便秘の漢方薬5選~慢性的な便秘、乾燥した便、ガスが溜まりやすい体質~
便秘
便秘の有病率は男性では2.5%、女性では4.6%と、女性に多くみられます。
男女ともに、加齢とともに便秘になる方が増え、80歳以上では男女ともに10.8%の方便秘になっています。
便秘はいくつか分類され、器質性便秘、症候性便秘、薬剤性便秘、機能性便秘(さらに痙攣性、弛緩性、直腸性に分けられる)があります。
排便のメカニズムについてはこちらのサイトをご参考にしてください→
便秘と食事
便秘の漢方薬は?
大黄甘草湯
大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)は便秘の漢方薬の一番シンプルな構成で、しっかりお通じを改善する漢方薬です。
大黄甘草湯は大黄と甘草から成っています。
大黄が腸を刺激し、排便を促す働きがあります。
大黄にはセンノシドという成分が含まれ、センノシドが大腸粘膜を刺激します。
医療用ではセンノシドの錠剤を見たことがあるかもしれませんが、その成分が大黄にも含まれています。
甘草は薬を調和する働きがあるとともに、甘草の甘味が排便によって失われる水を補います。
ときどき便秘になるかたであれば大黄甘草湯が適してます。
麻子仁丸
麻子仁丸(ましにんがん)は腸を潤すとともに排便を促す漢方薬です。
麻子仁丸は大黄・麻子仁・枳実・厚朴・芍薬・杏仁から構成されています。
大黄が腸を刺激し、排便を促します。
麻子仁・杏仁は植物のタネです。植物のタネにはオイルが多く含まれ、腸を潤す働きがあります。
麻子仁・杏仁が滋潤するため、乾燥した便を潤し、出しやすくしてくれます。
厚朴・枳実・芍薬は気の流れを調整する生薬です。
便秘があるときは、気の鬱滞があり、大便の流れが悪くなっています。
厚朴・枳実・芍薬が入ることで気の流れ、腸の流れを調整し、排便を助けます。
麻子仁丸は普段から便秘がちで、便が乾燥し、固くなっている方に適しています。
潤腸湯
潤腸湯(じゅんちょうとう)は漢方薬の名前のように、腸を潤すことでお通じを改善する漢方薬です。
潤腸湯は大黄・甘草・麻子仁・杏仁・桃仁・当帰・地黄・枳実・厚朴・黄芩から構成されています。
大黄・甘草は大黄甘草湯の組み合わせで、腸を刺激して排便を促します。
麻子仁・杏仁・桃仁は植物のタネです。タネには油分が多く含まれ、腸を潤し、乾燥した便を潤します。
麻子仁丸には麻子仁・杏仁の2種類のタネしか入っていませんでしたが、潤腸湯では桃仁も入り、3種類の植物のタネが入り、強力に潤してくれます。
当帰・地黄は血を養う生薬です。血を養うことで肌の乾燥を防ぎ、血・陰が増えることで腸も潤い、お通じも改善します。
とくに地黄が多く入っており、陰を強く補うことで、お通じも良くします。
潤腸湯は麻子仁丸よりも潤す生薬が多く入り、乾燥状態が強い便秘の方に適しています。
潤腸湯の乾燥は、便が乾燥して便秘になっているだけでなく、肌まで乾燥してきます。
潤腸湯の効能効果にも「ときに皮膚乾燥などがあるものの次の症状:便秘」と書いてあります。
大柴胡湯
桃核承気湯
関連情報