胸がつかえる症状を改善するための漢方薬の選び方とその使い方

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西山光です

胸がつまったように張って苦しい感覚がありませんか?

漢方ではそういった症状を胸悶と表現します。

西洋医学的には、食道炎、胃炎、食道潰瘍、胃潰瘍、咽頭・喉頭がん、扁桃炎、不整脈、狭心症などの可能性があります。

胸は食道、胃、心臓に近く、それらに異常がある恐れがあるため、一度病院の受診をおすすめします。

しかしそれらの原因がないのにも関わらず、胸がつまったような感覚があることもあります。

漢方において胸がつまる症状がどのような状態なのか、考えたいと思います。

目次

胸がつかえる症状の漢方での原因は?

胸がつかえる症状の漢方での原因は、肝気鬱滯、心血瘀阻、肺気壅滞などが考えらえます。

簡単に言えば、胸周りで気の流れを邪魔しているものがあると、胸がつかえるような症状がでやすくなります。

・肝気鬱滯(ストレス、いらいら)
・心血瘀阻(胸痛、動悸)
・肺気壅滞(カゼ、熱、膿)

上記の3つの体質から説明します。

肝気鬱滞

肝気鬱滞(かんきうったい)は肝の気のめぐりが悪い状態です。

肝はストレスに弱い臓腑であり、ストレス、緊張がかかることで、気のめぐりが悪くなります。

気のめぐりが悪くなると、気が鬱滞することで胸がつまったような感覚となります。

・胸が苦しい
・ため息をつくと軽減
・脇痛
・めまい
・口が苦い
・のどの乾燥
・いらいら、怒りっぽい
・生理不順

これらにあてはまるとき肝気鬱滯によって胸やみぞおちがつかえ、苦しくなっている可能性があります。

原因となっている気のめぐりをよくする漢方薬に四逆散、大柴胡湯があります。

四逆散

四逆散の効能効果には、「胸腹部に重苦しさがあり」と記載されています。

四逆散の柴胡・枳実・芍薬が気のめぐりを改善し、胸腹部の重苦しさのある胸痛、神経症を改善します。

大柴胡湯

大柴胡湯の効能効果には、「脇腹からみぞおちあたりにかけて苦しく」と記載されています。

大柴胡湯の柴胡・枳実が鬱滞している気を解き、大黄が便秘も改善します。

脇腹からみぞおちあたりにかけて苦しく、便秘、肩こり、神経症がある方は大柴胡湯が向いています。

心血瘀阻

瘀(お)というのは滞りのことです。

心血が瘀血によって流れが邪魔され、胸がつまったような感じとなります。

血瘀が中心となりますが、痰などのヌメリがともなうこともあります。

・息がつまる
・夜に悪化
・胸痛もある
・肩、腕も痛みがある
・動悸
・息切れ

これらにあてはまるとき心血瘀阻の可能性があります。

血のめぐりをよくする漢方薬と、痰もともなうのであれば痰をとる漢方薬もつかう必要があります。

瘀血による動悸に環元清血飲があります。

環元清血飲

環元清血飲は丹参・芍薬・川芎・紅花が血をめぐらせ、木香・香附子が気をめぐらせることで、瘀血が原因の動悸に効能効果があります。

肺気壅滞

肺気壅滞(はいきようたい)というのは、風寒、熱、痰によって肺気が邪魔をされている状態のことです。

痰が原因であればせき、胸の鈍痛、黄色い痰などがみられます。

ときどき喘息ではないが、せきが続くという方がいらっしゃいます。

せきと、胸痛があるときには柴陥湯をつかいます。

柴陥湯

柴陥湯の効能効果には「強いせきが出てたんが切れにくく、ときに胸痛があるものの」と記載されています。

漢方でいう痰はヌメリのことを意味します。

痰が胸につまることで、せきがやまず、胸痛も生じてきます。

柴陥湯の括楼仁(かろにん)は、胸に詰まっている痰をとってくれます。

咳と胸痛があるときは柴陥湯が適しています。

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