肺活とは?~肺が元気になると全身が整う。肺活を漢方の目線で考えてみる~
肺活
肺活という言葉をご存じでしょうか?
自律神経の研究の第一人者の小林弘幸先生が提唱しているものです。
自分もヤフーニュースに取り上げられているのをみて、はじめて知りました。
肺活とは、呼吸する力を強化し、血液に取り込む酸素量を増やすことで、全身の健康状態を高めることができると説いています。
詳しくは次のリンクを参考にしてください。
肺活を簡単にまとめると、しっかり呼吸をすることで自律神経が整うということ。
漢方の目線でみても、肺活の重要さはつながっている部分が多く、説明したいと思います。
肺の働き
西洋医学での肺臓は呼吸をし、酸素と二酸化炭素を交換する臓となっています。
漢方での肺の働きはさらに広い意味合いでつかわれます。
肺活と漢方での肺の働きと相関があるのは、「宣散・粛降」という働きです。
宣散(せんさん)とは、肺が気を全身に散布する働きのこと。
粛降(しゅくこう)とは、全身に分散した気を下行させる働きのこと。
肺がしっかり働くことで、宣散し、気を全身に送り届けることができます。
肺をしっかり使うことで、気が全身に行き渡ります。
肺がしっかり働くことで、粛降し、散布された気が下向きへめぐります。
肺をしっかり使うことで、気が下向きにめぐり、気持ちが落ち着きます。
肺をしっかりつかうことで、気がめぐり、気持ちも落ち着くようになるため、漢方の目線でみても肺活によって自律神経が整うのは合理的といえます。
肺をつかうことで、気持ちが落ち着くのは疑問を感じますか?
たしかに肺と気持ちを落ち着かせる働きにあまり実感がわかないと思います。
実は、肺をつかうことで気持ちが落ち着くことを実感できるわかりやすい例があります。
それは、深呼吸です。
深呼吸をすると、気持ちが落ち着きますよね?
深い呼吸をするだけで、心が整うのが実感できると思います。
カラオケをイメージしてください。
カラオケは部屋で大声を出し、ストレス解消し、すっきりします。
カラオケは歌うために呼吸をし、肺をしっかりつかう運動です。
歌うために肺をつかうことで、気が下向きに降り、ストレスが解消します。
ほかにも、ヨガで呼吸をしっかりするだけで気持ちがスッキリしますし、運動して、肺をつかうことで気持ちがすっきりするのも実感できるのではないでしょうか?
肺活で自律神経が整うのは、漢方で考えると、当然のことといえます。
胸郭・横隔膜
ヤフーニュースの肺活の記事を読んでみると、いくつかおすすめのストレッチ方が紹介されています。
ストレッチに多く共通しているのは、胸郭を伸ばすことです。
胸郭が緩むことで、筋肉が緩み、呼吸がしやすくなります。
漢方の世界でも、胸郭・横隔膜の働きが重要なります。
胸郭・横隔膜は、漢方では気の流れを調節している部位となります。
例えるなら、カメラのレンズのしぼりのようなものです。
レンズのしぼりがピントを調節するように、胸郭・横隔膜が上下の気の流れを調節しています。
反対に、胸郭・横隔膜が固いと上下でスムーズに気が流れにくくなります。
そのようなときは漢方では胸脇苦満という状態になります。
胸脇苦満とは、心下部や肋骨に沿って、また脇腹から背部周辺が重苦しく脹ったり、痛んだりすることです。
胸脇苦満の方に多くみられる症状に、イライラ・不安感があります。
漢方では気の鬱滞があると、イライラ・不安感の精神症状がみられたり、胸脇苦満がみられたりします。
胸・脇を緩めることで気の流れがスムーズになります。
肺活のときに胸郭を緩めることは、漢方で見ても気の流れを整えることにつながり、とても意味のあることだといえます。
肺活と漢方のつながりについて説明しました。
自律神経を整えるうえで、肺活は簡単にすることができ、漢方の目線でみるとさらに納得できます。
マスク生活で呼吸が浅くなっている現在では、肺活はとてもおすすめです。