灯心堂漢方薬局

気虚につかう漢方薬~つかれやすいなど感じたことはありませんか?

気虚とは?

 

気虚とは気が不足した状態のことです。疲れやすさ、かぜをひきやすいなどの症状がみられます。

 

気虚になることで、様々な症状があらわれます。

 

・顔色が悪い、白っぽい
・疲れやすく、いつもだるい
・食欲がない、少食である
・かぜをひきやすい
・トイレの回数が多い
・多汗、あせをかきやすい
・水太り
・下痢をしやすい、便が軟らかい
・声が小さい、ぼそぼそしゃべる
・息切れしやすい、動悸
・冷えを感じやすい
・舌がむくんで大きい、歯型がつく

 

気の働きとは?

 

気には5つの働きがあります。

 

・血、水をめぐらせる(推動)
・身体を温める(温煦)
・病気から身体を守る(防御)
・血がもれでないようにする(固摂)
・気血水を変換し、代謝する(気化)

 

気が不足することで、身体のあらゆる機能が失調します。

 

気虚によって、推動ができなくなると、血が滞りやすく、浮腫みやすくなります。

 

気虚によって温煦(おんく)ができなくなると、冷えやすくなります。

 

気虚によって防御ができなくなると、カゼをひきやすくなります。

 

気虚によって固摂ができなくなると、いつの間にかアザができやすくなったり、汗が漏れ出やすくなります。

 

気虚体質に合った食事

気虚は胃腸の弱さにもつながります。

 

胃に負担をかけるような脂っこいもの、味の濃いもの、辛いもの生もの、冷たいものは避け、甘味のあるお米、イモ類、豆類が適しています。

 

甘味には気を補う働きがあります。

 

胃腸が整えば、胃腸が気血を養う土台をつくり、身体全体を立て直していきます。

 

 

気虚体質に合った生活

気虚は気が不足している状態のため、休養が重要になります。

 

しっかり睡眠をとり、気を養ってあげる必要があります。

 

気が不足している方は過度な運動は向いていませんが、適度な運動は必要です。

 

自分のペースでできるウォーキングなどが向いています。

 

 

気虚につかう漢方薬とは?

気虚の症状から選び、補中益気湯、六君子湯、清心蓮子飲、啓脾湯、参苓白朮散料、防已黄耆湯、当帰芍薬散、苓桂朮甘湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯などをつかいます。

 

つかれやすく、いつもだるい

気虚の症状の1つに疲れやすさ、疲労倦怠感があります。

 

つかれやすい症状のときは、補中益気湯が適しています。

 

補中益気湯には人参の強く気を補う生薬だけでなく、柴胡・升麻・黄耆の気を上向きにめぐらせる生薬も入っています。

 

補中益気湯で気を補い、気のめぐりも改善してくれます。

 

気だけでなく、血も不足している状態のときは十全大補湯もあります。

 

 

食欲がない、少食である

気虚の症状の1つに、食欲不振があります。

 

気が足りないことで、胃腸がしっかり働かず、食欲不振となります。

 

食欲不振につかう、胃薬としての漢方薬に六君子湯があります。

 

六君子湯には人参、白朮、茯苓が入り、気を強く補い、胃腸の働きも活発にしてくれます。

 

六君子湯もよくつかわれる漢方薬の1つです。

 

 

かぜをひきやすい

気虚の症状の1つに、かぜをひきやすいというのがあります。

 

気が足りないことで、気の防御の働きができず、悪い邪を追い出すことができず、カゼひきやすくなります。

 

そのような虚弱体質の方につかう漢方薬に補中益気湯があります。

 

補中益気湯は疲労倦怠感だけでなく、虚弱体質にもつかいます。

 

補中益気湯の人参で気を補い、柴胡・升麻・黄耆で気を表へめぐらせ、虚弱体質を改善します。

 

 

トイレの回数が多い

気虚の症状の1つに、トイレの回数が多いというのがあります。

 

気が足りないことで、ものを身体にとどめることができず、尿の回数が多くなります。

 

きちんと気が充足していれば、ものをとどめることができるようになります。

 

気虚の頻尿、残尿感には清心蓮子飲がつかわれます。

 

清心蓮子飲には人参・黄耆の気を補う生薬が入り、胃腸が弱い方の頻尿によく使用されます。

 

 

多汗、あせをかきやすい

気虚の症状の1つに、多汗、あせをかきやすいというのがあります。

 

気が足りないことで、汗をかく穴を閉じることができなくなります。

 

気虚によって、汗の穴を閉じることができず、汗がもれでるようになります。

 

運動をして汗をかくことは正常なのですが、少し動いただけで汗をかきやすいのは気が不足している可能性があります。

 

多汗につかう漢方薬に防已黄耆湯があります。

 

防已黄耆湯の黄耆は身体の表面まで気をめぐらせてくれます。

 

気が体表まで行きわたることで、汗の穴を閉じることが可能になります。

 

 

水太り

気虚の症状の1つに、水太りがあります。

 

気が足りないことで、余分な水を身体から追い出すことができず、水太りになります。

 

気を補うことで、水のめぐりが正常になり、利尿が順調になります。

 

水太りと、気を補うことは相反することのように思えますが、漢方の世界では関連があります。

 

水太りの市販の漢方薬に防已黄耆湯があります。

 

防已黄耆湯は黄耆が入ることで気の働きを助け、水のめぐりを助けます。

 

 

軟便、下痢になりやすい

気虚の症状の1つに軟便、下痢があります。

 

気が不足し、胃腸から栄養をしっかり吸収できなければ、軟便・下痢になりやすくなります。

 

胃腸を養い、脾陰を補う生薬の山薬・蓮肉の入った啓脾湯参苓白朮散をつかいます。

 

山薬・蓮肉が脾陰を潤し、胃腸がしっかり働く土台をつくってくれます。

 

 

動悸

気虚の症状の1つに、動悸があります。

 

心臓まで気がめぐらないことで、心臓がしっかり働くことができず、動悸になります。

 

心の陽気不足の動悸には苓桂朮甘湯がつかわれます。

 

苓桂朮甘湯には、桂皮が入り、心の陽気を補ってくれます。

 

苓桂朮甘湯によって心の陽気が充足されることで、動悸が落ち着きます。

 

 

冷え

気虚の症状の1つに、冷えがあります。

 

気は熱エネルギーであり、気が不足することで冷えとなります。

 

冷え性の代表的な漢方薬には当帰四逆加呉茱萸生姜湯があります。

 

呉茱萸、生姜などの温める生薬が多くつかわれ、身体を温めてくれます。

 

 

舌がむくんで大きい、歯型がつく

気虚の症状の1つに、舌に歯形がつくというのがあります。

 

舌に歯形がつくのは、水の鬱滞が原因ではないの?と思われる方もいらっしゃると思います。

 

確かに水の鬱滞があることで、舌に歯形つきやすくなります。

 

実は水の鬱滞だけでは歯形はつかず、気虚も原因となります。

 

気が充足し、舌先、舌縁まで気がめぐっていれば、舌の形を保つことでき、歯型がつきにくくなります。

 

気が充足していれば、舌の形を保つことができるのです。

 

鏡をみて、舌に歯形がついているときは、水の鬱滞か、気の不足を思い浮かべてください。

 

舌に歯形がつくだけでは漢方薬は選ぶことはできず、ほかの症状から漢方薬を考える必要があります。

 

 

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