肌の血色が悪いのを改善するための漢方薬の選び方とその使い方 

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西山光です

皮膚の血色が悪いと感じたことはありませんか?

肌の血色が悪くなる要因として、アトピー性皮膚炎、肌の乾燥、栄養不足などがあります。

肌の血色が悪くなる疾患についてはこちらのサイトを参考にしてください→

肌の血色が悪い、肌の栄養状態が悪い要因について考えたいと思います。

目次

肌の血色が悪い原因は?

皮膚の血色が悪くなる一番の原因として血虚があります。

血虚というのは漢方では栄養が不足している状態のこと指します。

肌の栄養が不足することで肌の血色が悪くなります。

アトピー性皮膚炎などの皮膚の疾患があると、皮膚に慢性的に炎症が起こっている状態になります。

アトピー性皮膚炎など、慢性的な肌の炎症があると、肌の血が不足しやすくなる

皮膚での慢性的な炎症によって、皮膚には熱がこもり、徐々に血を消耗していきます。

血が消耗し、血が不足した血虚になることで、肌の血色が悪くなります。

血の不足は、肌の栄養状態が悪くなるだけでなく、肌の熱・炎症にも影響してきます。

血には潤す働きがあるため、血虚になると肌を潤すことができなくなります。

血の潤いによって、肌を適切に冷やすことができていたのが、血虚によって肌をきちんと冷やすことができずに熱感が生じてきます。

熱感があると、かゆみを感じやすくなり、肌を余計にかきむしったりする恐れがあります。

皮膚をかきむしると、肌が傷つき、さらに血を消耗していく悪循環に陥ります。

肌の悪循環

血は潤す働きがあり、肌つやを維持し、適切に冷やす効果がある。

血が不足すると、肌つやが悪くなり、熱感が生じやすくなる。

「血」色が悪いと表現するように、血の状態が悪いといえます。

肌の血色が悪い時には、血を養う漢方薬を中心につかいます。

かゆみが一番気になる方は次の記事を参考にしてください。

肌の血色が悪いときの漢方薬は?

肌の血色が悪いときの漢方薬に四物湯、温清飲、帰脾湯、加味帰脾湯、加味逍遙散加川芎地黄があります。

四物湯

四物湯(しもつとう)は血を補う代表的な漢方薬です。

次に紹介する温清飲、加味逍遙散加川芎地黄にも四物湯の構成が含まれています。

四物湯は当帰・芍薬・川芎・地黄の4つの生薬から構成され、すべて血を補う働きがあります。

血を補うだけでなく、血をめぐらせる働きもあり、四物湯に入っている生薬の種類は少ないですが、血虚に適した漢方薬といえます。

四物湯は血を補う漢方薬であるため、肌の乾燥、肌の色つやの悪さ、しみ、貧血、生理不順、更年期などにもつかうことができます。

温清飲

温清飲(うんせいいん)は四物湯と黄連解毒湯を組み合わせた漢方薬です。

温清飲=四物湯+黄連解毒湯

肌の色つやが悪くなるのは、アトピー性皮膚炎などの慢性的な肌の炎症によって、皮膚の血が不足することでなります。

温清飲には肌を養う四物湯と、炎症を抑える四物湯が合わさっており、乾燥と炎症のどちらもある方に適しています。

温清飲はアトピー性皮膚炎などの慢性的な肌の炎症で肌の血色が悪くなった方に適した漢方薬といえます。

帰脾湯

帰脾湯(きひとう)は気血を養う漢方薬です。

肌の症状がメインのときにつかうことはあまりありませんが、体力中等度以下で、心身が疲れ、血色が悪いものの、貧血、不眠症、神経症、精神不安などにつかう漢方薬です。

肌の血色の悪さが身体のなかの血の不足を表しているときです。

血虚になると、不眠症、精神不安になりやすくなります。

帰脾湯は酸棗仁・竜眼肉の心血を養う生薬が入り、不眠症、精神不安に効果を発揮します。

血色が悪く、不眠症、精神不安があるときは帰脾湯が適しています。

加味逍遙散加川芎地黄

加味逍遙散加川芎地黄(かみしょうようさんかせんきゅうじおう)は血を補い、気をめぐらせる漢方薬です。

加味逍遙散加川芎地黄は皮膚があれてかさかさし、ときに色つやが悪く、肩がこり、疲れやすく精神不安やいらだちなどの精神神経症状、生理不順、更年期もあるときにつかいます。

頻用される加味逍遙散という漢方薬に血を補う川芎・地黄を加えた漢方薬で、生理不順、更年期などの症状に肌の乾燥があるときはこちらが適しています。

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