不正出血

 

ホルモンの異常や様々な病気により月経以外に性器から出血することを不正性器出血といいます。

 

新しい血液は赤いですが、古い血液は茶色、わずかな出血では黄色のこともあります。

 

排卵期に起こる中間期出血など病気ではないものもありますが、なかには重大な病気の症状のこともあるので、一度病院の受診をおすすめします。

 

ここでは器質的なものでなく、機能性の不正出血について漢方の視点で説明します。

 

 

漢方においては上記の４つの体質が原因に考えられます。

 

それぞれの状態について説明します。

 

不正出血につかう漢方薬は？

不正出血の効能効果のある漢方薬に芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)があります。

 

芎帰膠艾湯の阿膠(あきょう)と艾葉(がいよう)が止血に働く生薬で、不正出血につかいます。ちなみに艾葉はハーブでもよくつかわれるヨモギのことです。

 

 

腎陰虚

腎は漢方において精・生命エネルギーをつかさどっています。

 

腎が弱くなると不妊・インポテンツなどに影響します。

 

生理も出産に関わることなので腎の働きが重要になります。

 

腎陰虚というのは腎を冷やす陰液が不足している状態です。

 

陰が少ないため、相対的に熱が過剰になり、熱感の症状が多くなります。

これらにあてはまるときは腎陰虚の体質の可能性があります。

 

腎陰が不足している状態であるため、腎陰を補う漢方薬をつかいます。

 

 

腎陽虚

腎の陽気が虚している状態です。

 

腎は前述したように精をつかさどり、生理にも関係が深い臓です。

 

陽虚というのは体を温める陽気が不足している状態です。

 

陽気の不足は冷えにつながり、冷えに関する症状が多くみられます。

これらにあてはまるときは腎陽虚の可能性があります。

 

身体の奥から陽気を補う漢方薬をつかう必要があります。

 

 

脾気虚

脾というのは漢方において消化吸収をつかさどる臓です。

 

脾と気には固摂という血を血管の中にとどめる働きがあります。

 

脾・気が不足しているとあざができやすくなり、女性の場合は不正出血が起こりやすくなります。

これらにあてはまるときは脾気虚の可能性があります。

 

脾気を補う生薬で有名なものは人参であり、人参の入った漢方薬をつかう必要があります。

 

 

血瘀

血瘀（けつお）というのは血の停滞のことです。

 

血の滞りがあることで、本来あるべきところに血がめぐらず、それによって不正出血となります。

 

生理痛がひどい方はこれにあてはまることが多いです。

これらにあてはまるときは血瘀の体質の可能性があります。

 

血の停滞があるため、血のめぐりをよくする漢方薬をつかいます。