苓桂甘棗湯と苓桂朮甘湯の違いは?~自律神経、パニック障害に効果ある?~

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西山光です
目次

苓桂甘棗湯と苓桂朮甘湯の違いは?

苓桂甘棗湯と苓桂朮甘湯はとても似た漢方薬です。

茯苓・桂皮・甘草に「大棗」が加わると苓桂甘棗湯になり、「白朮」が加わると苓桂朮甘湯になります。

パニック障害などの不安神経症、ヒステリーなどの神経の高ぶりがあるときは苓桂甘棗湯が適し、水と気のめぐりが悪く、動悸・めまい・神経症があるときは苓桂朮甘湯が適しています。

さらに簡単にいうと、不安や恐れが下腹部から突きあがってくるような、強い症状のときは苓桂甘棗湯を試してみるのもいいと思います。

苓桂甘棗湯
水をめぐらせる生薬の
白朮が入っている
苓桂朮甘湯
甘い生薬の
大棗が入っている
不安、恐れ、緊張を
緩める働きが強い
水の停滞、動悸などの
水を出す働きが強い
不安、恐れ、緊張の
神経の高ぶりが強い方
動悸、不安、めまいの
症状がある方
苓桂甘棗湯と苓桂朮甘湯の違いは?
苓桂甘棗湯と苓桂朮甘湯の違いは?

苓桂甘棗湯と苓桂朮甘湯の構成の違いは?

苓桂甘棗湯と苓桂朮甘湯は、1味の生薬が異なっているだけの漢方薬です。

【茯苓・桂皮・甘草】+大棗→苓桂甘
【茯苓・桂皮・甘草】+白朮→苓桂甘湯

茯苓・桂皮・甘草に大棗が入ると苓桂甘棗湯になり、茯苓・桂皮・甘草に白朮が入ると苓桂朮甘湯になります。

苓桂甘棗湯と苓桂朮甘湯の違いを知るためには、「大棗」と「白朮」の生薬の違いを知る必要があります。

大棗

苓桂甘”棗”湯の大棗はナツメという生薬です。

ナツメは薬膳でも使用される生薬の1つです。

ドライフルーツのように食べることができ、甘味が強い生薬です。

大棗の強い甘味は緊張を緩める働きがあります。

大棗が精神的な不安、恐れ、緊張を大棗が緩めてくれます。

そのため苓桂甘棗湯は自律神経の乱れ、パニック障害、不安や恐れの神経の高ぶりに使用されます。

白朮

苓桂”朮”甘湯の白朮は水をめぐらせる生薬です。

白朮は利水薬の代表的なものの1つです。

白朮は水をめぐらせる働きがあるため、苓桂朮甘湯は水のめぐりを改善する働きがあります。

水のめぐりの悪さからくる動悸、不安には苓桂朮甘湯が適しています。

苓桂甘棗湯と苓桂朮甘湯の使い分けは?

苓桂朮甘湯の方が大棗という甘い生薬が入っているため、精神的な不安、恐れの高ぶりが強い方は苓桂朮甘湯が適しています。

水のめぐりの悪さから、動悸、不安になるときは苓桂朮甘湯が適しています。

ただ苓桂甘棗湯でもパニック障害、不安、恐れの高ぶりに改善がみられないときは、さらに気を鎮める漢方薬を併用する必要があります。

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