まるわけではありません。

ただ、当てはまるものが多かったり、生活に支障が出ていたりするなら、まずは病院を受診してください。


初期症状は「ただの疲れ」と見分けづらい

この病気のやっかいなところは、初期には「ちょっと疲れているだけ」と区別がつきにくいことです。次のようなサインが、休んでも改善せずに続いていく場合は、少し気にかけてあげてください。

  • 風邪をひいた後から、なぜか強いだるさが抜けない
  • これまで普通にできていた仕事や家事で、極端に消耗するようになった
  • 疲れに加えて、微熱・頭痛・喉の違和感がだらだら続く
  • 「気のせい」「怠けているだけ」と、自分を責めて無理を重ねてしまう

「病院に行くほどじゃない」とがんばって我慢を続けると、かえって長引いてしまうことがあります。早めに気づいてあげることが、回復への近道になります。


診断基準と、血液検査でわかること

「診断基準ってどうなってるの?」「血液検査でわかるの?」というご質問、とても多いです。

慢性疲労症候群には、専門の学会が定めた診断の指針があります。

ざっくり言うと、生活が大きく損なわれるほどの強い疲労が6か月以上続いていること、そしてその疲労を説明できる他の病気を除外できることが柱になっています。

ここで知っておいてほしいのが「他の病気の除外」という考え方です。

強い疲労の裏には、甲状腺の不調、貧血、睡眠時無呼吸、うつ病、膠原病など、別の原因がかくれていることがあります。

だから血液検査は「慢性疲労症候群そのものを証明する」ためではなく、こうした他の病気を見つけ出す(除外する)ために行われます

つまり、検査で「異常なし」と言われることは、慢性疲労症候群を否定するものではなく、むしろ診断の一歩になり得ます。

「検査では何も出なかったのに、つらさは本物」——これは決して、あなたの気のせいではありません。


「死亡」と検索してしまうほど不安な方へ

「慢性疲労症候群 死亡」と検索される方が、実はとても多いんです。それだけ、強い不安を抱えていらっしゃるのだと思います。

慢性疲労症候群は、それ自体が直接命を奪うような病気として一般に位置づけられているわけではありません。

ただ、生活が立ちゆかなくなるほど消耗する、負担の大きい病気であることは確かです。

そして、強い疲労の裏に別の病気がかくれている可能性もあります。

だからこそ、不安を一人で抱え込まずに、医療機関できちんと診てもらうことがいちばん大切です。


慢性疲労症候群は何科に行けばいい?

「何科を受診すればいいの?」というのも、よくいただく質問です。

まずは内科が、全身を幅広く診てもらえる最初の窓口になります。

疲れに加えて気分の落ち込みや不眠が強いときは、心療内科・精神科という選択肢もあります。

お近くに疲労外来や専門外来があれば、そちらも頼りになります。

どの科であっても、最初の一歩は「かくれた病気がないかを確認すること」

ここを飛ばさないのが、遠回りを避けるコツです。


検査では異常がないのに、つらい。そんなときの漢方という選択肢

医療機関で他の病気が除外されて、それでも疲れが続く——。

このとき、西洋医学では決め手になる治療が見つかりにくいことがあります。

ここに、漢方の出番があります。

漢方では、検査の数値に表れない不調も、体質のかたよりとして捉えます。

慢性化した疲れは、漢方の目線でいうと、体を動かすエネルギー「気」が足りなくなった状態(気虚)や、栄養を運ぶ「血」が足りない状態(血虚)、そして生命力の根っこである「腎」が弱った状態(腎虚)と考えます。

さらに、ストレスで気の巡りがとどこおる「気滞」がからんでいることもよくあります。

漢方らしいのは、「慢性疲労症候群だから、この薬」と病名では決めないところです。

同じ強い疲れでも、体質によって選ぶものは変わってきます。

  • 胃腸が弱くて食欲がわかない、声に力が出ない → エネルギー不足(気虚)タイプ
  • 顔色が悪く、めまいや動悸、女性なら月経の乱れ → 栄養不足(血虚)タイプ
  • 強い冷え、腰のだるさ、夜のトイレが近い → 腎の弱り(腎陽虚)タイプ
  • ほてり・寝汗・午後の微熱感・寝つきの悪さ → うるおい不足(腎陰虚)タイプ
  • イライラや緊張が強く、気が張りつめている → 気の巡りの滞り(気滞)タイプ

市販の漢方を試してみたけど今ひとつだった、という方は、もしかすると体質の見立てがずれていたのかもしれません。

タイプが違えば、合うものは正反対になることもあります。漢方を専門にあつかっているところに問い合わせるのもいいです。

養生の面でも、エネルギーを生み出す土台として、栄養バランスのとれた食事(ビタミンB群を含む食材など)、睡眠のリズム、無理のない範囲の活動、ストレスとの付き合い方を、漢方と一緒に見直していきます。


ひとりで抱えこまず、まずはご相談ください

慢性疲労症候群のような不調は、症状の出方も、その奥にある体質も、本当に人それぞれです。

だからこそ、ネットの情報や市販薬だけで「自分に合うもの」を探し当てるのは、なかなか難しいです。

灯心堂漢方薬局では、130種類以上の生薬の中から、お一人おひとりの体質をじっくりうかがったうえで、その方に合った漢方薬と養生をご提案しています。

「どこに相談しても変わらなかった」「自分に合う漢方が知りたい」という方も、どうぞ気軽にLINEからご相談ください。

ご来店が難しい遠方の方には、オンラインでのご相談・全国発送も承っています。

「いきなり相談はちょっと…」という方は、まずは【かんたん体質分析】から、ご自身のタイプを知ってみるのもおすすめです。

目次