この記事を書いた人
・灯心堂漢方薬局 薬局長
・薬剤師歴10年以上
・店舗のLINE登録者数1000人以上
・漢方を通して、皆様が少しでも健康に過ごせる手助けをできればと思います。>>プロフィール記事はこちら
西山光です
この記事を書いた人
・灯心堂漢方薬局 薬局長
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・頭痛に使う漢方薬は?
・どう使い分けるの?
漢方薬の違いってわかりづらいですよね。
ここでは頭痛につかう漢方薬の違いと使い分けについて説明しています。
このブログを読むことで、ご自身にあったものを選んでいただけたらと思います。
緊張型頭痛、張ったような痛みの頭痛→釣藤散
片頭痛(片頭痛)→呉茱萸湯
低気圧の頭痛→五苓散
激しい頭痛→清上蠲痛湯
この記事を読んでわかること
・頭痛の原因
・漢方薬のつかいわけ
・おすすめの食事、生活習慣
漢方をうまく取り入れて、頭痛に悩まない生活を送れるようになればと思います。
頭痛には緊張型頭痛、偏頭痛(片頭痛)、群発頭痛などがあります。
緊張型頭痛は締め付けられるような痛みで肩こりなどを伴うことも多いです。
片頭痛(偏頭痛)はズキンズキン痛み、頭痛前にチカチカを感じることも多いです。
また緊張型頭痛と偏頭痛の混合型もあります。
群発頭痛の痛みは激しく、一度頭痛を起こすと1,2か月ほど継続します。
頭痛については、あまが台ファミリークリニック様の動画がとてもわかりやすいので紹介させていただきます。怖い病気のこともありますので、病院の受診をお願いいたします。
緊張型頭痛はデスクワークなどで首・肩の筋肉が緊張したり、精神的なストレスから発症するといわれていますが、はっきりとした原因はわかっていません。日常的にみられやすい頭痛です。
片頭痛が起きる要因は、ストレス、寝不足、女性ホルモンの変化、天候や気圧の変化、空腹、肩こり、アルコールなどがきっかけで、血管が拡張し、神経を圧迫することで起こるといわれています。
群発頭痛については、まだはっきりわかっていないことも多いです。
また頭痛は緑内障、帯状疱疹、脳の疾患でもみられることがあるので、一度病院の受診をおすすめします。
漢方で頭痛の原因は、気滞、瘀血、痰飲、冷えなどが考えられます。
・気滞の痛みは張ったような痛み
・瘀血の痛みは激しく、固定性の痛み
・痰飲の痛みはめまいを伴い、低気圧になりやすい
・冷えの痛みは冷え性タイプがなりやすい
漢方では頭痛といってもタイプがあります。それぞれのタイプにあわせて、漢方薬をつかいわける必要があります。
緊張型頭痛のような気滞からの痛みには香りの良い食べ物がおすすめです。紫蘇、薄荷、セロリ、三つ葉などの香味野菜、お茶であればジャスミンティーがおすすめです。
偏頭痛の方が避けるべき食べ物としては、チーズ、脂っこい食事、柑橘類などを避けることをおすすめします。
頭痛につかう漢方薬に釣藤散、呉茱萸湯、五苓散、清上蠲痛湯があります。
気の鬱滞があることで緊張型頭痛を引き起こし、肩こりも気滞から生じます。
・緊張型頭痛
・張ったような痛み
・肩こり
釣藤散の釣藤鈎・菊花が頭痛・肩こりの原因となる気をめぐらせ、頭痛に効果を発揮します。
緊張型頭痛、張ったような痛みの頭痛に釣藤散が適しています。
冷えがあることで、片頭痛を起こしやすくなります。
・片頭痛(偏頭痛)
・頭痛からの吐き気、嘔吐
・冷え性
・生理前に冷える
呉茱萸湯の呉茱萸が頭痛の原因の気を温めて、降ろし、頭痛に効果を発揮します。
片頭痛、頭痛から吐き気もあるときは呉茱萸湯が適してます。
雨が降ったり、台風が来たりすると頭痛になるときは低気圧が原因の頭痛です。
・低気圧の頭痛
・雨の日の頭痛
・台風の日の頭痛
五苓散の白朮・茯苓などが水のめぐりを整えることで、低気圧の頭痛に効果を発揮します。
低気圧の頭痛には五苓散が適しています。
気の鬱滞や、熱が強いと頭痛も激しくなります。
・激しい頭痛
・慢性化した頭痛
清上蠲痛湯には激しい頭痛の原因となる風熱を発散する生薬が多く入っており、頭痛、顔面痛に効果を発揮します。
激しい頭痛には清上蠲痛湯が適しています。
風池(ふうち)は少陽胆経のツボで、体内の熱を冷ましたり、肝の亢進を緩和し、頭痛におすすめです。
頭は経絡の集まる部位であり、経絡の流れに異常があれば頭痛が生じます。
経絡が通っている部位は決まっており、頭痛の場所によってどの経絡が原因なのか、考察できます。
□後頭部・うなじの痛み
足太陽膀胱経(あしたいようぼうこうけい)は、項(うなじ)を通る経絡です。
カゼ引いた時もこの経絡に不調を来しやすく、カゼ引いて首が重たるなるのは足太陽膀胱経が関係しています。
カゼ引いていなくても、太陽膀胱経の流れが悪ければ、後頭部から項(うなじ)が痛みやすくなります。
□眉あたりの頭痛
足陽明胃経(あしようめいけい)は、喉を通り、前頭部を通る経絡です。
陽明胃経の経絡に不調があると、前頭部から眉に頭痛が起こりやすくなります。
□側頭部の頭痛
足少陽胆経(あししょうようたんけい)は脇腹などの身体の側面を通る経絡です。
頭に経絡が通るときも側面を通り、耳下から頭へ経絡が通っています。
少陽胆経の経絡に不調があると、頭の両側、耳あたりに頭痛が生じやすくなります。
□頭頂部の頭痛
足厥陰肝経(あしけっちんかんけい)は、頭の頭頂部を通っている経絡です。
頭頂部のところは、百会というツボがあり、その字の通り頭頂部はあらゆるものが会する場所とされています。
厥陰肝経の経絡に不調があると、頭頂部に頭痛が起こりやすくなります。
30代前半。女性。「1年前くらいから頭痛の頻度が増え、吐き気を伴ったり、薬が効きにくくなりました。また、PMSも年々重くなっていて血が足りないと感じることが多く、頭痛とも相関しているような気がします。」「頭痛は重い感じ。前頭か、側頭部でズキンスキン。週2,3回。痛み止めは効かないときがあります。」「ふらふらする感じ。貧血とはいわれていない。力がでない。」ほかの症状としては、生理痛がしんどい、肩こりがひどい、不安感、冷え性などありました。
症状としては、不安感が強いですが、慢性的に頭痛が続いている場合、身体のなかでは気の高ぶりが生じていることがあります。実際に、この方は肩凝りで悩まれていました。
そこで気のたかぶりを鎮める漢方薬、血のめぐりを改善する漢方薬を2週間分ご提案しました。
2週間後、来店いただいたときには、週に2,3回あった頭痛が、「漢方薬を服用してからこの2週間痛み止めを服用していない」といっていただけました。
60代女性。「頭痛は10年以上。緊張型頭痛といわれました。頭痛はグーッと締め付けられるような感じ。頭痛がなくても、頭がよどんでいる感じ。不眠症もあります。気になることがあると眠れなくなります。マイスリー・デパス・ロキソニンを必要な時に飲んでます。」
10年以上、頭痛で悩まれている方。頭痛があるときはロキソニンを服用。
不眠症もあり、気になることがあると眠れないとのこと。
肩こりもしんどいようであり、頭痛の原因が気のたかぶりと考えられた。気の高ぶりを鎮める漢方薬をご提案いたしました。
2週間後、「頭痛は減ってきて、痛み止め飲まなくなった。肩こりもマシになってきた」
さらに3週間後には「頭痛はよくなってきている。肩こりもいい感じ。いらいらもよくなってきた。」
さらに3週間後には「いらいらしにくくなった。睡眠は何回か目覚めるときがあるくらい。」
さらに3週間後には「朝がすっきり起きれるようになってきた。頭痛はない」
さらに3週間後には「たまーに頭痛があるくらい。寝不足のときは頭痛がでやすい。肩こりもなくなってきた。気持ち的にも落ち着いてきています」といっていただけました。
女性。「急に気圧が下がると起き上がれないくらいの頭痛がするのですが、その場合、漢方薬で対処できますでしょうか?」「雨天時の頭痛の際、コーヒーを飲むと好転します。」
低気圧時の頭痛でお悩みの方。低気圧、つまり雨が降るときに頭痛を起こしやすいとのこと。
漢方では、整体観といって、身体の外側の環境と、身体の中の環境はリンクしていると考えられています。
低気圧の雨のときに頭痛がするときは、身体のなかでも水のめぐりが悪くなっていることが多いです。
低気圧時の頭痛に対応した漢方薬をご提案いたしました。
その後、梅雨の時期になると、「梅雨に入り、偏頭痛の兆しがありましたが、五苓散を服用したためか頭痛が遠のき、寝込まずに済みました。 ありがとうございます」といっていただけました。
40代後半。生理前の頭痛。頭痛がひどく、嘔吐するときもある。頭痛がひどく、嘔吐もみられるとのこと。
この方は身体の奥から温め、頭痛の原因となる気を降ろす漢方薬を服用していただいた。
「生理前と生理中の頭痛に呉茱萸湯を服用しました。すぐに治まりはしなかったですが、かなり楽に過ごせました。 今までは、頭痛と一緒に吐いていましたが、今回は吐き気も、吐くこともなく、鎮痛剤も飲みませんでした。」といっていただきました。
現在は、頭痛が起こらないように体質改善のために漢方薬を服用していただいています。