灯心堂漢方薬局

市販の漢方薬が効かない3つの理由~市販薬が効かないと感じたことはありませんか?

ドラッグストアで漢方薬をみかけて、買ってみたもののあまり効かなかった経験はありませんか?

 

市販で売られている漢方薬が効かないのには理由があります。

 

3つ理由を紹介したいと思います。

 

生薬の量

 

実は市販で売られている漢方薬の多くは生薬の量が少なめになっています。

 

例えば医療量では4g入っていたものが、あるメーカーの市販薬では2gに半分になっているものが多くあります。

 

実際に加味逍遙散を例に、メーカーごとの違いをみてみましょう。

 

生薬名\メーカー

医療用ツムラ

市販用ツムラ

市販用クラシエ

市販用大杉

サイコ 3.0g 1.5g 1.8g 3.0g
シャクヤク 3.0g 1.5g 1.8g 3.0g
ビャクジュツ 3.0g 1.5g 1.8g 3.0g
トウキ 3.0g 1.5g 1.8g 3.0g
ブクリョウ 3.0g 1.5g 1.8g 3.0g
サンシシ 2.0g 1.0g 1.2g 2.0g
ボタンピ 2.0g 1.0g 1.2g 2.0g
カンゾウ 1.5g 0.75g 0.9g 1.5g
ショウキョウ 1.0g 0.5g 0.3g 0.5g
ハッカ 1.0g 0.5g 0.6g 1.0g

 

加味逍遙散を医療用ツムラ、市販ツムラ、市販クラシエ、市販大杉のメーカーで比較してみました。

 

書いてある数字は1日分の生薬量です。

 

医療用のツムラでサイコは1日当たり3gつかわれています。

 

市販薬のツムラ漢方ではサイコは1.5gと医療用に比べ半分の量になっています。

 

市販のクラシエでもサイコは1.8gと6割しか入っていません。

 

市販の中でも大杉の商品は医療と同じく3gも生薬が入っています。

 

このことからも、市販の漢方薬は本来の量よりも少なめにつくられています。

 

顆粒剤はつくる工程で成分が飛びやすいといわれているのに、市販薬ではさらに生薬が減っているため、どうしても効果の実感が薄くなるのは当然のことといえます。

 

生薬の量はメーカーによって異なるため、生薬量が多い商品もちゃんとあります。

 

ご購入の際はしっかりパッケージを見て、生薬の量を確認し、購入することをおすすめいたします。

 

 

自分での判断が難しい

 

漢方薬は症状と、体質から薬を選びます。

 

一般の方が自分で自分の体質を見分けることが難しいといえます。

 

例えば、疲労倦怠感があるときに使う、補中益気湯という漢方薬があります。

補中益気湯は、その名の通り気を補うことで気力、体力を補う漢方薬です。

 

体力が落ちた実感のある方が多く、購入されると思います。

 

気が不足した気虚の状態のときには補中益気湯は効果を発揮します。

 

疲労倦怠感を起こす体質は気虚以外にも、気滞、腎虚、血虚なども考えられ、いくつかパターンがあります。

 

気滞という気の動きが悪いときに、気を補うと余計に流れが悪くなり、体質が違うのに漢方を飲んでも効果がみられません。

 

補中益気湯は人参が入り、胃腸の働きを助ける働きがあります。

 

しかしご自身で購入された補中益気湯を服用すると胃痛がするという方がいらっしゃいました。

 

その方にお話をよくお聞きすると、補中益気湯と体質があっていないと考えられました。

 

そこで別の漢方薬をおすすめしたところ、胃痛もなく、服用していただけました。

 

パッケージに記載されている症状は正しいことが記載されているのですが、その症状とご自身の体質が一致するかは別の問題です。

 

漢方では、同病異治という言葉があります。

 

同じ病気でも治療法が異なるという意味です。

 

疲労倦怠感という同じ症状でも、人によって治療法が異なってきます。

 

市販の漢方薬を飲んだけど効果がなかった、という方はもしかしたら漢方薬が効かなかったのではなく、選び方が良くなかったかもしれません。

 

飲んでも効果のなかった場合は、一度病院や薬局で相談してみてください。

 

飲み合わせ

 

飲み合わせといっても、良い意味での飲み合わせ、相乗効果についてです。

 

病院を受診したときなど、漢方薬を2種類処方された経験はありませんか?

 

そのようなときは病院の先生が2種類の漢方薬の組み合わせで相乗効果をねらっていると考えられます。

 

例えば、気を補う薬と、気を補う薬でさらに強く気を補ったり、1つでは気のめぐりを改善し、もう1つでは気を補うことで、全体として循環をよくすることができます。

 

ほかにも熱を冷ます漢方薬と、栄養を補う漢方薬を組み合わせるなど、患者さんの状態によって様々な組み合わせが考えられます。

 

体調が悪いとき、1か所だけが不調であればいいのですが、それが波及し、別のところも調子が悪くなったり、1か所の不調の裏には別の原因が隠れていたりすることもあります。

 

そういったときに複数の漢方薬を組み合わせます。

 

不調を治すために、1つの漢方薬だけでは難しい場合があります。

 

ただし、ご自身でご購入の場合は飲み合わせのこともあるので、必ずご相談のうえでご購入下さい。

 

 

まとめ

 

市販の漢方薬が効きにくい理由を説明しました。

 

・市販薬の生薬の量が少ないことに関しては、商品によって生薬の量が異なるため、しっかりパッケージをみてご購入されることをおすすめします。

 

・自分での判断が難しいことについては、相談していただくことが良いのですが、今は書物やインターネットで漢方のことが勉強できます。とくに書物は一般の方向けの本も多く出版されています。ご自身でご購入の際は、すぐに購入するのではなく、一度、書籍やインターネットなどで調べてみていただいてもいいかもしれません。

 

・複数の漢方薬をご自身の判断で服用することはおすすめしておりません。ご購入の際は必ず購入する店舗でご相談ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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