漢方薬ってどれくらい飲めば効くの?~即効性のある漢方薬もあります
漢方薬の服用期間
漢方薬ってどれくらい飲めば効果がでるのか疑問に思ったことはありませんか?
一般的には漢方薬の効果が出るのは1~2か月ほど服用する必要があるといわれています。
実際にそうなのでしょうか?即効性のある漢方薬もあるので紹介したいと思います。
芍薬甘草湯の即効性について
こむら返りで病院に相談すると漢方薬をもらったことはないでしょうか?
こむら返りといえば芍薬甘草湯で、市販でも売られています。
こむら返りで服用するときは、痛みを抑えるためにすぐに効果が出てほしいところです。
実際に透析患者のこむら返りにつかわれた研究で、芍薬甘草湯の頓服で88.5%の患者さんに効果がありました。
効果がでるまでの時間も、下肢では痛みが消えるまでの時間は5分前後と報告され、即効性があることがわかります。
便秘の漢方薬について
便秘で困っているときも、数時間で効果が出てほしいところです。
便通をよくする漢方薬の代表的なものに大黄(ダイオウ)があります。
大黄の主成分はセンノシドといい、病院で処方されるセンノシド錠・プルゼニド錠は大黄に含まれている成分になります。
大黄・センノシドは服用後約8時間後ほどに効果を発揮し、数時間で効果が出るという点ではある程度即効性があるといえます。
インフルエンザの漢方薬
インフルエンザにも漢方薬がつかわれることがあります。
インフルエンザ患者に対する麻黄湯とオセルタミビル(いわゆるタミフル)を比較した報告があります。
麻黄湯投与群は、オセルタミビル投与群よりも有熱期間が17時間短かったと報告されています。
漢方薬は効果がでるまで時間がかかるといわれていますが、5分から効果を実感する漢方薬もあれば、数時間で効果を発揮するものもあります。
漢方薬の服用期間は?
停滞しているものを動かすときは効果発現は比較的早く、不足しているものを補うときは時間がかかります。
滞っているもの・過剰になっているものを動かすときは効果がでるまで比較的早いです。
漢方薬で動きをつけてあげればめぐりがよくなります。
足りていないもの・不足しているものを補うときは効果がでるまで時間を要します。
補って、充足するまでに時間がかかるためです。
・鬱滞しているものを動かすとき→比較的早い
・不足しているものを補うとき→比較的時間がかかる
しかし時間がかかるといっても、補われていく過程でちょっとした自覚症状の改善は数日でみられることがほとんどです。
例えば妊活で来られた方でも妊娠までは時間がかかりますが、服用して2、3日で何かしらの自覚症状の改善はみられます。
生理痛がなくなったり、便通がよくなったり、肩こりがよくなったり、不眠がよくなったり、イライラしなくなったりなどは数日で実感していただける方がほとんどです。数日の服用で症状が全く変わらないのであれば体質になっていない漢方薬の可能性があります。
漢方薬は効果がでるまで1~2か月かかるといわれ、時間がかかるものを思われていますが、その過程で何かしらの自覚症状の改善はみられることが多いのです。
西洋医学は検査値を重要視し、数値が下がっても、数字を維持するために服用を続けることになりますが、漢方薬は自覚症状が重要であり、ご自身である程度症状が改善したと思われた際は服用をやめていただいても構いません。
漢方薬が気になる方は一度お近くの病院や漢方薬局で相談してみてはいかがでしょうか。